今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「一触即発(いっしょくそくはつ)」です。
言葉の意味・使い方・類義語についてわかりやすく解説します。
☆「一触即発」をざっくり言うと……
読み方 | 一触即発(いっしょくそくはつ) |
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意味 | 少し手を加えれば、重大な惨事が起こるということ |
類義語 | 危機一髪など |
「一触即発」の意味をスッキリ理解!
「一触即発」の意味を詳しく
「一触即発」は、ある出来事に対して少し手を加えただけで、何か他に重大な出来事を引き起こしてしまいそうな状態を意味しています。
「一」は、「少し」という意味で使われています。「触」は、触ることを指す感じですが、ここでは「触る」ではなく「手を加える」というニュアンスで用いられています。ですから、「一触」で、1回手を加えるという意味になります。
続いて、「即」という漢字は、「「すぐ、直ち」にという意味で使われています。
最後の「発」という漢字は、「発生と」表記するときに用いられる漢字です。何かの出来事が起こるという意味で使われています。「即発」で、すぐに発生するという意味になります。
これらの漢字を合わせて、一触即発は「少し手を加えただけで、すぐに発生する」という意味になります。
「一触即発」は、日常生活でもとても多く使われる四字熟語の1つです。特に時事問題など多くのニュースで使われる表現です。
「一触即発」の使い方
- アメリカとソ連の間では、何度も一触即発の事態があった。
- このまま飛行していたら、一触即発の一触即発になっていただろう。
- ただ手で触っただけで、一触即発の事件を起こしてしまった。
①の例文は、冷戦期のアメリカとロシアを表した例文です。世界史を習ったことがある人ならば、冷戦という戦争をしない権力闘争がアメリカとソ連との間にあったということをご存知でしょう。
この冷戦に、アメリカとソ連が直接血を流す戦争はありませんでした。なぜ戦争が起こらなかったというと、核兵器があったからです。核兵器は一度に大量の人の命を奪います。
ナイフやピストルと違って、街そのものを消すこともできるのです。そのため、ソ連とアメリカのどちらかが相手に対して核兵器を使用すると、相手国も核兵器を使用して報復するため共倒れになってしまうことが予測されていました。
そのため、戦争は起こらなかったのですが、一歩間違えていれば戦争を引き起こしてしまっていた場面は非常に多くあります。特にソ連がアメリカ近くのキューバに基地を設置したときは、その行いが基となって核戦争直前まで行きました。まさに「一触即発」の事態です。
②は、日常のニュースでもよく使われる表現です。自動車や新幹線、航空機と言った交通機関に関するニュースがありますが、そのニュースで「一触即発」という表現を使う場合があります。
航空機が事件を起こすと、自動車や新幹線に比べて全ての乗員乗客が即死してしまう可能性が高いです。そのため、航空機は重大な事件を引き起こすとのイメージを多くの人が持っています。
さらに、航空機は空を飛ぶため逃げ場がないことに加えて、何か機体にトラブルがあれば大きな事故を招く可能性もあります。だからニュースでは、機体の不具合や整備ミスによって「一触即発」の事件を引き起こしていたという表現をするのです。
③の例文は「一触即発」の大事な概念を表す例文です。ある出来事とは全く関係のない些細なことを行うと、それが影響してある出来事がとても大きくなるというものです。
例文では、「手で触っただけ」と表記しています。例えば何かのスイッチに手が触れてしまって、そのスイッチがオンになったとき、地域一体の電気が止まると大変なことになります。
このように、一見何も関係ないけれども些細なことで重大な事件を引き起こしてしまう「一触即発」もあります。ある出来事が、巡り巡って重大なことになることをバタフライ理論と呼びますが、それも「一触即発」と言い表すことができるわけです。
「一触即発」の類義語
一触即発(いっしょくそくはつ)には以下のような類義語があります。
- 危機一髪:ぎりぎりで危険を避けること
「危機」という言葉はよく耳にして馴染み深いですが、危ない機会という意味になります。「一」はとても少ないという意味で使われています。「髪」は、人間の体の体毛です。
ここが面白いところなのですが、ぎりぎりという意味で使われています。危機を避けようとすれすれの状態になります。その間に指は入らなくても、髪の毛1本ほどの隙間しか生まれないとなると、ギリギリであるということがイメージできると思います。
「一触即発」と意味は似ていますが、ニュアンスが異なっています。「一触即発」は、ある些細なことで重大な出来事を引き起こすこと自体や、引き起こす以前の緊張感を意味することが多いです。
しかし、「危機一髪」はその重大な出来事を引き起こさずに回避した、以後のことを表しています。つまり、「危機一髪」の危険がありそうだなどと用いるのではなく、「危機一髪」だったなど過去形で使われることが多いです。
この違いを理解しておくと、この2つのニュアンスの違いを理解しやすいでしょう。ぜひ参考にしてみましょう。
まとめ
以上、この記事では「一触即発」について解説しました。
読み方 | 一触即発(いっしょくそくはつ) |
---|---|
意味 | 少し手を加えれば、重大な惨事が起こるということ |
類義語 | 危機一髪など |
「一触即発」は日常生活でもよく使われます。例えば、浮気がバレて「一触即発」の喧嘩になってしまいそうなど、何気ない行動が取り返しのつかない大惨事を引き起こしてしまうことが、日常生活には多くあるのです。
もし、「一触即発」の意味がわからなければ、緊張感の度合いも理解できませんよね。ぜひこの記事で、「一触即発」の意味や使い方を理解して日常生活でも役に立てましょう。