今回ご紹介する言葉は、熟語の「吝嗇(りんしょく)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「吝嗇」をざっくり言うと……
読み方 | 吝嗇(りんしょく) |
---|---|
意味 | 極度に物や金銭を惜しむさま |
類義語 | けち、一文惜しみなど |
対義語 | 浪費、恬淡、無欲恬淡など |
英語訳 | stingy(ケチくさい) |
「吝嗇」の意味をスッキリ理解!
「吝嗇」の意味を詳しく
「吝嗇」は、極度に物や金銭を惜しむさまを表す熟語です。必要以上にケチな人の性格や様子を指して、使います。
「吝嗇」は、多くの場合ネガティブな意味で使用されます。通常必要とされる経費まで切り詰めるなど、度が過ぎてお金に執着している様子を表します。
一方、「節約」「倹約」は、「無駄遣いをやめ、切り詰める」という意味です。そのため、肯定的な意味合いで使うことが多いです。
「吝嗇」は、「ケチ」の遠回しな表現であるといえます。
文学作品などでは、「けち」「しみつたれ」に「吝嗇」の字をあてることがあります。また、「吝」にりっしんぺんを付けて、「悋嗇」と書く場合もあります。
「吝嗇」な性格の人のことを、「吝嗇家」といいます。また、「吝嗇」な性格の男性のことを、「吝嗇漢(りんしょくかん)」といいます。
「吝嗇」は、「吝」「嗇」の2つの漢字から構成されています。「吝」は「吝(お)しむ」「吝(しわ)い」「吝(やぶさ)か」、「嗇」は「嗇(お)しむ」「嗇(やぶさ)か」と読みます。どちらの漢字にも「金銭や物品を惜しんで出さない」「けち」という意味があります。
「吝嗇」の使い方
- 彼の吝嗇な性格は、度が過ぎている。あれでは、友人も恋人もできないだろう。
- 彼女が吝嗇家になったのは、幼い頃に貧しい家庭で育ったことが影響しているのかもしれない。
- 金はしょせん紙切れだから、どんどん使い、経験に変えるべきだ。吝嗇は、百害あって一利なしだ。
例文➀➂のように、「極度に物や金銭を惜しみ、ケチである」という意味で使用されます。
例文➁では、ケチな性格の人のこと「吝嗇家」と表現しています。
「吝嗇」の類義語
「吝嗇」には以下のような類義語があります。
- けち:ひどく金品を惜しむさま
- しみったれ:ひどく金品を惜しむさま
- 一文惜しみ:わずかな金品を惜しむこと
「しみったれ」には、「考えや気持ちが狭いさま」「貧乏でみずぼらしいさま」といった意味があります。
「吝嗇家」の類義語として、「守銭奴(しゅせんど)」「握り屋」があります。
「守銭奴」とは、金銭を貯めることに執着している人のことです。守銭奴は、「吝嗇家」よりも「金銭をため込む」という意味合いが強いです。
「握り屋」とは、「金銭を貯め込み、出し惜しみをする人」のことです。
「吝嗇」の対義語
「吝嗇」には以下のような対義語があります。
- 浪費:金銭、時間、労力などをむだに使うこと
- 恬淡(ていたん):無欲で、物に執着しないこと
- 無欲恬淡(むよくてんたん):無欲で、物に執着しないこと
恬淡は、「欲がなく、心が安らかであるさま」を表します。物だけでなく、地位や名誉などにもとらわれないことを意味します。
「無欲恬淡」は、恬淡を使った四字熟語で、恬淡と同様の意味です。
「吝嗇」の英語訳
「吝嗇」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- stingy
(ケチくさい)
“He’s awfully stingy”で、「彼はひどくけちくさい」という意味の文章になります。
“stingy” の名詞形は“stinginess”で、「けち」を意味します。
また、「吝嗇家」の英語表現としては、 “miser”があります。
まとめ
以上、この記事では「吝嗇」について解説しました。
読み方 | 吝嗇(りんしょく) |
---|---|
意味 | 極度に物や金銭を惜しむさま |
類義語 | けち、一文惜しみなど |
対義語 | 浪費、恬淡、無欲恬淡など |
英語訳 | stingy(ケチくさい) |
「吝嗇」は、難読漢字の1つです。漢検一級では、読みがなを答える問題として出題されています。
正確な読み方・意味をしっかりおさえておきましょう。