今回ご紹介する言葉は、熟語の「一顧」です。
言葉の意味・使い方・「一顧」が付く四字熟語・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「一顧」をざっくり言うと……
読み方 | 一顧(いっこ) |
---|---|
意味 | 少し振り返ってみること・心にとめて考えること |
「一顧」が付く四字熟語 | 一顧傾城 伯楽一顧 |
語源 | 「振り返る」「心にとめる」という意味の漢字から |
類義語 | 一考、一瞥 |
対義語 | 熟考 |
英語訳 | look at(見る) think a little(少し考える) |
このページの目次
「一顧」の意味をスッキリ理解!
「一顧」の意味を詳しく
「一顧」とは、「少し振り返ってみること・心にとめて考えること」です。
わかりやすく分けると、以下の二つの意味があります。
- 物理的な意味:後ろを振り返ること
- 比喩的な意味:立ち止まって考えること・心にとめること
「一顧」の使い方
- 彼の意見は一顧だに値しない。
- くだらないテレビ番組は一顧だにしない。
➊➋のように、「一顧だにしない」「一顧だに値しない」などの形で使われることが非常に多いです。
基本的には、否定形で「全く考えない」「考えるに値しない」という意味で使われます。
「一顧」が付く四字熟語
以下のように、「一顧」が使われる四字熟語があります。
- 一顧傾城(いっこけいせい)
- 伯楽一顧(はくらくのいっこ)
それぞれの意味と由来を見ていきましょう。
「一顧傾城」の意味
「一顧傾城」とは、「絶世の美女」のことです。
「一顧」は「ちらりと振り返ること」という意味で、「傾城」は、「町が滅びること」という意味です。ここでの「城」は、以下のように複数の意味で捉えることができます。
- 権力者が住む城
- 国
- 城壁で囲まれたひとつの町
「ちらりと見ただけで、町の権力者が惚れんで、町や国そのものまで滅びてしまう」という話からこの四字熟語が生まれました。
「伯楽一顧」の意味
「伯楽一顧」とは、「人などを見抜く眼力のある人から、才能を認められて重用されること」という意味です。
「伯楽」とは、名馬を見分ける名人として有名だった人物の名前です。
次のようなエピソードから、この四字熟語が生まれました。
しかし、その馬は三日間も売れずに残ってしまいました。そこで売人は伯楽に頼んで、馬の市から立ち去るときに、その馬のことを一度振り返ってもらいました。
すると、売人が売りに出していた駿馬には、それまでの10倍もの値がついて売れたと言います。
「有名だった伯楽が馬を少し振り返って見ただけで、その馬の才能が本物だと認められた」というエピソードです。
ここから、「伯楽のように、才能を見抜く能力のある人が、才のある人物を重用すること」という意味になりました。
「一顧」の語源
「顧」という漢字には、以下のような意味があります。
- ふりかえって見る
- 心をその方へむける
また「一」は、数字が小さいことから「少しだけ」などの意味で使われていると考えられます。
「一顧」の類義語
「一顧」には以下のような類義語があります。
- 一考(いっこう):一度考えてみること・ちょっと考えはかること
- 一瞥(いちべつ):ちらっと見ること・少しだけ見ること
「一考」は、「少し考えること」という意味での「一顧」の類義語です。
「一瞥」は、「少し振り返ってい見ること」という意味での「一顧」の類義語です。
「一顧」の対義語
「一顧」には以下のような対義語があります。
- 熟考(じゅっこう):念入りに深く考えること
「一顧」の英語訳
「一顧」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- look at
(見る) - think a little
(少し考える)
まとめ
以上、この記事では「一顧」について解説しました。
読み方 | 一顧(いっこ) |
---|---|
意味 | 少し振り返ってみること・心にとめて考えること |
「一顧」が付く四字熟語 | 一顧傾城 伯楽一顧 |
語源 | 「振り返る」「心にとめる」という意味の漢字から |
類義語 | 一考、一瞥 |
対義語 | 熟考 |
英語訳 | look at(見る) think a little(少し考える) |
「一顧」が含まれる四字熟語まで覚えておけるといいですね。