今回ご紹介する言葉は、熟語の「孤独(こどく)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「孤独」をざっくり言うと……
読み方 | 孤独(こどく) |
---|---|
意味 | ひとりぼっちであること・心を通わす相手がいないこと |
語源 | 「孟子(もうし)」から |
類義語 | 疎外感、隔離、孤立など |
対義語 | 連帯など |
英語訳 | solitary、lonely |
「孤独」の意味をスッキリ理解!
「孤独」の意味を詳しく
「孤独」は、仲間や身寄りがなく、ひとりぼっちであることを意味します。心を通い合わせる相手が一人いなくて、寂しい状態を表現する際に使用します。また、あまり知られていませんが年老いて子供のない人という意味も持ちます。
「孤立」と「孤独」の違い
「孤立」と「孤独」は、似た意味を持っています。
しかし、「孤立」は「状況や場面」を表し、「孤独」は「感情などの精神面」を表すという違いがあります。
- 孤立:助けを得れず、独りきりに離された状態に置かれること
- 孤独:仲間や身寄りがなくひとりぼっちのこと
- 昨夜の台風で、川が氾濫(はんらん)し、民家が孤立してしまった。
「孤独」は、「志や考え方などが同じ理解者、精神的な繋がりがある人が近くにいない」という状況を指します。精神的な違いによって、独りになってしまうことを意味しています。
- 周りの生徒と価値観が合わず孤独になる。
「孤独感に苛まれた」の意味
「孤独」に、「苛む(さいなむ)」を受け身にした形で続けると、「苦しめられる・咎められる」という意味になります。
- 会社に出勤したくないという孤独感に苛まれる
「孤独」の使い方
- 私はとても孤独だから話し相手が欲しい。
- 意見が合わず、グループ内で孤独感を覚えた。
①の例文は、考え方や価値観が合う人がいなくて「精神的に独(ひと)り」な状態を指しています。他者とのかかわりの中で「ひとりぼっち」という感情が生まれたことを「孤独」で表しています。
②の例文は、「孤独感」という言葉で「心が通じ合わないこと」を表現しています。「孤独感」は、「孤独」と同じ意味の熟語です。しかし、心理状態や精神状態のニュアンスが少し強くなっています。「自分がひとりである」と自分自身が思うことにより生まれてくる感情を指しています。
「孤独」の語源
孤独は、「鰥寡孤独(かんかこどく)」という四字熟語に由来しています。「身寄りもなく寂しい様子」を表しています。中国戦国時代の儒学者(じゅがくしゃ) である孟子(もうし)の言行をまとめた書、「孟子」に登場する言葉です。
4人の登場人物が由来となっています。
- 鰥(かん):妻を亡くした夫
- 寡(か):夫のいない老いた妻
- 孤(こ):父親のいない16歳以下の子供
- 独(どく):子供がいない61歳以上の者
「孤独」の類義語
孤独には以下のような類義語があります。
- 疎外感(そがいかん):排除されているという感覚を持つこと・社会的に周囲から避けられている状況
- 隔離(かくり):一定の距離を置くこと・他人から強いられた1人ぼっちな状況
- 孤立(こりつ):外的要因(がいてきよういん)がなくただ単に1人になっている状況
「疎外感」は、「自分だけ仲間外れにされているような感覚」「排除されているという感覚」を意味しています。職場や学校などの新しい環境になじめない様子を表します。
「隔離」は、「他のものから引き離して別にすること」を意味します。何らかの集団・グループになじめない様を表す際によく用いられます。しかし、個人的な感情ではなく、意図的に「一人にされる」というニュアンスを含んでいます。
「孤独」の対義語
孤独には以下のような対義語があります。
- 連帯:二人以上がいっしょになって事に当たり、責任を共にすること
「連帯」には、「連帯しているような感覚」「一体感」「仲間意識」などの意味があります。一人ではなく、常に何人かで行動をする場合は「連帯」と表現します。
また、「二人以上の者が共同である行為」「結果に対して責任を負うこと」も指します。
「孤独」の英語訳
孤独を英語に訳すと、次のような表現になります。
- solitary
(孤独な)
- solitary
例:a solitary person(孤独な人)
- lonely
(孤独な)
- lonely
例:a lonely man(孤独な人)
まとめ
以上、この記事では「孤独」について解説しました。
読み方 | 孤独(こどく) |
---|---|
意味 | ひとりぼっちであること・心を通わす相手がいないこと |
語源 | 「孟子(もうし)」から |
類義語 | 疎外感、隔離、孤立など |
対義語 | 連帯など |
英語訳 | solitary、lonely |
「孤独」は、自分が「ひとりぼっち」という感覚を持った際に使用します。自分の意志ではなく、外からの何らかの要因でひとりになってしまう時は、「隔離」や「疎外」という言葉が適切です。
日常や社会の中でも頻繁に使用する単語なので、しっかりと理解しておきましょう。