今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「イシュー」です。
「イシュー」の意味・使い方・語源・プロブレムとの違いについてわかりやすく解説します。
「イシュー」とは?
「イシュー」の意味を詳しく
「イシュー」とは、「論点」「課題」「問題」という意味の言葉です。
しかし、コンサルティングやシンクタンクなどの特定の業界では、「本質的な課題・論点」という意味で捉えられています。
現在では、ビジネスの場面でイシューを「単なる問題」ではなく、「本質的な問題」として捉えられることが増えてきました。
それは、元マッキンゼーの安宅和人さんが書いた『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』という本の影響が大きいです。
この本では、最高の生産性を出すためには、数ある問題の中から本当に重要なものだけを解決することの大切さを説いています。
そして、この「数ある問題の中から本当に重要なもの」のことを「イシュー」と呼び、コンサル業界からそれ以外の業界にまで広まっていきました。
このような経緯もあり、現在ではビジネスの場でイシューをただの「問題」ではなく、「本質的な問題」として捉えることが多いです。
つまり、由来である英語の “issue” を単に日本語訳した以上の意味を持っているということですね。
「イシュー」の使い方
- 家の耐久年数を上げるためにはどうすればいいだろうか? このイシューは難題だ。
- コンサルタントの多くは、問題の本質である「イシュー」の発見にこだわる。
- 彼は非常に要領が悪い。イシュー度が高いものだけやればいいのにと僕は思う。
上記の例文のうち、①のイシューは英語の “issue” を単に日本語訳したかたちで使っています。
つまり、特別なニュアンスを持たない「問題」ということですね。
対して、例文②と③のイシューは、「本質的な問題」という意味合いです。
「イシュー」の語源
日本でよく使われる「イシュー」は、英語の名詞である “issue” から来ています。
英語の “issue” には「問題・課題」以外にも、「発行物」という意味があります。
しかし、「発行物」という意味で “issue” が使われることはほとんどありません。
日本においてはイシューは本来の意味である「問題」「発行物」のうち、「問題」という意味で使われることが多いです。
この点は、しっかりと押さえておきましょう。
なお、イシューの意味の解釈について、ここまでの流れを下記にまとめておきます。
- 英語のissueの本来の意味
- 問題
- 発行物
- 日本におけるイシューの意味
- 単なる問題(“issue” を普通に日本語訳したかたち)
- 本質的な問題
「イシュー」と「プロブレム」の違い
「イシュー」と同じ「問題」という意味を持つカタカナ語として「プロブレム」があります。
この2つの言葉には、どのような違いあるのでしょうか?
ここからは、「イシュー」と「プロブレム」の違いについてまとめていきます。
まず、「プロブレム」は「被害があって対処すべき問題」というニュアンスを持っています。
これに対して、「イシュー」は「改善することで品質が上がる問題」という意味です。
これだけでは分かりづらいので、例を用いて解説しましょう。
例えば、トイレがつまりそうだからメンテナンスをしなければならないという問題があったとします。
この問題に対して、どのようにメンテナンスをすればいいのかという問題は、「プロブレム」にあたります。
そして、どうしたらメンテナンスの回数を減らせるかという問題は「イシュー」にあたるのです。
このように、同じ「問題」という意味を持つ言葉であっても、「イシュー」と「プロブレム」は全く違ったニュアンスを持っていますので気をつけましょう。
まとめ
以上、この記事では「イシュー(issue)」について解説しました。
英語表記 | イシュー(issue) |
---|---|
意味 | 問題点、または本質的な課題 |
語源 | 英語の名詞である “issue” |
プロブレムとの違い | プロブレム:被害があって対処すべき問題 イシュー:改善することで品質が上がる問題 |
圧倒的に生産性が高いビジネスマンに共通していることとして、イシューの発見がうまいということが挙げられます。
そして、本当に価値のあることだけをやる人は、当然会社への貢献度も高いです。
一流のビジネスマンになるためには、イシューという言葉の理解が必須なのかもしれないですね。