「何卒(なにとぞ)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「何卒(なにとぞ)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・注意点・語源・英語訳についてわかりやすく解説します。

「何卒」の意味をスッキリ理解!

何卒(なにとぞ):相手に対して強く願い望む気持ち

「何卒」の意味を詳しく

「何卒」は「相手に対して強く願い望む気持ち」を表します。

「どうか」や「どうぞ」を堅くした表現で、相手と少し距離が遠い、または目上の人に使います。

他に「どうにかして(自分が)やる」という意味も存在しますが、現代ではほぼ使われていません。

「なにそつ」ではなく「なにとぞ」と読みます。読み方を間違える人が非常に多いため、注意が必要です。

「何卒」の使い方

「何卒」はメールや手紙などの書き言葉として用いられることが多いです。

「何卒」をつけることで相手に丁寧な印象を与えることができます。

「何卒」は以下のような言い回しで用いられることが多いです。

  • 以上、何卒~
  • 何卒ご容赦~
  • 何卒ご理解~
  • 何卒(単独)

それぞれの意味について例文と一緒に詳しく見ていきましょう。

以上、何卒~

「以上、何卒~」はメールの結びのあいさつとして用いられることが多い表現です。

具体的には「以上、何卒お願いいたします」などの言い回しで用いられます。

メールで最後まで相手に敬意を払いたい時に用いましょう。

例文
会食への出席を期日までにご回答ください。以上、何卒お願いいたします。

何卒ご容赦~

「何卒ご容赦~」は相手に敬意を表しつつ、許しを請う時に用いられる表現です。

具体的には、「何卒ご容赦ください」などの形で用います。

「ご容赦ください」は目上の相手に許しを請う表現ですが、「何卒」を用いることでより丁寧な表現になります。

例文
新型コロナ感染症の影響でイベントは中止になりました。何卒ご容赦ください。

何卒ご理解~

「何卒ご理解~」は相手に強く理解を求める時に用いられる表現です。

具体的には、「何卒ご理解ください」「何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます」などの言い回しで用います。

例文
増税の影響により、商品価格を一部変更させていただきます。何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

何卒(単独)

「何卒」は時代劇、もしくは若者のスラングとして単独で用いられることもあります。

この場合の「何卒」は「何卒よろしくお願い申し上げます」を略した表現です。

時代劇の場合は、目上の人に強く依頼する時に用いられる表現です。

若者言葉の場合は「よろしく!」程度のニュアンスで用いられます。

例文
  • 「殿、何卒……!」
  • A:「新入生の〇〇です。よろしくお願いします」
    B:「何卒~」

「何卒」の注意点

「何卒」には以下のような注意点があります。

  • 使いすぎるのはNG
  • 「何卒よろしくお願いします」は不自然な表現
  • 「どうか」「どうぞ」と一緒に用いない
  • 距離が近い相手には用いない

それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

使いすぎるのはNG

「何卒」はあまり多用するべきではありません。

「何卒」は言葉を強調したい時やお願いする時に便利な言葉ですが、使いすぎると重く堅苦しい文章になってしまいます。

それだけでなく、強調されている場所が多すぎて、本来強調したい部分が薄れてしまいます。

本当に強調したい部分だけ強調できるように、「何卒」を使うのはひとつの文章にひとつだけにしたほうが良いでしょう。

「何卒よろしくお願いします」は不自然な表現

「何卒よろしくお願いします」はよく使われている表現ですが、実は不自然な表現なので注意が必要です。

「何卒」は改まった堅い表現なので、一緒に使う表現も丁寧なものにする必要があります。

具体的には、「お願いいたします」「お願い申し上げます」などの謙譲語と一緒に用いるとよいでしょう。

「どうか」「どうぞ」と一緒に用いない

「何卒」は「どうか」「どうぞ」と一緒に用いないようにしましょう。

「何卒」はそもそも「どうか」「どうぞ」の丁寧さをより強めた表現です。

そのため、「どうぞ何卒」「何卒どうか」などと一緒に用いてしまうと、同じ意味の表現が続くくどい言葉になってしまいます。

距離が近い相手には用いない

「何卒」は距離が近い相手には用いないようにしましょう。

「何卒」は堅い言葉なので、距離が近い相手に使ってしまうと丁寧すぎてしまい、よそよそしいと感じられてしまう場合があります。

特に「何卒よろしくお願いいたします」などの表現はかなり丁寧なので、使うのはかなり目上の人や取引先などだけにしましょう。

「何卒」の語源

「何卒」は日本に古くからある単語です。

「何とか」という、「なんとかして」を意味する単語に、強調の助詞「ぞ」がくっついて誕生しました。「何とかぞ」が縮まり「なにとぞ」へと変化したようです。

そのため、「どうにかして(自分が)やる」という意味も残っています。

漢字は当て字です。

「何卒」の類義語

何卒には以下のような類義語があります。

  • 是非(ぜひ)、是非とも(ぜひ-とも):どんなことがあっても
  • どうか:人に心から頼む気持ち
  • どうぞ:人に勧める気持ち
  • 絶対(ぜったい):断じて
  • なんとか:あれこれ工夫して努力すること

「何卒」と「是非」の違い

「是非」は「どんなことがあっても」という意味の言葉です。

「何卒」と「是非」には以下のような違いがあります。

  • 何卒:距離がある目上の相手に用いる
  • 是非:親しい間柄の相手に用いる

「何卒」と「是非」は用いる相手が異なるのです。

意味に大きな違いはありません。

「何卒」と「どうか」の違い

「どうか」は人に心から頼む気持ちを表します。

「何卒」と「どうか」「どうぞ」には以下のような違いがあります。

  • 何卒:丁寧で堅い表現
  • どうか:フランクな柔らかい表現

「何卒」は「どうか」を丁寧にした表現です。

「何卒」の英語訳

何卒を英語に訳すと、次のような表現になります。

  1. kind
    (親切にも)
  2. Thank you for your help.
    (手伝ってくれてありがとう)
  3. I appreciate your kind cooperation.
    (あなたの親切な協力に感謝します)

「何卒」を単体で訳すことはあまり多くありませんが、“I ask for your understanding.“(理解してください)などの文章に“kind“を入れ、“I ask for your kind understanding.“とすると「何卒」の持つニュアンスが伝わります。

また、文末に使う「何卒よろしくお願いいたします」と完全に対応する表現は存在しないと言われています。

その代わりに、②や③などのような形であらかじめ感謝を述べることで、「(大変なことをやってくれて)ありがとう」と、丁寧なお願いを表します。

まとめ

以上、この記事では「何卒」について解説しました。

読み方何卒(なにとぞ)
意味相手に対して強く願い望む気持ち
語源「何とか」+強調の助詞「ぞ」
類義語是非、どうか、どうぞなど
英語訳kind(親切にも)など

「何卒」は、まず読み方を間違える人が多いため、注意しましょう。

また、かしこまった場面では使い所がよくある言葉ですので、ぜひとも意味を覚えてくださいね。