「意匠」の意味とは?読み方は?使い方から英語や類義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「意匠(いしょう)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「意匠」をざっくり言うと……

読み方意匠(いしょう)
意味あれこれ工夫をめぐらすこと、デザイン
類義語趣向、創意工夫、デザイン、設計など
英語訳design(デザイン)

「意匠」の意味をスッキリ理解!

意匠(いしょう):あれこれ工夫をめぐらすこと、デザイン

「意匠」の意味を詳しく

「意匠」はあれこれ工夫をめぐらすこと、またその結果考案された装飾やデザインのことを意味します。

特に、美術品や工芸品、工業製品などの形状や色・模様をさまざまに工夫することやそのデザインを指します。より美しく見せたり、深みや味わいを加えることで人々の嗜好に合わせ、作品の価値を高めるという目的があります。

 

「意」という字は訓読みすると「おもう」と読むことができ、「思い、考え」という意味があります。また、「ものごとの内容」という意味も持っています。

「匠」という字には「新しいものをつくり出すための工夫、アイデア」という意味があります。

この2つの漢字を組み合わせて、「あれこれ考えて工夫を凝らすこと」という意味を表す熟語になっています。

「意匠」の使い方

  1. 彼女の作品はどれも、日本人の心に響く意匠が凝らされている。
  2. コピー商品が出回らないよう、意匠権を取得した。
  3. 特許庁に意匠登録を申請する。

①では、色や形・模様などにおいてほかにはないデザインが施されているという意味で用いられています。「意匠を凝らす」の形で使われることがとても多いので、ぜひ覚えておくといいですね。

②に記されている「意匠権」とは、製品のデザインについて独占的に使用することが認められる権利です。これによって、コピー商品や類似商品が他社に製造・販売されるのを防ぐことができます。

③の「意匠登録」とは、意匠権の取得を申し出ることです。著作権や商標権とは違い、製品の工業用デザインに特化した独占権となっており、特許庁への登録が必要となります。

「意匠」の類義語

「意匠」には以下のような類義語があります。

  • 趣向:おもむきや面白みを出すためにあれこれ工夫を凝らすこと
  • 創意工夫:今までにない新しい方法を考え、実行すること
  • デザイン:製品の機能や審美性を考慮して色や形、模様などを考案すること
  • 設計:図面などを使って、ものごとを生み出す計画を考えること

どれも、より良いものをつくり出すという目的であれこれ考えをめぐらすという意味合いが共通して見受けられますね。

「意匠」の英語訳

「意匠」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • design
    (デザイン)

類義語にもあったように、「デザイン」は「意匠」と非常に似た意味を持っています。

どう違うのか気になるところですが、しいて言えば、「意匠」は美術・工芸品など工業製品に対して使いますが、「デザイン」は不動産や建築など美術・工芸品以外のものに対しても用いられるという点です。

「意匠」は、意匠の保護や利用を図る意匠法において、「工業上利用羽することができるもの」と定義されています。そのため、建築物などのデザインは、工業的に量産することが容易でないため、「意匠」とは言えません。

つまり、「意匠」は「デザイン」と言えますが、「デザイン」は必ずしも「意匠」ではないということです。

 

また、英語の”design”には「意匠」のほかにも幅広い意味があり、「図案」「計画、目的」「陰謀、たくらみ」を表すこともあります。

“design”を「意匠」の意味で用いる場合、以下のような例文になります。

I like  the design of this pottery very much.

(私はこの陶器に凝らしてある意匠がとても好きだ。)

まとめ

以上、この記事では「意匠」について解説しました。

読み方意匠(いしょう)
意味あれこれ工夫をめぐらすこと、デザイン
類義語趣向、創意工夫、デザイン、設計など
英語訳design(デザイン)

いかがだったでしょうか。

「意匠」と言われると難しく聞こえてしまいますが、実際には「デザイン」とほとんど同じ意味の言葉なんですね。すてきなデザインのものを見た際には、「意匠が凝らしてあるね。」など会話の中でスムーズに使えるとかっこいいですね。