今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「困苦欠乏(こんくけつぼう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「困苦欠乏」をざっくり言うと……
読み方 | 困苦欠乏(こんくけつぼう) |
---|---|
意味 | 必要なものが不足していて、困り苦しんでいること。 |
類義語 | 困苦窮乏(こんくきゅうぼう)、窮極無聊(きゅうきょくぶりょう)、草根木皮(そうこんぼくひ)羅雀掘鼠(らじゃくくっそ)、不名一銭(ふめいいっせん)など |
対義語 | 福徳円満(ふくとくえんまん)、円満具足(えんまんぐそく)など |
英語訳 | hardships and privations(困苦と欠乏),austere life(質素な生活) |
「困苦欠乏」の意味をスッキリ理解!
「困苦欠乏」の意味を詳しく
「困苦欠乏」は「困苦」と「欠乏」という2つの言葉から構成されています。
「困苦」は「困(る)」と「苦(しむ)」という2つの漢字から成り立っています。このことから、「困り苦しむこと」を意味する言葉です。「困苦に堪える」「困苦を嘗(な)める」といった使われ方をする言葉です。
「欠乏」は「欠(ける)」と「乏(しい)」という2つの漢字から成り立っています。このことから、「必要なものが不足していて、乏しいこと」を意味します。
つまり「困苦欠乏」は、必要なものが不足していて、困り苦しんでいる様子を表す四字熟語です。
「困苦欠乏」の使い方
- 今月は交通事故で負った怪我のせいで、全く働くことができず、困苦欠乏の生活を送っている。
- ほとんどの国民に困苦欠乏の生活を強いた戦争がようやく終わろうとしている。
- 下積み時代は、困苦欠乏していて、その日の食べるものにも困っていたが、あの頃があったから今があると胸を張って言える。
- 南米のある国では、紙幣を無秩序に大量に発行してしまった影響から、急速にインフレが進み、国民が困苦欠乏している。
- 困苦欠乏の生活を送っている人を1人でも多く救いたいというのが僕の夢である。
「困苦欠乏」の類義語
困苦欠乏には以下のような類義語があります。
- 困苦窮乏(こんくきゅうぼう):生活に必要なものが足りないくらいに生活が苦しいこと。
- 窮極無聊(きゅうきょくぶりょう):貧しく、心苦しいために、希望を持つことができないこと。
- 草根木皮(そうこんぼくひ):食べられるものが少なく、草の根や木の皮のようなものしか食べられないこと。
- 羅雀掘鼠(らじゃくくっそ):食べ物がなく、とても厳しい状況のこと。
- 不名一銭(ふめいいっせん):とても貧しく、一銭のお金もないこと。
「困苦欠乏」の対義語
困苦欠乏には以下のような対義語があります。
- 福徳円満(ふくとくえんまん):あらゆるものに恵まれていて、不満が何一つないこと。
- 円満具足(えんまんぐそく):何も不足することなく満ち足りていること。
満たされていて、満足している様子を表す四字熟語が対義語になります。
「困苦欠乏」の英語訳
困苦欠乏を英語に訳すと、次のような表現になります。
- hardships and privations
(困苦と欠乏) - austere life
(質素な生活)
まとめ
以上、この記事では「困苦欠乏」について解説しました。
読み方 | 困苦欠乏(こんくけつぼう) |
---|---|
意味 | 必要なものが不足していて、困り苦しんでいること。 |
類義語 | 困苦窮乏(こんくきゅうぼう)、窮極無聊(きゅうきょくぶりょう)、草根木皮(そうこんぼくひ)羅雀掘鼠(らじゃくくっそ)、不名一銭(ふめいいっせん)など |
対義語 | 福徳円満(ふくとくえんまん)、円満具足(えんまんぐそく)など |
英語訳 | hardships and privations(困苦と欠乏),austere life(質素な生活) |
歴史的には戦乱の中で飢えに苦しみ、日本国民は長く「困苦欠乏」の生活を送ってきました。しかし、戦後は経済成長とともに、食糧供給も安定し「飽食」の時代に突入しました。
「欠乏」の時代が終わったのにもかかわらず、いまだに「困苦」している人が多く見受けられます。その理由としては、他の人と比べてしまう相対的な価値観を持っていることが挙げられるでしょう。
絶対的に見れば、食べるものにも困っておらず身体的には満足な生活を送っている人でも、相対的に他人と比較してしまうことで、精神的な満足を得ることができなくなってしまいます。
「足るを知る」ことも、ものが溢れている資本主義の世の中においては大事な考えであると言えるでしょう。