今回ご紹介する言葉は、熟語の「横行(おうこう)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「横行」をざっくり言うと……
読み方 | 横行(おうこう) |
---|---|
意味 | 自由気ままにふるまうこと。悪事がはびこること。 |
語源 | 漢語の意味が転じたもの |
類義語 | 氾濫、跋扈、蔓延など |
英語訳 | rampant(犯罪などが猛威を振るうこと)など |
「横行」の意味をスッキリ理解!
「横行」の意味を詳しく
「横行」は、「自由気ままにふるまうこと」を意味する熟語です。これが転じて、日常生活では「悪事がはびこること」の意味で使われることが多いです。「おうぎょう」と読まれることもあります。
「横」という漢字には、「勝手気まま」という意味や「心のまま」という意味があります。もうひとつの「行」という漢字は、「行い」と書いて「おこない」と読むように、「振る舞い」を意味します。
したがって、「横行」というのは「勝手気ままな振る舞い」だと解釈することができますね。この熟語は、一つ目の漢字が二つ目の漢字を修飾するという関係にあります。
「横行」の使い方
- 転校先の学校では、不良が横行していると噂があり、とても不安だ。
- 近頃、漫画などの海賊版を配信するサイトの横行が問題となっている。
- 汚職の横行を見逃すなど、私の正義感が許さない。
- この街では盗みが横行しており、注意をするに越したことはない。
- 娘はカニの横行を、じっと見つめていた。
①の例文では、「自由気ままにふるまうこと」という意味で「横行」が使われています。「悪事がはびこること」という意味で使われているのは、②〜④の例文です。
また「横行」は、⑤の例文のように「横向きに進むこと」の意味で使われることもあります。
「横行」の語源
「横行」はもともと、「横向きに進むこと」や「勝手気ままにのし歩くこと」を意味する漢語でした。日本でもこの意味で使われていましたが、10世紀ごろに、その用法が変わりました。
その当時、貴族たちが私的に所有していた土地は、荘園(しょうえん)と呼ばれていました。荘園の持ち主である貴族の命令に従わず、自分のことばかりを考えて勝手なふるまいをする役人を指して、「横行人(おうぎょうにん)」と呼ぶようになったのです。
これが広く使われるようになり、「横行」は現在のように「悪事がはびこること」という意味を持つようになりました。
「横行」の類義語
横行には以下のような類義語があります。
- 氾濫(はんらん):好ましくないことが、広まること
- 跋扈(ばっこ):好ましくないことが、はびこること
- 蔓延(まんえん):好ましくないことが、広まること
- 跳梁(ちょうりょう):悪人などが、好き勝手にふるまうこと
「横行」の英語訳
横行を英語に訳すと、次のような表現になります。
- rampant
(犯罪などが猛威を振るうこと) - prevalent
(蔓延している) - widespread
(広く行き渡る) - walking sideways
(横向きに歩くこと)
まとめ
以上、この記事では「横行」について解説しました。
読み方 | 横行(おうこう) |
---|---|
意味 | 自由気ままにふるまうこと。悪事がはびこること。 |
語源 | 漢語の意味が転じたもの |
類義語 | 氾濫、跋扈、蔓延など |
英語訳 | rampant(犯罪などが猛威を振るうこと)など |
日常生活でよく用いられる「横行」には、一般的に広く認識されているもの以外にも意味があります。こちらもあわせて理解しておきましょう。