今回ご紹介する言葉は、熟語の「放念」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・「放念」と「失念」の違い・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「放念」をざっくり言うと……
読み方 | 放念(ほうねん) |
---|---|
意味 | 気にかけないこと・心配しないこと・忘れること |
語源 | 「考えることから自由になる」という意味の漢字から |
類義語 | お忘れください ご容赦ください お見捨ておきください |
「放念」と「失念」の違い | 失念 |
対義語 | 懸念、執着 |
英語訳 | disregard(無視する) don’t be concerned(気にしない) don’t mind(気にしない) |
このページの目次
「放念」の意味をスッキリ理解!
「放念」の意味を詳しく
「放念」とは、「気にかけないこと・心配しないこと・忘れること」です。
「忘れる」と言うと、マイナスのイメージを持つ人もいると思いますが、「放念」は基本的にプラスの意味で使われます。
つまり、「忘れてはいけないことを忘れてしまう」という意味ではなく、「忘れたほうがいいことを忘れる」という意味なのです。
「無責任」という意味ではなく、「必要以上に心配しない」「あまり気にしすぎない」という意味です。
「放念」の使い方
「放念」は、以下のように「ご放念ください」という形で使われることがほとんどです。
- 本社のサービスをご利用でない場合は、このメッセージはご放念ください。
- 見積もり作成依頼についてはご放念いただけるでしょうか。
- 先ほどのメールはご放念ください。
「ご放念」は、「放念」に「御」をつけて、丁寧にした言葉遣いです。この形で使われることがほとんどです。
丁寧語なので、自分ではなく相手に使うという点に注意しましょう。
自分がミスをしてしまったときなどに、「気にしないでください」「忘れてください」という意味で「ご放念ください」が使われます。
➊の場合、「案内に対して該当しない人物がいるため、そのような人は無視してください」という意味で使われています。
➋では、「依頼するはずだったものをなかったことにしたいので、依頼については忘れてください」という意味で使われています。
➌では、勘違いや間違いでメールを送ってしまった相手に対して、「忘れてください」という意味で使われています。
「放念」の語源
「放念」の漢字には、以下のような意味があります。
- 放:束縛を解く・自由にする
- 念:思うこと・気を付けること
つまり、「放念」は「考えることから自由になる」という意味の漢字であることがわかります。
「放念」の類義語
「放念」という単語を単体で使うことは非常に少ないため、「ご放念ください」という表現の類義語を見ていきましょう。
「ご放念ください」には以下のような類義表現があります。
- お忘れください:「忘れてほしい」の丁寧な表現
- ご容赦(ようしゃ)ください:「許してほしい」の丁寧な表現
- お見捨ておきください:「気にかけないでほしい」の丁寧な表現
「放念」と「失念」の違い
「放念」と間違われやすい言葉として「失念(しつねん)」があります。
「失念」とは、「うっかり忘れること」「ど忘れ」という意味の謙譲語です。つまり、「忘れていました」のへりくだった表現です。
「知らなかった」という意味ではなく、「知っていたはずなのに、うっかり忘れていた」という意味です。
「放念」はへりくだった言い方であるため、相手にしか使わない言葉ですが、「失念」は逆に自分にしか使うことができないので注意しましょう。
「放念」の対義語
「放念」には以下のような対義語があります。
- 懸念(けねん):気にかかって不安がること・心配すること
- 執着(しゅうちゃく):深く思い込んでどうしても忘れ切れないこと
どちらも、「気にしない」「忘れる」という意味の「放念」の対義語であると言えます。
「放念」の英語訳
「放念」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- disregard
(無視する) - don’t be concerned
(気にしない) - don’t mind
(気にしない)
まとめ
以上、この記事では「放念」について解説しました。
読み方 | 放念(ほうねん) |
---|---|
意味 | 気にかけないこと・心配しないこと・忘れること |
語源 | 「考えることから自由になる」という意味の漢字から |
類義語 | お忘れください ご容赦ください お見捨ておきください |
「放念」と「失念」の違い | 失念 |
対義語 | 懸念、執着 |
英語訳 | disregard(無視する) don’t be concerned(気にしない) don’t mind(気にしない) |
「放念」は、ビジネスなどの場面でよく使われる言葉なので、この機会にしっかりと理解しておきましょう。