今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「パラダイムシフト」です。
「パラダイムシフト」の意味・使い方・語源についてわかりやすく解説します。
「パラダイムシフト」の意味をスッキリ理解!
「パラダイムシフト」の意味を詳しく

「パラダイムシフト」とは、特定の時代や集団を支配する考え方や価値観が大きく変化することです。
主に科学の世界において、技術の発展により今まで最先端だと思われていたものが、古いものだとみなされるようになったり、新たな考え方や価値観の登場で今までの常識が否定されたりすることが、「パラダイムシフト」にあたります。
具体的には、ニュートンによる万有引力の発見や、ダーウィンの進化論の発見による、科学的な定説の変換、より最近で身近なところで言えば、スマートフォンの登場によるガラパゴスケータイの衰退が、その最たる例といえるでしょう。
また、その意味が転じて、最近ではビジネスの世界でも使用されるようになっていったようです。
「パラダイムシフト」の使い方
- 17世紀、ガリレオ・ガリレイが提唱した地動説は、一時は否定されたものの、科学界におけるパラダイムシフトの最たる例と言えるだろう。
- 以前は紙媒体が主流だった広告業界に関しても、デジタルの領域へとパラダイムシフトを遂げた。
- 営業成績が振るわない今期の失敗を取り返すために、社内ではパラダイムシフトの重要性が説かれている。
①で用いられている「パラダイムシフト」は、原義通り、「これまでの常識が覆される」といった意味です。ガリレオが天動説を否定し、地動説を提唱した、というその出来事が、これまでの定説を廃した革新的なものであった、というニュアンスで用いられています。
②で用いられている「パラダイムシフト」は、①の意味に大差はありませんが、ビジネスの世界での実際例をあげたものです。歴史上ではなく、一つの業界の中で革新的な出来事であった、という場合においても「パラダイムシフト」を使用する場合は多々存在します。
③で用いられている「パラダイムシフト」は、①・②と比べて、より狭義の意味となっています。ある程度大きな集団やグループに対して使われるのがもともとの意味でしたが、一つの会社、という小さな集団に対しても使用され出してきたようです。
①〜③からもわかるように、「パラダイムシフト」という単語は、使用が想定されていた集団の大きさに異なりはあれど、現代においても、ほぼ原義通りの使われ方をしています。
「パラダイムシフト」の語源
「パラダイムシフト」の語源は英語の “paradigm shift” です。
“paradigm shift” という単語の産みの親は、アメリカの哲学者であるトーマス・サミュエル・クーンという人物であり、トーマスが “paradigm” という単語を作り出したことによるものです。
トーマスは自身の著作である「科学革命の構造」という本の中で、 “paradigm” を「例、模範、典型」という意味だと定義しました。
そこに「転換する」といった意味を持つ “shift” を組み合わせて、科学の歴史における変化を説明したものが語源となり、今日まで「転換・革命」などといった意味で用いられています。
まとめ
以上、この記事では「パラダイムシフト」について解説しました。
英語表記 | パラダイムシフト(paradigm shift) |
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意味 | 特定の時代や集団を支配する考え方や観念が、劇的に変化すること |
語源 | 英語の“paradigm shift” |
「パラダイムシフト」はその意味が持つ規模の大きさから、日常会話では敬遠されがちな単語です。しかし、前述の通り、最近ではビジネスの場面でも使用されるようになってきました。そのため、ここできちんとその意味を整理しておくことが大切だといえるでしょう。