今回ご紹介する言葉は、故事成語の「権謀術数(けんぼうじゅっすう)」です。
「権謀術数」の意味、例文、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「権謀術数」をざっくり言うと……
読み方 | 権謀術数(けんぼうじゅっすう) |
---|---|
意味 | 主に社会や組織などにおいて物事を自分に有利な方向に導き、自身の地位や評価を高めること |
由来 | 朱子が書いた『大学章句序』という本から |
類義語 | 奸智術策、権謀術策、手練手管、など |
英語訳 | art and intrigue (策謀と陰謀) |
「権謀術数」の意味をスッキリ理解!
「権謀術数」の意味を詳しく
「権謀術数」とは、主に社会や組織などにおいて物事を自分に有利な方向に導き、自身の地位や評価を高めることです。
ちなみに、「権」とは権力のこと、「謀」とは謀略のこと、「術」とは技法のこと、「数」とは計算のことを意味しています。
まとめると、「権謀」とは状況の変化に応じた策略、「術数」とははかりごとのことを意味します。
そして、権謀術数には小さいものから大きいものまでさまざまなものが含まれます。
例えば、小さいこととしては会話のテクニックや気遣いなどがあげられます。
また、大きいこととしては賄賂、恐喝、暗殺などがあげられます。
ちなみに、権謀術数はポジティブな意味で使われることもありますが、ネガティブな意味で使われることのほうが多いでしょう。
「権謀術数」の例文
- 彼はさまざまな権謀術数を使ってついには社長にまでのし上がってきた人物だ。
- 権謀術数を使うのは勝手だが、大事な時には実力で勝負したらどうだ。
- 権謀術数は時に役立つが、ほどほどにしないと周りからの信用を失うぞ。
「権謀術数」の由来
「権謀術数」の出典は朱子が書いた『大学章句序(だいがくしょうくじょ)』という本です。
『大学章句序』は朱子によって書かれた『大学』の注釈書です。
ちなみに、『大学』とは儒教でもっとも大切にされている「四書(ししょ)」のひとつです。
「権謀術数」の類義語
「権謀術数」には以下のような類義語があります。
- ペテン
- いかさま
- 奸智術策(かんちじゅっさく)
- 権謀術策(けんぼうじゅっさく)
- 手練手管(てれんてくだ)
「権謀術数」の英語訳
「権謀術数」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- art and intrigue
(策謀と陰謀) - Machiavellism
(マキャベリズム)
ちなみに、マキャベリズムとは、どんな手段も結果的に国家の利益を増進させるためならば許されるという考えかたのことです。
まとめ
以上、この記事では「権謀術数」について解説しました。
読み方 | 権謀術数(けんぼうじゅっすう) |
---|---|
意味 | 主に社会や組織などにおいて物事を自分に有利な方向に導き、自身の地位や評価を高めること |
由来 | 朱子が書いた『大学章句序』という本から |
類義語 | 奸智術策、権謀術策、手練手管、など |
英語訳 | art and intrigue (策謀と陰謀) |
「権謀術数」は有名な故事成語なので、みなさんの中には使ったことがある、という人もいるのではないでしょうか。
また、他の人からこの故事成語を聞いたことがあるという人も多いと思います。
しっかりと意味をおさえて、使い方を間違えないようにしていきたいですね。