「詰問」の意味とは?読み方は?使い方から類語や英語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「詰問(きつもん)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「詰問」をざっくり言うと……

読み方詰問(きつもん)
意味相手を責めて問いただすこと
類義語難詰、尋問、詰責など
英語訳cross examination(厳しい追求)

「詰問」の意味をスッキリ理解!

詰問(きつもん):相手を責めて問いただすこと

「詰問」の意味を詳しく

「詰問」とは、「相手の悪い部分を責めながら問い詰めること」を表します。質問する人物が、相手に対して攻撃的な言葉や態度で問い詰める様子指す言葉です。

「詰問」の「詰」は、「詰める、押し込む」という意味の他に、「責める」という意味があります。「問」には、「問いただす」という意味があります。

そのため、「詰問」は「相手を責めて問いただすこと」という意味になります。

 

相手を厳しい言葉で責めるという意味が含まれることから、「詰問」には攻撃的なニュアンスがあります。イメージとしては、相手が答えたくないような質問を無理矢理答えさせるような問い方が「詰問」に当たります。

「詰問」は、非常に攻撃的で、ネガティブな意味を持つ言葉だということを念頭に置くことが大切です。

「詰問」の使い方

  1. 連絡も無く大幅に遅れてきた部下に、遅刻の理由を詰問した。
  2. 正当な理由があるにも関わらず、聞く耳を持たず、先生は私に詰問した。
  3. 警察は、窃盗犯に犯行の動機を厳しく詰問していた。
  4. 私はどんなに小さなことでも上司に詰問されるので、いつもうんざりしている。

すでにご紹介したように、「詰問」は威圧的な言葉であるため、使う場面には十分注意が必要です。

また、相手を批判する意味が含まれるため、上司から部下など、目上の人物から目下の人物に向かって使うことが一般的です。自分が相手より目下である場合、目上の人物に「詰問する」を使うことは失礼にあたります

このように、目上の人物から「詰問」を受ける場合が多いため、よく取り入れられる使い方としては、④のような受け身の形があります。

 

自分が「詰問」される場合の他に、誰かが目上の人から厳しく「詰問」されている姿を見たときに、③のような第三者の目線での使い方もされます。

「詰問されている」というのは、聞き手にあまりよいイメージを与えません。解釈によっては、「詰問」されている人物が嫌な思いをさせられているという状況を伝えることになります。

 

また、①や②のように、自らが目上の立場に立って「詰問」を使う場合もあります。

この場合は、目下の人物に対して、強制的に自白を求めているという自覚があるときに用いることができます。

そのため、「軽い質問をする」というニュアンスで、「ちょっと詰問してくる」と使うことはできません。「詰問」を使う場面には注意しましょう。

 

ちなみに、文中で「詰問」の前に、「厳しく」や「激しく」という力強い表現を加えると、より高圧的な「詰問」のイメージをつけることができます。

「詰問」の類義語

詰問には以下のような類義語があります。

  • 難詰(なんきつ):欠点を挙げ、厳しく問い詰めること
  • 尋問(じんもん):口頭で問いただすこと
  • 詰責(きっせき):人の非や欠点を厳しく問い詰めること
  • 問責(もんせき):問いただすこと
  • 批難(ひなん):欠点や過(あやま)ちを責め、咎めること
  • 糾弾(きゅうだん):犯した罪や責任を問い詰めること

上記のように、「問う」という意味を持つ言葉は多く存在します。その中でも曖昧な、「質問」・「尋問」・「詰問」の意味合いの違いや使い分けを解説します。

「質問」・「尋問」・「詰問」の違い

3つの意味の違いを解説するために、ここでは遅刻理由の問い方を例にあげます。

  • 質問:「どうして遅刻したのですか。」
  • 尋問:「どうして遅刻してしまったのか、理由を簡潔に述べなさい。」
  • 詰問:「どうして遅刻したんだ、理由はお前に非があったのではないか。」

「質問」は、わからないことを知ろうとして尋ねる表現です。「質問」の問い方に、相手を責め立てるような言葉や、欠点を咎める意味合いは含まれません。

 

「尋問」は、「質問」よりも厳しく理由を追求して尋ねる表現です。訴訟においても用いられる堅い表現です。

「尋問」は法律用語としても定められています。その場合、裁判において、被告人が問われた内容について的確に返答するという意味で用いられます。

この意味から、「尋問」は、相手に理由を明言させることを目的とした問い方になります。

 

「詰問」は、上記3つの中において最も厳しく問いただす表現です。理由を相手の欠点にあると決めつけた問い方をし、心理的に相手を追い込むような質問態度が当てはまります。

このように、同じ「問う」という意味合いを持つ言葉でも、それぞれニュアンスが異なります。

尋ね方やその時の場面において、上記3つの言葉や、「詰問」の類義語などをそれぞれ使い分けることが必要です。そのため、より多くの表現方法を知っておきましょう。

「詰問」の英語訳

詰問を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • arraignment
    (批難)
  • close questioning
    (問いただす)
  • cross examination
    (厳しい追求)
  • a searching inquiry
    (問い詰める)

cross examination には、上記の意味の他に、「反対尋問」という意味もあります。反対尋問とは、裁判中に用いられる制度です。裁判において相手方が用意した証人に、自分側からする尋問のことです。

また、「質問する」という意味を持つ単語に、 closely や heavily などの「厳しい」という意味の単語を組み合わせると、「詰問」に近い意味合いの表現を作ることができます。

まとめ

以上、この記事では「詰問」について解説しました。

読み方詰問(きつもん)
意味相手を責めて問いただすこと
類義語難詰、尋問、詰責など
英語訳cross examination(厳しい追求)

さまざまな「問う」という表現を持つ言葉の中でも、「詰問」はかなり厳しい印象を与えます。また、同時にネガティブな意味合いが強い言葉でもあります。

そのため、使うシーンを間違えると、自分が意図した意味と、大きく意味合いが異なる場合があります。したがって、「詰問」の正しい意味や使い方をよく知っておくことが大切です。

人に対して激しく「詰問」することは、相手を精神的に傷つけかねない行為です。一方的に、相手を責め立てる質問の仕方はよくありません。

相手の言い分をきちんと受け入れた上で、その人物の非を主張する対応が望ましいです。