今回ご紹介する言葉は、熟語の「脅威(きょうい)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「脅威」をざっくり言うと……
読み方 | 脅威(きょうい) |
---|---|
意味 | おびやかすこと・おびやかされること |
類義語 | 恫喝(どうかつ)、怖気(おじけ)、威嚇(いかく)など |
対義語 | 威圧など |
英語訳 | threat |
「脅威」の意味をスッキリ理解!
「脅威」の意味を詳しく
「脅威」は、危害を加えられたり、大きな損害を受けるのではないかと恐れることを意味します。強い力や勢いで脅かされること、脅かされて感じる恐ろしさを表す熟語です。
「脅威」と「驚異」の違い
「脅威」は、ネガティブな意味を持ち、「驚異」は、ポジティブな意味を持ちます。
- 脅威:不利益や恐怖を感じること
- 驚異:素晴らしい、喜ばしいこと
わかりやすいのが「脅威の新人」と「驚異の新人」の例です。
驚異の新人:「すごい新人が現れた」とポジティブな意味
脅威の3つの側面
脅威には「心理学」「生態学」「国際関係」の三つの側面があります。
心理学的な脅威とは
心理学的な脅威は、個人の心理的な安定をおびやかすような人や物、状態が存在することを意味します。
「部活の顧問から期待されなくなってしまうのではないか」という生徒の不安や怯えなどは、心理的な脅威の一例です。
生態学的な脅威とは
生態学的な脅威は、もともと存在している自然や生物などが、新たな存在によって脅かされていることを表します。
「外来生物の進化が、もともと日本にいた生物を脅かす」といった状態が生態学的な脅威です。
国際的な脅威とは
国際的な脅威とは、国の状態が核兵器や生物、化学兵器などによって脅かされる状況を指します。例として、「国際紛争や国際政治においての対立」があげられます。
「脅威」の対象となるものは、人それぞれ異なります。覚えておきましょう。
「脅威」の使い方
- 以前住んでいた家は、津波の脅威にさらされた。
- 熊は、登山家にとって脅威の存在だ。
上記の例文は、どちらも「何かに脅かされる」という意味で、「脅威」を使用しています。
①の例文は、津波という自然現象によって「危害を加えられたり、大きな損害を受けるのではないかと恐れたこと」を「脅威」という言葉で表しています。
②の例文は、熊という存在が、登山家を脅かすものであることを「脅威」で表しています。
しかし、「脅かされる恐怖」をダイレクトに伝えるには、とても適した表現方法です。場面によって適切に使っていきましょう。
「脅威」の類義語
脅威には以下のような類義語があります。
- 恫喝(どうかつ):相手を脅して自分の思い通りに物事を運ぼうとすること
- 怖気(おじけ):怖いと思う気持ち・恐怖心
- 威嚇(いかく):相手を脅かす・脅しつけること
「怖気(おじけ)」は、「非常に恐ろしく、気味が悪くなる」という状態を意味しています。震えてしまうくらい怖い状況を表します。
「威嚇(いかく)」は、「脅かす」という意味を持っています。しかし、実際の攻撃ではなく「それに似た姿勢や様子を見せることで対象のものを脅かすこと」を指します。
他の類義語と意味合いが少し違うので、覚えておきましょう。
「脅威」の対義語
脅威には以下のような対義語があります。
- 威圧:実力や権力などで相手を恐れさせて抑えつけること
「威圧」は、「威勢や権力などで相手を恐れさせること」を意味しています。意図的に相手を脅し、恐れされるという点が「脅威」とは異なります。
「脅威」の英語訳
脅威を英語に訳すと、次のような表現になります。
- threat
(脅威)
- threat
例:the threat of the bomb(核兵器の脅威)
“threat”は、「脅し」や「脅迫」を表します。単数形で表すと、“threat to~”という形になり、“to”の後ろにくるものを「恐れる・脅威に思う」という意味になります。覚えておきましょう。
まとめ
以上、この記事では「脅威」について解説しました。
読み方 | 脅威(きょうい) |
---|---|
意味 | おびやかすこと・おびやかされること |
類義語 | 恫喝(どうかつ)、怖気(おじけ)、威嚇(いかく)など |
対義語 | 威圧など |
英語訳 | threat |
「脅威」には、「脅かされること」や「恐れる」などの意味があります。3つの側面を持つように、あらゆるものの関係性を表すことができるのが特徴です。
しかし「脅威」は、ネガティブな意味合いを持っています。「驚異」などのポジティブな意味を持つ単語との使い分けをしっかりとしましょう。