「堅忍不抜」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「堅忍不抜(けんにんふばつ)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「堅忍不抜」をざっくり言うと……

読み方堅忍不抜(けんにんふばつ)
意味どんなことがあっても、ひたすらじっと我慢して堪え忍ぶこと
由来鼂錯論
類義語堅苦卓絶、堅忍持久、志操堅固など
対義語意志薄弱、薄志弱行
英語訳indefatigable(根気強い、堅忍不抜な)

「堅忍不抜」の意味をスッキリ理解!

堅忍不抜(けんにんふばつ):どんなことがあっても、ひたすらじっと我慢して堪え忍ぶこと

「堅忍不抜」の意味を詳しく


「堅忍不抜」とは、「どんなことがあっても、ひたすらじっと我慢して堪え忍ぶこと」です。言い換えるならば「意志が強く、根気強いこと」を指す言葉です。

「堅忍」とは、我慢強く極めて意志が強いことです。「忍」には、我慢するという意味があります。「不抜」とは、抜くことができないという意味です。転じて、意志が固く、何があっても決して揺るがないということを表しています。

したがって、「堅忍不抜」は、辛いことや苦しいことがあったとしても、動じずにじっと我慢して耐える様子を表しているのです。

「堅忍不抜」の使い方

「堅忍不抜」は、以下のように使われます。

  1. 堅忍不抜の精神で何事もやり抜くことが肝心だ。
  2. 彼はどんなことにも屈しない。まさに堅忍不抜の権化(ごんげ)である。
  3. 彼女たちは、堅忍不抜の愛が存在するのではないかと思いたくなるほどに仲が良い。
②で使われている「権化」とは、ある抽象的な性質が具体的な形で現れたかのように思える人やもののことです。したがって、「堅忍不抜の権化」は、「堅忍不抜とは、まさにこの人のようなことを言うのだ」という意味です。

「堅忍不抜」の由来

「堅忍不抜」は、『鼂錯論(ちょうそろん)』というのに由来しています。

これは、中国の政治家・詩人・書家である蘇軾(そしょく)が著したものです。

鼂錯論には、「古(いにしえ)の大事(だいじ)を立つる者、唯(ただ)超世(ちょうせい)の才有るのみならず、亦(また)必ず堅忍不抜の志有り」という一説があります。

これを現代語訳すると、「昔の大事業を企てた人は、ただ世に抜きんでた才能があったばかりではなく、必ずどんな難事にも耐え忍んで、決して動かぬという固い意志があった」となります。

つまり、「物事を成功させるためには、才能だけでなく耐え忍ぶ強い意志が重要だ」と述べたのです。

 

ここから、「堅忍不抜」ということわざが「どんなことがあっても、ひたすらじっと我慢して堪え忍ぶこと」という意味で使われるようになりました。

「堅忍不抜」の類義語

「堅忍不抜」には以下のような類義語があります。

  • 堅苦卓絶(けんくたくぜつ):苦しみを耐え抜く根性があること、抜きん出て忍耐心があること
  • 堅忍持久(けんにんじきゅう):辛さや苦しさに耐え、我慢強く耐えること
  • 志操堅固(しそうけんご):自分の志や理念、信念などを堅く守っていて何があっても決して変えないこと
  • 鉄心石腸(てっしんせきちょう):意志や心が鉄や石のように堅く、簡単には変わらないこと
  • 鉄腸石心(てっちょうせきしん):意志や心が鉄や石のように堅く、簡単には変わらないこと
  • 確乎不抜(かっこふばつ):強い意志があり、何があっても動揺したり平静さを失ったりしないこと
  • 不抜之志(ふばつのこころざし):何があっても決して諦めないこと

堅苦卓絶の「卓絶」は、他と比べ物にならないほど優れていることです。

志操堅固の「志操」は、自分の考えや主義などを守って変えない意志のことを表しています。

鉄心石腸と鉄腸石心は語順を入れ替えた表現です。「心」と「腸」は内臓の心臓と腸のことで、心や意志のたとえとして用いられています。

確乎不抜の「確乎」は、しっかりと定まっていることを意味しています。「確固不抜」と書くこともあります。

「堅忍不抜」の対義語

「堅忍不抜」には以下のような対義語があります。

  • 意志薄弱:自分の意志をはっきりと持っておらず、物事を決める決断力や最後までやり抜く忍耐力に欠けていること
  • 薄志弱行:何かを成し遂げようとする気持ちが弱く、決断力や実行力が乏しいこと

「堅忍不抜」の英語訳

「堅忍不抜」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • indefatigable
    (根気強い、堅忍不抜な)
  • tireless
    (疲れを知らない、不断の)
  • unwearying
    (飽きない、よどみない)
  • unflagging
    (衰えない、たゆまない)

“He has indefatigable perseverance.” (彼は根気が強い。/彼は堅忍不抜な気質を持っている。)などと使うことができます。

まとめ

以上、この記事では「堅忍不抜」について解説しました。

読み方堅忍不抜(けんにんふばつ)
意味どんなことがあっても、ひたすらじっと我慢して堪え忍ぶこと
由来鼂錯論
類義語堅苦卓絶、堅忍持久、志操堅固など
対義語意志薄弱、薄志弱行
英語訳indefatigable(根気強い、堅忍不抜な)

継続は力なりと言いますが、何事も続けることが大切です。

氷の上を華麗に舞うフィギュアスケーターも、一日氷の上に立たなかっただけで感覚が狂ってしまうと言います。不断の努力をすることが、高みを目指す上で何よりも大切なことなのでしょう。

堅忍不抜の心で何かを続けられたら、新しい自分に出会えるかもしれませんね。

「堅忍不抜」の意味と使い方を覚え、正しく使えるようにしましょう。

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香菜
「読者を不快にさせない記事」をモットーに執筆・編集しています。有名美容ライターの元でアシスタントを経験し、その後出版社に就職。現在は著名人への取材やエンタメ記事の執筆も行っています。