今回ご紹介する言葉は、ことわざの「転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「転ばぬ先の杖」をざっくり言うと……
読み方 | 転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ) |
---|---|
意味 | 万が一に備えて、事前準備を怠らないこと |
類義語 | 用意周到、備えあれば憂いなし、石橋を叩いて渡るなど |
対義語 | 盗人を見て縄を綯う、渇して井を穿つ |
英語訳 | Forewarned is forearmed.(警戒は警備)、Prevention is better than cure.(予防は治療にまさる)、Look before you leap(飛ぶ前に前を見なさい) |
このページの目次
「転ばぬ先の杖」の意味をスッキリ理解!
「転ばぬ先の杖」の意味を詳しく
「転ばぬ先の杖」とは、「失敗しないように、前もって十分な準備をしておくこと」です。
「先」とは、時間的にある基準より前という意味です。「転ぶリスクを想定して、前もって手に杖を持つべきだ」ということで、用心していれば失敗することがないということの例えです。
文法的には「転ぶ先の杖」と言っても意味は変わりませんが、ことわざでは「転ばぬ先の杖」と言う方が一般的です。「転ばぬ先の杖柱」「倒れぬ先の杖」とも言います。
「転ばぬ先の杖」の使い方
- 災害に備えて、防災グッズを事前に準備しておくことは転ばぬ先の杖だ。
- 現在は営業部に所属しているが、転ばぬ先の杖として会計の勉強もしておく。
- 降水確率は30%だが、転ばぬ先の杖で折りたたみ傘を持っていこう。
「転ばぬ先の杖」は「杖」という名詞で終わっているため、「転ばぬ先の杖だ」「転ばぬ先の杖として」という風に名詞と同じ使い方をします。
「転ばぬ先の杖」の類義語
「転ばぬ先の杖」には以下のような類義語があります。
- 用意周到(よういしゅうとう):準備がぬかりないこと
- 備えあれば憂(うれ)いなし:前もって準備しておけば、いざというとき安心だということ
- 石橋を叩いて渡る:用心を重ねて物事を慎重に行うこと
- 濡れぬ先の傘:失敗しないように前もって準備すること
- 良いうちから養生:日ごろから用心すれば、失敗しないですむということ
- 用心には網を張れ:用心を十二分にすること
「用意周到」の「用意」は仕度(したく)や準備のことで、「周到」は「手落ちがなく、すべてに行き届いていること」です。
「備えあれば憂いなし」の「憂い」は、「不安に思うこと」です。中国宋(そう)代の古典『書経(しょきょう)』に記載されている、「日頃から準備万端であれば心配することはない」という一文が由来となっています。
「濡れぬ先の傘」は、「降らぬ先の傘」とも言います。「雨が降る前に傘を準備すること」で、失敗しないように仕度することを意味しています。
「用心には網を張れ」は、用心の下にさらに網を張るという、二重の用心を指した言葉です。
「転ばぬ先の杖」の対義語
「転ばぬ先の杖」には以下のような対義語があります。
- 盗人を見て縄を綯(な)う:事が起こってから慌てて準備を始めること
- 渇(かっ)して井を穿(うが)つ:必要を迫られてから、慌てて準備をしても間に合わないこと
「渇して井を穿つ」は、「喉が渇いてから井戸を掘ること」で、「日頃の準備を怠ると手遅れになる」ということを表します。
「転ばぬ先の杖」の英語訳
「転ばぬ先の杖」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Forewarned is forearmed.
(警戒は警備) - Prevention is better than cure.
(予防は治療にまさる) - Look before you leap
(飛ぶ前に前を見なさい)
まとめ
以上、この記事では「転ばぬ先の杖」について解説しました。
読み方 | 転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ) |
---|---|
意味 | 万が一に備えて、事前準備を怠らないこと |
類義語 | 用意周到、備えあれば憂いなし、石橋を叩いて渡るなど |
対義語 | 盗人を見て縄を綯う、渇して井を穿つ |
英語訳 | Forewarned is forearmed.(警戒は警備)、Prevention is better than cure.(予防は治療にまさる)、Look before you leap(飛ぶ前に前を見なさい) |
「転ばぬ先の杖」は、日常的に用いられる言葉です。正しい意味を改めて確認しましょう。