今回ご紹介する言葉は、ことわざの「木で鼻をくくる(きではなをくくる)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳について分かりやすく解説します。
このページの目次
「木で鼻をくくる」の意味をスッキリ理解!
「木で鼻をくくる」の意味を詳しく

「木で鼻をくくる」には、無愛想に対応することや、冷淡にあしらうという意味があります。一言で表すと、「冷たい態度」という意味です。
ここで使われている「くくる」は、紐や縄で締める意味ではありません。もともと、「くくる」は「擦る(こする)」という意味で「こくる」と言われていました。しかし、誤った言い方である「くくる」が定着し、「木で鼻をくくる」と言うようになったとされています。
「木で鼻をくくる」の使い方
- 彼は客が来ても、木で鼻をくくるような態度であるため、店長からよく注意されている。
- 勇気を出して告白したが、木で鼻をくくったような返事をされてしまった。
褒め言葉ではないので、使う際には注意しましょう。
「木で鼻をくくる」の由来
「木で鼻をくくる」の由来は、2つの説があります。
まず、1つ目は次のような説です。紙が貴重であった時代には、鼻をかむ際に木を使っていたとされています。その時、痛くて顔がゆがみ、不機嫌な表情に見えることから、「無愛想であること」を表すようになったとする説です。
次に、2つ目は、1つ目の説と関連します。江戸時代、商人の家では、雑用係である丁稚(でっち)に貴重品であったちり紙を使わせず、木の棒で鼻を擦(こす)らせていたとされています。このことから、「ひどく無愛想にもてなすこと」という意味をもつようになったとする説です。
どちらの説であっても、紙が貴重であった時代には、鼻をかむ際に木が使われていたことが分かりますね。
「木で鼻をくくる」の類義語
木で鼻をくくるには以下のような類義語があります。
- 杵で鼻をこする(きねではなをこする)
- 木っ端で鼻かむ(こっぱではなかむ)
- 立木へ鼻こする(たちきへはなこする)
- 拍子木で鼻かむ(ひょうしぎではなかむ)
- 擂粉木で鼻をこくる(すりこぎではなをこくる)
- 取り付く島もない(とりつくしまもない):頼ろうとしても、冷たくあしらわれること
- にべもない:愛想がないこと、素っ気ないこと
上記に挙げた類義語の中で、意味が書かれていないものはすべて「無愛想に応対すること。また、冷淡にあしらうこと」という意味です。
これらはすべて、「木で鼻をくくる」を言い間違えて生まれた表現だとされており、木に関連する語が使われているのは共通しています。「木っ端」とは木くず、「立木」とは生えている木のことです。
「木で鼻をくくる」の英語訳
木で鼻をくくるを英語に訳すと、次のような表現になります。
- blunt
(無愛想な、ぶっきらぼうな) - curt
(素っ気ない、ぶっきらぼうな) - unfriendly
(友好的でない)
上記に挙げた形容詞は、「木で鼻をくくる」という表現に近いニュアンスがあります。
まとめ
以上、この記事では「木で鼻をくくる」について解説しました。
読み方 | 木で鼻をくくる(きではなをくくる) |
---|---|
意味 | 無愛想に応対すること。また、冷淡にあしらうこと。 |
由来 | 紙が貴重であった時代、鼻をかむ際に木が使われていたことから |
類義語 | 杵で鼻をこする、取り付く島もない、にべもないなど |
英語訳 | blunt(無愛想な、ぶっきらぼうな),curt(素っ気ない、ぶっきらぼうな),unfriendly(友好的でない) |
「木で鼻をくくる」と聞いただけでは、意味がイメージしづらいかもしれませんが、由来を知ると納得できるでしょう。木で鼻をくくったような態度は、あまりとられたくありませんね。