今回ご紹介する言葉は、熟語の「任意(にんい)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「任意」をざっくり言うと……
読み方 | 任意(にんい) |
---|---|
意味 | 相手の思うようにすること |
類義語 | 恣意、随意 |
対義語 | 強制、義務 |
英語訳 | optional(自由に、選択できる)など |
「任意」の意味をスッキリ理解!
「任意」の意味を詳しく
「任意」とは、心のままにすること、その人の意思に任せることを表す言葉です。「任意」を構成する漢字は、それぞれ以下のような意味を持っています。
- 任:その人に任せること、自由にさせること
- 意:気持ち、考え、意見
上記の意味が組み合わさることで、「相手の判断や意思に任せる」という意味になりました。たとえば、「アンケートへの協力は任意です」という場合、「記入は本人の自由であり、記入してもしなくてもいい」という意味になります。
法律や行政における任意
法律や行政の制度でも、「任意」という言葉がさまざまな場面で使われています。
たとえば、「警察の任意同行」は、「その人から同意を得た上で、警察が連行する」という意味になります。警察から、力づくで連れていかれそうになったり、暴力を振るわれた、といった場合は違法になります。
ただし、逮捕の前段階として任意同行を求められた場合には、証拠隠滅のリスクがあるため、「任意同行」だとしても拒否することはできません。警察から「署まで来てください」と呼び出しを受けた場合、犯人と疑われているのか、参考人としてなのかを確認しましょう。
数学や論理学における「任意」
数学・論理学の分野において使われる「任意」は、一般的な「任意」とは意味内容が異なります。
数学・論理学において、任意とは「無作為に選ぶこと」を意味します。この場合の「任意」は、「どれでも」「いずれの○○でも」などの言葉と同じような意味で使われます。
たとえば、任意の変数「A」と定義される場合、「Aに入れることのできる具体的な数字は、どんなものでも構わない」ということを表しています。
「任意」の使い方
- こちらの提出物は任意でのご提出となります。
- 警察から事情聴取の後、警察署へ任意同行を求められた。
- 任意の点Aと点Bを直線で結ぶ。
①の例文は、「相手の判断に意思に任せる」という意味で「任意」が使われています。最も一般的な使われ方です。
②の例文は、法的な意味での「任意」です。また、③の例文は、「いずれか好きな点を直線で結ぶ」という意味の例文であり、数学や論理学における「任意」として使われています。
「任意」の類義語
「任意」には以下のような類義語があります。
- 恣意:勝手、気ままに
- 随意:自分の思うまま、強制がなく自由であること
一方で、「任意」と「随意」はほとんど同じ言葉として使われています。どちらも、「心のままにまかせること」「その人の自由意思にまかせること」を表しています。ただし、「任意」の方が、「随意」よりも一般的な言葉として広く使用されています。
「任意」の対義語
「任意」には以下のような対義語があります。
- 強制:威力や権力でその人の意思を押さえつけ、無理に行わせること
- 義務:行わなければならないこと
どちらの対義語にも、「本人の意思に関係なく、行動する」というニュアンスがあります。
「任意」の英語訳
「任意」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- optional
(自由に、選択できる) - voluntary
(自発的に、任意の) - any
(数学的な意味での任意)
“optional” “voluntary” は「その人の意思で行う」という意味のある言葉です。また、 “any” は数学的な意味での「任意」を英訳する場合に用いられます。
まとめ
以上、この記事では「任意」について解説しました。
読み方 | 任意(にんい) |
---|---|
意味 | 相手の思うようにすること |
類義語 | 恣意、随意 |
対義語 | 強制、義務 |
英語訳 | optional(自由に、選択できる)など |
「任意」は日常会話よりも、文章などでよく目にする言葉です。意味や使い方について、しっかり確認しておきましょう。