「人畜無害」の意味とは?使い方から類語や英語や対義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「人畜無害(じんちくむがい)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「人畜無害」をざっくり言うと……

読み方人畜無害(じんちくむがい)
意味他者に影響を及ぼさないような、平凡な人物のたとえ
類義語毒にも薬にもならない、中立、行尸走肉
対義語有害無益、トラブルメーカー
英語訳harmless to humans and animals(人間と動物にとって無害である)

「人畜無害」の意味をスッキリ理解!

人畜無害(じんちくむがい):他者に影響を及ぼさないような、平凡な人物のたとえ

「人畜無害」の意味を詳しく

「人畜無害」とは、他者に影響を与えないような、平凡な人物のことです。この意味で使われる場合は、皮肉的な意味合いを持ちます。

「人畜」とは、人間と動物のことです。そのため、もともとは「人間にとっても動物にとっても無害である」という意味です。性格が穏やかで攻撃的でない人や、女性にとって危険のない男性のことを指す場合もあります。この場合には皮肉や侮蔑的なニュアンスを含みません。

ただし、多くの場合には「無害である」という意味が「害もよい影響も及ぼさない」という皮肉になり、「平凡な人物」というニュアンスにもなるので、注意が必要です。

「人畜無害」の使い方

  1. この除菌スプレーは人畜無害ですから、安心してお使いください。
  2. 彼は人畜無害で、誰に対しても優しい。
  3. 彼女はまさに人畜無害と言うべき人で、どんな仕事を頼まれても嫌だとは言わない。

①の例文では、「この除菌スプレー」に健康上の悪影響がないことを「人畜無害」という言葉でアピールしています。この例文のように、薬品などが使われた商品の説明に「人畜無害」という言葉が使われることがあります。

②の例文では、「彼」が危険のない人物であるということを「人畜無害」と表現しています。この文脈の場合、特に「彼」の性格に皮肉を言うようなニュアンスはありません。

一方、③の例文では、やや皮肉めいたニュアンスで「人畜無害」が使われています。このような文脈の場合、「彼女」には「自分の意見がない」というようなイメージになります。

「人畜無害」の類義語

人畜無害には以下のような類義語があります。

  • 毒にも薬にもならない:あってもなくてもいいもの
  • 中立:特定の立場に立たないこと
  • 行尸走肉(こうしそうにく):学問・才能がなく役に立たないこと

「毒にも薬にもならない」とは、あってもなくても変わらないもののたとえです。

「毒」とは悪い影響を与えるもので、「薬」とはよい影響を与えるものです。そのどちらにもならないということは、「どんな影響も与えない」という意味になります。

「他人に影響を与えない」という意味の「人畜無害」と近いニュアンスになります。

「中立」とは、特定の立場に肩入れせず、中間の立場を取ることです。公平であるというポジティブなニュアンスで使われることが多い言葉ですが、「自分個人としての意見を持たない」というややネガティブな文脈で使われることもあります。

 

「行尸走肉」とは、学ぼうとせず才能もない人を指す言葉です。他人をあざけて言う言葉であり、「人畜無害」よりもさらに侮蔑的な印象を与えます。

特に役に立たないという意味で、「人畜無害」と同じような使い方ができますが、場合によっては悪質な悪口になってしまうので注意しましょう。

「人畜無害」の対義語

人畜無害には以下のような対義語があります。

  • 有害無益:悪影響はあっても利益はないということ
  • トラブルメーカー:問題をよく起こす人
  • 百害あって一利なし:害が多く、良いことはないということ

「有害無益」とは、害があって利益はないことです。「人畜無害」はただ害がない場合にも、害だけでなくよい影響がない場合にも使えますが、「有害無益」は「悪影響があり、利益がない」という場合にのみ使います。

「トラブルメーカー」とは、問題や騒動をよく起こす人のことです。もめごとの原因になり、「害のある人」ということになります。

「有害無益」は害のあるもの、「トラブルメーカー」は害のある人、と使い分けましょう。

「人畜無害」の英語訳

人畜無害を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • harmless to humans and animals
    (人間と動物にとって無害である)
  • have no influence
    (影響力を持たない)

「人畜無害」は、直訳すると “harmless to humans and animals” になります。除草剤などの表示に使われる表現です。

単に “harmless person” とすると、「害のない人」という意味にもなります。

「他人に影響を与えない」というニュアンスで使いたい場合は、have no influenceを使いましょう。haveは動詞なので、 “He has no influence.(彼は人畜無害だ)” という使い方になります。

まとめ

以上、この記事では「人畜無害」について解説しました。

読み方人畜無害(じんちくむがい)
意味他者に影響を及ぼさないような、平凡な人物のたとえ
類義語毒にも薬にもならない、中立、行尸走肉
対義語有害無益、トラブルメーカー
英語訳harmless to humans and animals(人間と動物にとって無害である)

「人畜無害」は、使う場面を選ぶ言葉ですが、小説などでもよく見かける表現です。ぜひ覚えておきましょう。