「喫緊(きっきん)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「喫緊(きっきん)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「喫緊」の意味をスッキリ理解!

喫緊(きっきん):差し迫っていて重要なこと

「喫緊」の意味を詳しく

「喫緊」とは、「対応するための時間が残り少なくなっている重要なこと」という意味です。

「急ぎである」と「重要である」という2つの条件がそろって、「喫緊」であると言うことができます。

ただ、「喫緊」には重々しい響きがあり、政治家や国の重要な問題に携わっている人が会見で使うことが多い言葉です。

ビジネスの場や日常生活で使うと、やや大げさだと受け取られるかもしれません。

ちなみに、「喫緊(きっきん)」の「喫」は「きつ」と読む漢字です。

しかし、「きつきん」では発音しにくいため、「きっきん」と「つ」を促音にして読みます。

「喫緊」の使い方

「喫緊」の使い方の例として、以下のような文が挙げられます。

  1. 人手不足の介護業界の喫緊の課題は、どう職員の待遇を改善していくかであろう。
  2. 少子高齢化は、現代の日本が直面する喫緊の問題である。
  3. 今は目先の利益よりも、社員が退職しないように引き留めるのが喫緊事(きっきんじ)だ。

上記の例文のように、「喫緊」は「喫緊の○○」というように形容詞の形で使われるのが一般的です。

○○には、「課題」や「目標」などといった「差し迫って対応が必要な事柄」が入ります。

このように、「喫緊」は、ある人や組織において最優先に対処すべき問題などを表すのに用いましょう。

③の例文にある「喫緊事」とは、「急を要する大事なこと」という意味です。対処すべきことが「課題」などの言葉で表せない場合に使うことができます。

「喫緊」の間違った使い方

「喫緊」の使い方のうち、以下の2つは間違いです。

  • 「喫緊性」は間違い
  • 「喫緊の状態」は間違い

それぞれの間違った使い方について詳しく見ていきましょう。

「喫緊性」は間違い

「喫緊性」は誤った使い方なので注意が必要です。

おそらく「緊急性」と混同した使い方だと考えられます。

「物事が差し迫っている程度」のことを表したい時には「緊急性」を用いましょう。

「喫緊の状態」は間違い

「喫緊の状態」は誤った使い方なので注意が必要です。

「喫緊」は「差し迫った状態」という意味を表しているため、「喫緊の状態」としてしまうと「状態」が2回出てくる二重表現になってしまうからです。

「喫緊」の語源

「喫緊」という熟語は、もともと「吃緊」と書きました。

「吃」は、訓読みで「どもる」と読み、「上手く話すことができない」という意味です。

この漢字は「差別用語」だとされ、常用漢字から外されることになりました。

そのことにより、発音が同じである「喫」が用いられるようになったのです。

 

「喫緊」のもとになった「吃緊」は昔の中国語が由来の言葉だと言われていますが、詳しい語源はわかっていません。

一説によると、「吃」は後に来る漢字の意味を強める働きがあると言われています。

「吃緊」は「緊」が持つ「差し迫っている」という意味を強調した言葉だったのです。

「喫緊」の類義語

喫緊には以下のような類義語があります。

  • 緊急(きんきゅう):重大で即座に対応しなければならないこと
  • 切迫(せっぱく):期日などが間近に迫っていること
  • 緊迫(きんぱく):状況などが非常に差し迫っていること
  • 直近(ちょっきん):現時点からもっとも近いこと
  • 近々(ちかぢか):あることが近いうちに実現すること
  • 早急(さっきゅう):非常に急なこと
  • 火急(かきゅう):1分1秒を争うほど急を要すること
  • 至急(しきゅう):非常に急いでいること
  • 緊要(きんよう):極めて大切で必要なこと
  • 緊切(きんせつ):差し迫った大切なこと

これらの熟語は、「あることが差し迫っている」という意味を表しているという点で「喫緊」と共通しています。

ですが、それぞれの語のニュアンスは異なっています。

「喫緊」と上で紹介した類義語とのニュアンスの違いをまとめると、以下のようになります。

ニュアンスの違いについて詳しく見ていきましょう。

「喫緊」と「緊急」の違い

「緊急」は「緊急事態」という言葉から分かるように、「既に発生していて今すぐに対応を完了しなければいけない事態」を表します。

「喫緊」と「緊急」には以下のような違いがあります。

  • 喫緊:すぐに対処しなければならない重大なこと
  • 緊急:1分1秒を争う差し迫った事態のこと

「緊急」は「喫緊」よりも時間的に差し迫っている様子を表す言葉なのです。

また、「緊急」はすぐ目の前にある小規模な差し迫った事態を表すことが多いですが、「喫緊」は大局的に見て重要な差し迫った問題を指すことが多いです。

「喫緊」には「緊急」よりも「長期的な対処が必要」というニュアンスが強い表現でもあります。

「喫緊」と「切迫」の違い

「切迫」は「急を要すること」という意味の言葉です。

「喫緊」と「切迫」には以下のような違いがあります。

  • 喫緊:急を要する重大なこと
  • 切迫:急を要すること

「切迫」には、「喫緊」にある「重要な」という意味合いがないのです。

「喫緊」と「直近」の違い

「直近」は「時間的、もしくは距離的に一番近いこと」という意味です。

「喫緊」と「直近」には以下のような違いがあります。

  • 喫緊:急を要する重大なこと
  • 直近:もっとも近いこと

まず、「直近」には「重要な」という意味がありません。

一方、「喫緊」には「差し迫っている」という意味はあっても、「もっとも近い」という意味はありません。

また、「喫緊」が過去のことを指すことはありませんが、「直近」は「直近1年の売上を見る」などのように、過去のことを指すことがあります。

「喫緊」と「近々」の違い

「近々」は「あることが近いうちに実現すること」という意味です。

「喫緊」と「近々」には以下のような違いがあります。

  • 喫緊:急を要する重大なこと
  • 近々:近い未来に実現すること

「近々」には「重要な」という意味がないのです。

また、「近々」は「距離的に近い」という意味を表すこともあります。

どう使い分ける?「喫緊」と「近々」の違い

2018年7月12日

「喫緊」と「緊迫」の違い

「緊迫」は「今にも何かが起こりそうだという状態」を表す言葉です。

「喫緊」と「緊迫」には以下のような違いがあります。

  • 喫緊:急を要する重大な問題
  • 緊迫:急を要することが起こりそうな状態

「喫緊」が「問題」を表すのに対して、「緊迫」は何かが起こりそうだという「状態」を表すのです。

「喫緊」の対義語

「喫緊」には以下のような対義語があります。

  • 気長(きなが):のんびりしていて焦らないこと
  • 悠長(ゆうちょう):のんびりしていて急ごうとしないこと
  • 気楽(きらく):気分が楽なこと
  • 余裕(よゆう):ゆとりがあること
  • 不急(ふきゅう):急ぐ必要がないこと
  • 後回し(あとまわし):順序を変えて後にすること

「喫緊」の英語訳

喫緊を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • urgent
    (切迫した)
  • pressing
    (緊急の)

「喫緊」という表現と完全に同じ意味の英単語はありません。

 

しかし、“urgent” には、「切迫した」「緊急の」という意味があります。

また、“pressing” は元の形である “press” の「押す」という意味から「差し迫る」という意味を表すことができます。

「喫緊の課題」を英語で表現するには、 “an urgent issue” というように言いましょう。

 

また、“urgent”“pressing” には「重要な」という意味がありません。

“crucial” “vital” といった「重要な」という意味を表す単語と一緒に用いれば、より「喫緊」の元の意味に近づけることができます。

まとめ

以上、この記事では「喫緊」について解説しました。

読み方喫緊(きっきん)
意味差し迫っていて重要なこと
語源吃緊の「吃」が「喫」で代替された
類義語緊急、切迫、緊迫など
類義語気長、悠長、気楽など
英語訳urgent(切迫した)、pressing(緊急の)など

現代の日本社会には、喫緊の問題が山のようにあります。

「喫緊」という言葉のイメージによって焦ることなく、落ち着いて一つ一つの課題に対して対応できるといいですね。

また、喫緊は政治家の発言やニュース番組などでよく用いられます。

いざ使う場面が来た時のために、しっかりと意味と使い方を理解しておきましょう。