今回ご紹介する言葉は、熟語の「理不尽(りふじん)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳わかりやすく解説します。
「理不尽」の意味をスッキリ理解!
「理不尽」の意味を詳しく
「理不尽」は、筋道が立たない事柄を指す熟語です。無茶苦茶(むちゃくちゃ)と表すこともできます。
理不尽という言葉を最もよく使用するシーンは、「こちらに非がないにも関わらず一方的に責められたり叱られたりした時」です。力のある者が力のない者に対して行うことが多くなっています。
無差別に人を襲う通り魔の被害に遭った場合、殺人事件に巻き込まれた場合など、何かしらの被害や損害を受けたことも「理不尽」で表現できます。天変地異や運命、神様のイタズラなど「自分の力ではどうにもならないもの」も「理不尽」の対象です。
「理不尽」な行動とは?
「理不尽」は、人が起こす行動に対して使用されます。「どうしようもない無茶な要求」「常識のないクレーム」が一般的です。
いくつかの例で確認してみましょう。
- 「自分の子供を主役にしろ」と親が幼稚園の先生に要求する。
- 「この商品を安くしろ」とお客さんに迫られる。
「理不尽」なことに直面したら、客観的に相手のことを見るように心がけましょう。
また、必要以上に自分自身が謝る必要もありません。自分に負担がかからないような、考え方や行動を心がけ乗り越えていきましょう。
「理不尽」と「不条理」の違い
よく似た意味を持つ2つの熟語の違いについて説明します。
- 理不尽:道理を尽くさないこと・道理に合わないこと
- 不条理:物事の筋道が立たないこと・道理に合わないこと
「理不尽」は「他人の言動が理屈に合わず、納得できない場合」に用いられます。一方で「不条理」は「意思によらない出来事や境遇などがどうにもならない場合」に用いられるのが一般的です。
以下のように「不条理」は、予期しない出来事が起きた場合に使用されます。
- 不条理だが、戦争が今もなお起きている国がある。
「理不尽」の使い方
- 嫌な上司から理不尽な扱いを受ける。
- お客さんからの理不尽なクレームに対応する。
上記の例文は、「筋道の合わない言動」を「理不尽」という言葉で表しています。場面は様々ですが、身に覚えがないことで文句を言われたり、怒られた場合に使用します。
「理不尽」の語源
理不尽を漢字でみると「理」は「物事の筋道」、「不」は「否定」、「尽」は「全(まっと)うする」という意味を持っています。
すべての文字を組み合わせた「理不尽」は、物事の筋道を全(まっと)うしていないという意味になりました。
「理不尽」の類義語
理不尽には以下のような類義語があります。
- 不合理:道理・理屈に合っていないこと
- 不条理:物事の筋が通らない事
「不合理」の「理」は、「物事の筋道・道理」という意味を持っています。そのため「不合理」は、「物事がそうあるべき筋道に合っていない」という意味合いになります。
「不条理」は、ほとんど「理不尽」と同じ意味です。「道理に合わない」ことを表現します。特に多いのは、天災など、人の力ではどうにもならないことに対しての使用です。
「理不尽」の対義語
理不尽には以下のような対義語があります。
- 正当:道理にかなっていること・正しいこと
- 合理:道理にかない正当であること
「正当」「合理」の両者とも、「道理に合っている」という意味を持っています。「理不尽」とは、真逆の意味を持つ熟語になっています。
「理不尽」の英語訳
理不尽を英語に訳すと、次のような表現になります。
- unreasonable
(理不尽)
- unreasonable
例:A politician has many unreasonable people.(政治家には理不尽な人が多い)
まとめ
以上、この記事では「理不尽」について解説しました。
読み方 | 理不尽(りふじん) |
---|---|
意味 | 物事の筋道が立たないこと |
語源 | 「理」の「物事の筋道」 「不」は「否定」 「尽」は「全うする」から |
類義語 | 不合理、不条理など |
対義語 | 正当、合理など |
英語訳 | unreasonable |
「理不尽」は、日常の出来事に頻繁に使用される単語です。主に人の言動が原因で感じる気持ちを「理不尽」という熟語で表現します。「不合理」「不条理」などの類義語は言い換えもできるほど似た意味を持ちます。
しっかりと理解して、使用場面を判断して使っていきましょう。