どう使い分ける?「喫緊」と「近々」の違い

違いのギモン

テレビのニュースなどを見ていると、普段の会話では使わないような単語が出てくることがありますよね。「喫緊(きっきん)」は、そんな単語のうちの1つです。

漢字から、何かが迫っているような印象を受けますが、日常でよく使う「近々(ちかぢか)」という言葉と何が違うのでしょうか。

この記事では、「喫緊」と「近々」の違いについて解説します。

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結論:「重要な」という意味を含むかどうかが違う

この2つの言葉は、含んでいる意味が違います。

喫緊は「差し迫っており重要な」という意味を含みますが、近々はそういった意味を含みません。

「喫緊」をもっと詳しく


「喫緊」は、「差し迫って大事なこと、またはその様子」という意味を表します。

喫緊の「喫」の字は、「喫煙」などの言葉からわかるように、「身に受ける」という意味を持ち、「緊」の字は「固く引き締まる」「差し迫った」という意味を持っています。漢字の通りですね。

もともと喫緊という字は、「吃緊」と表記していました。しかし、「吃」という字は差別用語として昔の常用漢字内に登録されておらず、苦肉の策で「吃」の字を「喫」の字に置き換えたという背景を持っています。

今日では「喫緊」という字を使うことが一般的となっていますが、正式には「吃」から「喫」への変換は認められておらず、憲法や新聞、公文書で「喫緊」という言葉を使うことはできません。

「喫緊」の使い方

そんな「喫緊」ですが、使い方としては以下のようになります。

  • 喫緊の問題に取り組む。
  • 法令に関する協議が喫緊に必要だ。

「差し迫っており、大切なこと」という意味ですから、速やかに対応しなければならないような物事に対して使われます。

 

似た意味の言葉としては、

  • 火急(かきゅう)
  • 焦眉(しょうび)
  • 緊急

などがあり、「焦眉」や「緊急」は「喫緊」よりも差し迫った状況で使います。「喫緊」は「素早く対応しなければいけないこと」を表すのに対して、「焦眉」や「緊急」は「一分一秒でも早く」「いますぐに対応しなければならないこと」を表します。

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「近々」をもっと詳しく


「近々」は、「もうすぐ」「近いうちに」「近くに」「頻繁(ひんぱん)に」といった意味があります。「近い」という漢字を2度使っていることからもわかるように、単純に距離や頻度が近いことを示す言葉です。

「近々」には、「喫緊」のような「差し迫って重要な」「大切な」という意味はありません。

漢字の似ている「直近(ちょっきん)」という言葉がありますが、「直近」は現在から見て一番近い過去のことを指すのに対し、「近々」は現在に近い未来を指す言葉です。こちらとの違いにも注意しましょう。

「近々」の使い方の例

「近々」は「喫緊」と比べ、より日常的でくだけた会話で用いられることが多いです。

  • 近々、友達と登山に行く予定だ。
  • 近々、専務がいらっしゃる。
  • 車を近々と寄せる。

日常生活だと時間が近い場合に使われることが多いですが、頻度や距離が近い場合でも使うことができます。

例文を見ても、「喫緊」と異なり近づいてきているものの、「喫緊」を使うほど重要ではない物事に対して使われていることが分かりますね。

まとめ

以上、この記事では、「喫緊」と「近々」の違いについて解説しました。

  • 喫緊:差し迫って重要なこと
  • 近々:単に時間や距離が近いこと

イメージでは、「喫緊」も「近々」もそれほど違いが無いように感じます。しかし、使われる漢字やその組み合わせで、その言葉が含む意味が変わってきてしまうのが日本語の特徴であり、面白い部分でもあります。

しっかりと違いを区別して使うようにしましょうね。

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