「枯れ木も山の賑わい」の意味とは?類語や英語や対義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「枯(か)れ木も山の賑(にぎ)わい」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「枯れ木も山の賑わい」をざっくり言うと……

読み方枯(か)れ木も山の賑(にぎ)わい
意味つまらないものでも、ないよりはあった方がよいということ
類義語蟻も軍勢、餓鬼も人数、歪み木も山の賑わいなど
対義語無用の長物、月夜に提灯
英語訳A bad bush is better than the open field.(ひどい茂みも何も無い野原よりましだ。)

「枯れ木も山の賑わい」の意味をスッキリ理解!

枯(か)れ木も山の賑(にぎ)わい:つまらないものでも、ないよりはあった方がよいということ

「枯れ木も山の賑わい」の意味を詳しく


「枯れ木も山の賑わい」とは、「つまらないものでも、ないよりはあった方がよいということ」を意味することわざです。

木が一本もない山だと寂しいですが、枯れた木でもあれば、それはそれで山に趣(おもむき)を添(そ)えています。そこから、枯れ木であっても山を賑わせているという意味で、「枯れ木も山の賑わい」と言います。

 

勘違いされやすい!「枯れ木も山の賑わい」の意味

「枯れ木も山の賑わい」は、間違って意味を覚えている人が非常に多いです。

というのも、文化庁が2014年に発表した「国語に関する世論調査」では、「枯れ木も山の賑わい」を「人が集まればにぎやかになる」という意味だと考える人が47.2%いるという結果になりました。

一方で、正しい意味である「つまらないものでも、ないよりはまし」と考える人は、37.6%でした。なんと、間違った意味で覚えている人の方が多いという結果になったのです。

 

「人も集まればにぎやかになる」という意味で覚えてしまうと、「枯れ木も山の賑わいですから、先生も是非パーティーに出席してください」というような間違った使い方をしてしまいます。

この文を使われた相手が正しい意味を知っていたら、自分はつまらないものと思われていると感じ、よい気分はしないでしょう。

間違った意味で覚えていると、相手の失礼になってしまうこともあります。正しい意味を覚えるように心がけましょう。

「枯れ木も山の賑わい」の使い方

  1. 枯れ木も山の賑わいだ。選ばれなかった作品も展示しておこう。
  2. 枯れ木も山の賑わいと言いますので、私も参加させていただきます。
  3. つまらない作品ですが、枯れ木も山の賑わいです。どうかお付き合いください。
②と③では、へりくだった表現として「枯れ木も山の賑わい」が使われています。このように「枯れ木も山の賑わい」は、自分を謙遜する場面で使われることが多くあります。

「枯れ木も山の賑わい」の類義語

「枯れ木も山の賑わい」には以下のような類義語があります。

  • 蟻(あり)も軍勢(ぐんぜい):役に立たない者でも、いないよりはいた方がましということ
  • 飢鬼(がき)も人数(にんじゅ):つまらない者でも、集まれば役に立つということ
  • 歪(ゆが)み木も山の賑わい:おもしろくないものでも、あった方がましということ
  • 枯れ木も山の飾り:つまらないものでも、ないよりはあった方がよいということ
  • 枯れ木も森の賑やかし:つまらないものでも、ないよりはあった方がよいということ

「枯れ木も山の賑わい」の対義語

「枯れ木も山の賑わい」には以下のような対義語があります。

  • 無用(むよう)の長物(ちょうぶつ):あっても役に立たず、かえって邪魔になるもののたとえ
  • 月夜(つきよ)に提灯(ちょうちん):不必要なもの、無駄なもののたとえ

「枯れ木も山の賑わい」の英語訳

「枯れ木も山の賑わい」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • A bad bush is better than the open field.
    (ひどい茂みも何も無い野原よりましだ。)
  • Anything is better than nothing.
    (何もないよりはあった方がましだ。)
  • It’s better than nothing.
    (何もないよりはましだ。)

まとめ

以上、この記事では「枯れ木も山の賑わい」について解説しました。

読み方枯(か)れ木も山の賑(にぎ)わい
意味つまらないものでも、ないよりはあった方がよいということ
類義語蟻も軍勢、餓鬼も人数、歪み木も山の賑わいなど
対義語無用の長物、月夜に提灯
英語訳A bad bush is better than the open field.(ひどい茂みも何も無い野原よりましだ。)

「枯れ木も山の賑わい」は、文化庁の調査で明らかになった通り、間違った意味で覚えている人が非常に多いことわざです。

正しい意味を覚えずに使ってしまうと、相手に誤解を招きやすい言葉です。この機会に、改めて意味をしっかり覚え、適切な場面で使えるようにしましょう。