今回ご紹介する言葉は、熟語の「果然(かぜん)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「果然」をざっくり言うと……
読み方 | 果然(かぜん) |
---|---|
意味 | 予想していた通りになるさま |
語源 | 「果」の「思った通り」、「然」の「その通り」という意味から |
類義語 | 案の定、下馬評通りなど |
対義語 | 期待はずれ、思惑はずれ、見込みはずれなど |
英語訳 | as expected(予想していた通りに) |
「果然」の意味をスッキリ理解!
「果然」の意味を詳しく
「果然」は、予想していた通りになるさまを表す熟語です。また、結果が予想していた通りであるさまも意味します。
事前の情報・知識をもとに事柄や現象を予想し、実際にその通りになるような場面で使います。「案の定」「考えていた通り」といった言葉と、言い換えることができます。
中国語でも「果然」という言葉があります。「やはり、確かに」といった意味です
「果然」の使い方
- 思い切った改革をすることで評判のA氏が社長になったことで、果然として社内の古い慣習が刷新された。
- 果然、情報管理のずさんさが明らかになった企業は、多くの批判をあびることになった。
- 果然、必死に勉強することだけが、正しい人生というわけではない。
- 有名な監督が3年かけて制作したアニメ映画は果然、大ヒットを記録した。
➀の例文では、新しく就任した社長が評判通りの活躍を見せる様子を、「果然として」と表現しています。
➁の例文では、問題が明らかになった企業が、批判をあびることを、「果然」と言い表しています。「当然のことながら」「案の定」といった言葉と言い換えることもできます。
➂の例文では、勉強することがすべてではないということに関し、「果然」を使用しています。
➃の例文では、有名な監督が時間をかけて作り上げた作品が大ヒットすることを、「果然」と表現しています。こちらも、「当然のことながら」「案の定」といった言葉と言い換えることができます。
「果然」の語源
「果」という漢字には、「思った通り」という意味があります。一方、「然」という漢字には、「そのとおり」という意味があります。
両者の意味が組み合わさり、「果然」が「予想していた通りになるさま」を表すようになりました。
「果然」の類義語
「果然」には以下のような類義語があります。
- 案の定(じょう):予想通りに物事が運ぶさま
- 下馬評(げばひょう)通り:物事が予想された通りになったさま
「果然」の対義語
「果然」には以下のような対義語があります。
- 期待はずれ:思い描いていたことが、その通りに実現しないこと
- 思惑(おもわく)はずれ:想定していた通りに、物事が進まないこと
- 見込みはずれ:予想と違う結果になること
- 見当はずれ:予想と違う結果になること
- 見当違い:予想と違う結果になること
「果然」の英語訳
「果然」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- as expected
(予想していた通りに) - predictably
(予想通りに) - not surprisingly
(当然のことながら、予想通りに)
“as someone expected”で、「(人)の予想どおりに」という意味になります。
“Predictably, the snow didn’t begin to fall.”で、「やはり、雪が降り出すことはなかった」と訳すことができます。
まとめ
以上、この記事では「果然」について解説しました。
読み方 | 果然(かぜん) |
---|---|
意味 | 予想していた通りになるさま |
語源 | 「果」の「思った通り」、「然」の「その通り」という意味から |
類義語 | 案の定、下馬評通りなど |
対義語 | 期待はずれ、思惑はずれ、見込みはずれなど |
英語訳 | as expected(予想していた通りに) |
事前の情報・知識をもとに事柄や現象を予想し、実際にその通りになる様子を表すのが、「果然」という熟語です。聞きなれない方も多いかと思いますが、漢字・読み方自体はそれほど難しくありません。
まれに新聞などでも使用されることがあるので、しっかり意味を覚えておきましょう。