「いただけます」と「いただきます」の違いをわかりやすく解説

違いのギモン

「いただけます」「いただきます」は、どちらも日常生活でよく使われる表現です。

それぞれ異なるニュアンスで使われることがある一方で、似たような場面で使うことのできる言葉でもあります。

この記事では、「いただけます」と「いただきます」の違いについて解説します。

結論:「いただけます」は可能、「いただきます」は断定

「いただけます」は、「いただくことができる」という可能の表現であり、
「いただきます」は、「いただく」と行為を断定する表現です。

「いただけます」をもっと詳しく


「いただけます」は、主に動詞に続き、「〇〇していただけます」という形で使われます。

補助動詞「〜いただく」に、可能の意味を表す「〜ける」と丁寧語「〜ます」がついたのが、「いただけます」です。

「いただけます」の使い方の例

  1. あなたのパスポートを見せていただけますか?
  2. 乗車中はシートベルトをしていただけますようよろしくお願い申し上げます。
  3. 拙著ですが、参考にしていただけましたら幸いです。
「いただけます」は相手にお願いをする場面で使われます。

①の例文では、相手に問いかける形で、パスポートを見せるようお願いをしています。

②の例文では、お願いの内容と、お願いの言葉を「いただけますよう」という表現でつなげています。

③の例文では、相手が「参考にする」という行為をした場合は、自分が「幸い」であると、仮定条件の形で相手にしてほしいことを伝えています。

 

このように、「していただけます」を使って相手にお願いをすると、「してください」と表現するよりも柔らかい印象になります。

「いただきます」をもっと詳しく


「いただきます」は、食事前の挨拶として頻繁に使われる言葉です。また、動詞に続き、「〇〇していただきます」という形でも使われます。

補助動詞「〜いただく」に丁寧語「〜ます」がついたのが、「いただきます」です。「いただけます」のように、他の意味が加わっているわけではないので注意しましょう。

「いただきます」の使い方の例

  1. あなたのパスポートを見せていただきますね。
  2. 乗車中はシートベルトをしていただきますようよろしくお願い申し上げます。
  3. 拙著ですが、参考にしていただきますと幸いです。
「いただけきます」も、「いただけます」と同様、相手にお願いをする場面で使われます。

①の例文では、相手に確認する形で、パスポートを見せるように要求しています。「いただけます」の場合には問いかけになりますが、「いただきます」の場合には断定になり、強制力を相手に感じさせます。

②の例文では、お願いの内容と、お願いの言葉を「いただきますよう」という表現でつなげています。「いただけます」の場合も「いただきます」の場合も、あまりニュアンスは変わりません。

 

③の例文では、相手が「参考にする」という行為をした場合は、自分が「幸い」であると、仮定条件の形で相手にしてほしいことを伝えています。

こちらもあまり「いただけます」とニュアンスが変わりません。ただし、「いただけましたら」がへりくだっているような印象を相手に与える一方、「いただきますと」はストレートな条件付けになり謙遜のニュアンスが薄れます。

より丁寧な印象を与えたい場合には、「いただけましたら」の方が適しています。

「いただきます」は、「いただけます」ほどお願いのニュアンスが強くなく、依頼の内容にやや強制力を感じさせる表現になるので、うまく使い分けていきましょう。

「いただく」「頂く」「戴く」の違い

「いただきます」「いただけます」に使われる「いただく」は、「頂く」「戴く」と明確に区別される言葉です。

  1. いただく:「○○してもらう」という意味の補助動詞
  2. 頂く:「食べる」「飲む」または「もらう」の謙譲語
  3. 戴く:「ありがたく受け取る」という意味の謙譲語

漢字の「頂く」「戴く」は謙譲語の動詞です。一方で「いただく」は、他の動詞に付いて意味を加える補助動詞に当たります。

そもそも、補助動詞は原則平仮名で書くというルールがあります。

「○○してください」の「ください」と、「○○を下さい」の「下さい」が区別されるように、「いただく」も「頂く」「戴く」と区別するため平仮名で表記します。

「○○していただく」を「○○して頂く(戴く)」と書くのは誤りであるため、注意しましょう。

意外と知らない「いただく」「頂く」「戴く」の違い

「いただけますでしょうか」は誤り


「いただけます」を使った表現の一つに「いただけますでしょうか」という言い回しがあります。

一見、丁寧に相手に依頼する言葉のように思えますが、「いただけますでしょうか」は二重敬語であり、間違った使い方になります。

二重敬語とは
「二重敬語」とは、尊敬語と尊敬語、謙譲語と謙譲語というように、「同じ種類の敬語を重ねてしまう間違った表現のこと」です。

敬語を二重にすると、表面上だけ丁寧な表現となり、敬意がわざとらしいと判断されてしまいます。かえって失礼になる場合があるため、二重敬語は使わないようにしましょう。

「いただけますでしょうか」は、「いただけます」の中にある丁寧語の「ます」に、さらに丁寧語の「です」が重なった表現です。

丁寧語が二重になっているため、「いただけますでしょうか」は二重敬語になるのです。

まとめ

以上、この記事では、「いただけます」と「いただきます」の違いについて解説しました。

  • いただけます:補助動詞「〜いただく」に可能の意味がつき、丁寧になった言葉
  • いただきます:補助動詞「〜いただく」を丁寧にした言葉
一文字の違いですが、「いただけます」と「いただきます」の間には大きな違いがあります。しっかりと違いを覚えて使い分けましょう。