今回ご紹介する言葉は、ことわざの「堪忍袋(かんにんぶくろ)の緒(お)が切れる」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「堪忍袋の緒が切れる」をざっくり言うと……
読み方 | 堪忍袋(かんにんぶくろ)の緒(お)が切れる |
---|---|
意味 | がまんできなくなって、怒りが爆発すること |
類義語 | 仏の顔も三度まで、兎も七日なぶれば噛み付く、地蔵の顔も三度 |
英語訳 | This is the last straw.(これ以上我慢できない。これが限界だ。) |
このページの目次
「堪忍袋の緒が切れる」の意味をスッキリ理解!
「堪忍袋の緒が切れる」の意味を詳しく
「堪忍袋の緒が切れる」とは、「がまんできなくなって、怒りが爆発すること」を意味することわざです。
「堪忍」とは、怒りをこらえて勘弁することを意味します。そして「堪忍袋」とは、怒りをこらえて許す度量(どりょう)を袋にたとえたものです。
「緒(お)」とは、糸やひものことを意味します。「堪忍袋」を結んでいた「緒」が切れて怒りが爆発した状態を、「堪忍袋の緒が切れる」と言います。
「堪忍袋の緒が切れる」の使い方
- 今までは許してきたが、彼のあの発言で堪忍袋の緒が切れた。
- 私の父はまるで堪忍袋の緒が切れたように、怒り狂った。
- いつもは優しい母にも、とうとう堪忍袋の緒が切れる瞬間が来た。
「堪忍袋の緒が切れる」の類義語
「堪忍袋の緒が切れる」には以下のような類義語があります。
- 仏(ほとけ)の顔も三度(さんど):どんなに温厚(おんこう)な人でも、何度も無法(むほう)なことをされれば、しまいには怒り出すということ
- 兎(うさぎ)も七日(なのか)なぶれば嚙(か)み付く:どんなに大人しい者でも、限度を超えれば怒り出すということ
- 地蔵(じぞう)の顔も三度:寛容な人でも、たびたび踏みつけにされると腹を立てるということ
「堪忍袋の緒が切れる」の英語訳
「堪忍袋の緒が切れる」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- I can’t stand it anymore.
(もうこれ以上我慢できない。) - This is the last straw.
(これ以上我慢できない。これが限界だ。) - I have hit my limit.
(私は限界に達した。)
これを直訳すると、「これが最後の藁(わら)だ」という意味になります。この文を、省略せずに全文で示すと “This is the last[final] straw that breaks the camel’s back.” となります。
これは、「最後に載せるのが藁(straw)1本であっても、限度を超えたら、ラクダ(camel)の背(back)が折れる」という意味になります。
1本の藁の重さ自体はとても軽いはずです。よって、それだけ乗せられたところでラクダはビクともしないはずです。
しかしそれを乗せられたことで崩れてしまうのですから、それまでに乗せられているものが積み重なり、重くなってしまっていることが想像できます。
まとめ
以上、この記事では「堪忍袋の緒が切れる」について解説しました。
読み方 | 堪忍袋(かんにんぶくろ)の緒(お)が切れる |
---|---|
意味 | がまんできなくなって、怒りが爆発すること |
類義語 | 仏の顔も三度まで、兎も七日なぶれば噛み付く、地蔵の顔も三度 |
英語訳 | This is the last straw.(これ以上我慢できない。これが限界だ。) |
日々ストレスが積み重なると、やがてそれが怒りとなり、爆発してしまいます。溜め込み過ぎはよくないものです。
普段は優しくて、めったに怒らなそうな人でも、怒りという感情をもつ時はあるでしょう。
人の「堪忍袋の緒が切れる」前に、気を遣って真心でもって接するように心がけましょう。