今回ご紹介する言葉は、故事成語の「国士無双」です。
この言葉は有名ですよね。
そして、響きがとてもかっこいいので、ゲームなどで出てくることもあると思います。
しかし、意味を正確に知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
そこで、「国士無双」の意味、由来、例文、類義語、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「国士無双」をざっくり言うと……
読み方 | 国士無双(こくしむそう) |
---|---|
意味 | 天下に並ぶ者がいないほど大変に優れた人のこと |
由来 | 蕭何が韓信を「国士無双だ」と評価したことから |
類義語 | 天下無双、天下一品、当代第一、など |
英語訳 | thirteen grades of imperial |
「国士無双」の意味をスッキリ理解!
「国士無双」の意味を詳しく
「国士無双」とは、天下に並ぶ者がいないほど大変に優れた人のことです。
ちなみに、「国士」とは、その国の中でもっとも優れている人物のことを表しています。
また、「無双」とは、並ぶ者がない、という意味になります。
「国士無双」の由来
「国士無双」の出典は『史記』の淮陰侯伝(わいいんこうでん)です。
そして、「国士無双」はもともとは前漢の高祖劉邦(こうそりゅうほう)に仕えた大将軍の韓信(かんしん)をたたえた表現です。
詳しく見ていきましょう。
紀元前200年ごろ、項羽(こうう)と劉邦(りゅうほう)は力を合わせて秦(しん)を倒しました。
このあと権威を握った項羽は、劉邦を漢中(かんちゅう)・巴蜀(はしょく)という辺ぴな場所の王に任命しました。
そして、この場所は故郷からあまりにも遠かったため、将軍や兵士の多くが逃げ出してしまいました。
それは、韓信も例外ではありませんでした。
そんな中、丞相(じょうしょう)であった蕭何(しょうか)も逃げ出してしまった、という話を聞いた劉邦は怒るとともに悲しみます。
しかし、蕭何は数日後に戻ってきました。
これに劉邦は安どするとともに怒り、「逃げたのではなかったのか」と問いかけると、蕭何は「逃げていたのではなく、逃げ出した韓信を追いかけていたのだ」と答えます。
そして、劉邦は「なぜほかの逃げ出した将軍は追いかけないのに、韓信だけは追いかけたのだ」と問います。
すると、蕭何は「韓信は国士無双であり、ほかの将軍とは違います。劉邦がここにずっと留まるつもりなら韓信は必要ないが、ここを出て天下を争おうとするならば韓信は不可欠なのです」と答えたのです。
その後、韓信は大活躍をし、劉邦が天下を取るのに大きな貢献をすることになります。
「国士無双」の例文
- 彼は国士無双のプロボクサーだ。
- その武将は国士無双だ。
- 国士無双の男になるには大変な努力が必要になるだろう。
「国士無双」の類義語
「国士無双」には以下のような類義語があります。
「国士無双」の英語訳
「国士無双」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- thirteen grades of imperial
(国士無双)
まとめ
以上、この記事では「国士無双」について解説しました。
読み方 | 国士無双(こくしむそう) |
---|---|
意味 | 天下に並ぶ者がいないほど大変に優れた人のこと |
由来 | 蕭何が韓信を「国士無双だ」と評価したことから |
類義語 | 天下無双、天下一品、当代第一、など |
英語訳 | thirteen grades of imperial |
「国士無双」は最高のほめ言葉だったんですね。