「奇特」の意味とは?使い方から英語や類義語や対義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「奇特(きとく)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「奇特」をざっくり言うと……

読み方奇特(きとく)
意味行いや心掛けが優れていて、褒めるに値する様子。非常に珍しく、不思議なこと。
類義語殊勝、神妙
対義語普通、平凡、凡俗など
英語訳praiseworthy(称賛に値する、感心な)

「奇特」の意味をスッキリ理解!

奇特(きとく):行いや心掛けが優れていて、称賛に値する様子。非常に珍しく、不思議なこと。

「奇特」の意味を詳しく


「奇特」には 2つの意味があります。1つ目は、「行いや心掛けが優れていて、称賛に値する様子のこと」です。2つ目は、「非常に珍しく、不思議なこと」という意味です。

その中でも、「奇特」は、「行いや心掛けが優れていて、称賛に値する様子のこと」という意味で用いられることが一般的です。現在では、後者の意味で用いられることはほとんどありません。

 

「奇」は、「普通とは異なる様子」「優れていること」という意味を持つ漢字です。「特」は、「他とは異なり、それだけ特別であること」「それだけ著しく目立っていること」という意味を表します。

これらの漢字が組み合わさり、「奇特」は、「行いや心掛けが優れていて、称賛に値する様子」「非常に珍しく、不思議なこと」という意味を表しています。

ちなみに、「奇特」は「きどく」とも読むことができますが、「きとく」と読まれることが一般的です。

「奇特」のよくある誤用

既にご紹介したように、「奇特」は「行いや心掛けが優れていて、称賛に値する様子」を指す言葉です。しかし、最近では、「奇妙で珍しいこと」「変な様子」という意味で用いられる誤用が増えています。

「奇特」は、「特別な人や事柄」を指す言葉です。しかし、それは「特別に優れている」「特別にすごいこと」を表しているのです。「特別に変わっていて、奇妙なこと」という意味ではありません。

「奇特は褒め言葉である」という解釈を念頭に置くと、この誤用を防ぐことができるでしょう。

「奇特」の使い方

  1. 彼女は誰にでも親切で、まさに奇特な人物である。
  2. ある芸能人が、被災地に何千万円もの寄付金を送ったそうだ。その奇特な行いに、世間からは称賛の声が上がった。
  3. ゲームの序盤に相手チームから 10点以上も差をつけられていたにも関わらず、私たちは大逆転勝利を収めた。これは、奇特が現れたとしか言いようがない。

①と②は、「行いや心掛けが優れていて、称賛に値する様子」という意味で「奇特」が用いられている例です。

③における「奇特」は、「非常に珍しく、不思議なこと」という意味です。

「奇特」の類義語

奇特には以下のような類義語があります。

  • 殊勝(しゅしょう):行いや心掛けが優れていて、称賛に値する様子
  • 神妙(しんみょう):行いや心掛けが優れていて、称賛に値する様子

上記の意味の他にも、「殊勝」には「とても優れていること」「神々しいこと」という意味があります。また、「神妙」は「人知を超えた摩訶不思議なこと」「態度がおとなしく素直なこと」という意味も持っています。

「奇特」の対義語

奇特には以下のような対義語があります。

  • 普通(ふつう):ごくありふれたもの
  • 平凡(へいぼん):何か優れた特色もなく、ごく当たり前なこと
  • 凡俗(ぼんぞく):ありふれていて取り柄のないこと
  • 凡庸(ぼんよう):平凡で、取り柄のないこと

ご紹介した対義語は、すべて「飛び抜けたものがない様子」「人並みである」を表す言葉です。

「奇特」の英語訳

奇特を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • praiseworthy
    (称賛に値する、感心な)
  • commendable
    (褒めるに足る、立派な、感心な)
  • rare
    (稀な、珍しい、めったにない)

praiseworthy は「称賛に値する」「感心な」という意味の形容詞です。

たとえば、a praiseworthy act で「称賛に値する立派な行い」という意味になります。act を person に入れ替えると「称賛に値する立派な人」、matter にすると「称賛に値する事柄」という意味になります。

また、“That is praiseworthy of you.” は、「これはご奇特なことで。」と訳され、相手に対する称賛の言葉として言うことができます。

3つ目の rare は、「奇特」が持つ「非常に珍しく、不思議なこと」という意味での英語訳です。

まとめ

以上、この記事では「奇特」について解説しました。

読み方奇特(きとく)
意味行いや心掛けが優れていて、褒めるに値する様子。非常に珍しく、不思議なこと。
類義語殊勝、神妙
対義語普通、平凡、凡俗など
英語訳praiseworthy(称賛に値する、感心な)

文化庁が行った世論調査によると、「奇特」を正しい意味で理解している人は 50%以下しかいません。

「奇特」の意味をきちんと理解し、正しく使えるようにしましょう。

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香菜
「読者を不快にさせない記事」をモットーに執筆・編集しています。有名美容ライターの元でアシスタントを経験し、その後出版社に就職。現在は著名人への取材やエンタメ記事の執筆も行っています。