リテラシーとは「適切に理解・解釈・活用する力」という意味です。
最近の若者はリテラシーが高い、などリテラシーという言葉が使われているのを聞いたことがあるでしょう。
しかし、実際は正確な意味を知らないという人も多いのではないでしょうか。
この記事ではリテラシーの意味や使い方、語源、類義語、対義語、関連語との違いについて解説します。
☆「リテラシー」をざっくり言うと……
英語表記 | リテラシー(literacy) |
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意味 | 適切に理解・解釈・活用する力 |
語源 | 英語の“literacy” |
類義語 | 読解能力 読み解く力 活用能力 など |
対義語 | イリテラシー 無学 文盲 など |
このページの目次
「リテラシー」の意味
- 適切に理解・解釈・活用する力
例:ITリテラシーの高い彼女は情報に振り回されない。 - 読み書き能力
例:教育の普及により世界のリテラシーが上がっている
リテラシーはもともと読み書き能力という意味でした。ですが、最近ではより広く、適切に理解・解釈・活用する力という意味で使われています。
また、リテラシーは以下のようにさまざまな場面で使う言葉です。それぞれの意味を解説します。
- メディアリテラシー
メディアの情報を取捨選択する能力 - コンピューターリテラシー
パソコンやスマホを使いこなす能力 - ITリテラシー
ネット上の情報を正しく理解し、活用する能力 - ネットリテラシー
インターネットを正しく利用する能力 - 情報セキュリティリテラシー
パソコンやスマホを使う際の安全管理を行う能力 - 金融リテラシー
お金に関する知識 - 文化リテラシー
文化を理解し順応する力 - データリテラシー
データの内容を理解し、正しく活用する能力 - ゲームリテラシー
ゲームとうまく付き合う能力 - 環境リテラシー
環境問題に対する理解 - 統計リテラシー
統計データを正しく解釈する能力 - 科学リテラシー
科学的知識で課題解決をする能力 - 法律リテラシー
法律に関する正確な知識 - マルチメディアリテラシー
情報を批判的に分析する能力 - ヘルスリテラシー
自分にあった健康情報を探す能力 - リテラシー教育
子どものリテラシーを高める教育 - 視覚リテラシー
画像の意味や情報を適切に理解する能力
「リテラシー」の使い方
リテラシーは以下のように使います。
- 教育の普及により子どもたちのリテラシーが上がっている。
- ネットリテラシーの低い彼はSNSで炎上してしまった。
- 老後に備え、金融リテラシーを身につける。
- リテラシーのある人は情報に踊らされない。
①の例文は読み書き能力という意味でのリテラシーの使い方です。教育の発展により世界の識字率が上がっています。
②の例文はインターネットを正しく使う能力としてのリテラシーの使い方です。ネットリテラシーがあれば、トラブルを回避できます。
③の例文は金融に関する知識という意味でのリテラシーの使い方です。老後の資産運用のため、金融の知識を身につける人は多いです。
④の例文はリテラシーのある人について書かれています。リテラシーがあれば情報を適切に取捨選択できます。
「リテラシー」の語源
リテラシーの語源は英語の “literacy” です。
リテラシーは英語の発音をそのままカタカナに直した語です。
英語の “literacy”が単体で使われたときは「読み書き能力」という意味であることが多いという点が重要です。
また“literacy”の語源がラテン語で「教育を受けて文字を理解している人」という意味の“literatus”であることも覚えておきましょう。
リテラシーが日本で頻繁に使われるようになったのは1980年代以降です。
1985年に郵政省(現総務省)の発表した『通信白書』に登場した「情報化リテラシー」などの例が挙げられます。
「リテラシー」の類義語
リテラシーには以下のような類義語があります。
- 読解能力
文章を読み、理解する能力 - 読み解く力
情報から本質を見抜く力 - 活用能力
物の性質や役割を十分に発揮できるよう使う力 - 識字
文字が読めること - 学(がく)
学問 - 学習能力
学んで変化する力 - 教養
社会人として必要な広い文化的知識 - 専門知識
その分野を深くしりつくしていないと分らないような物事の知識 - 知見(ちけん)
知識 - 知識
ある物事について知っていることがら - 能力
物事を成し遂げることのできる力 - 博学(はくがく)
広い分野にわたって豊富な知識を持っていること - 洞察眼(どうさつがん)
鋭い観察力で物事を見通す力 - 批判的思考
情報を鵜呑みにせず、疑うことで本質を見抜く思考
「リテラシー」の対義語
リテラシーには以下のような対義語があります。
- イリテラシー
基礎学力が欠如していること - 無学
学問・知識がないこと - 文盲(もんもう)
無学で読み書きができないこと、「ぶんもう」は誤読 - 非識字(ひしきじ)
文字を理解できないこと
関連語「コンピテンシー」との違い
リテラシーの関連語にコンピテンシーがあります。違いを理解するため、まずは二つの言葉の意味を比較しましょう。
- リテラシー
適切に理解・解釈・活用する力 - コンピテンシー
これまでの経験で培ってきた行動特性やコミュニケーション能力
リテラシーは学習することで身につけられるのに対し、コンピテンシーは経験を積むことで育むものです。
その他の関連語
コンピテンシー以外にもリテラシーの関連語はあります。以下にその意味を解説します。
- 情報モラル
人が情報を扱う上で求められる道徳。 - デジタルデバイド
情報格差 - 情報弱者
情報の入手や利用について困難を抱える人のこと
「リテラシー」のまとめ
以上、この記事ではリテラシーについて解説しました。
英語表記 | リテラシー(literacy) |
---|---|
意味 | 適切に理解・解釈・活用する力 |
語源 | 英語の“literacy” |
類義語 | 読解能力 読み解く力 活用能力 など |
対義語 | イリテラシー 無学 文盲 など |
リテラシーは今を生きる上で非常に大切な能力です。ぜひ身につけましょう。