「一挙手一投足」とは?意味や使い方をわかりやすく解説

言葉

一挙手一投足とは「こまかな1つ1つの動作や行動」「わずかな労力、少しの努力」という意味です。

「漢字が羅列していて難しそう」「使い方や使う場面がわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、意味や言い回しを覚えてしまえば、簡単に使いこなすことができます。

そこでこの記事では、一挙手一投足の意味や使い方をわかりやすく解説します。

「一挙手一投足」の意味

一挙手一投足いっきょしゅいっとうそく

  1. こまかな1つ1つの動作や行動
  2. わずかな労力、少しの努力

一挙手一投足には二つの意味があります。

ひとつ目の意味は「こまかな1つ1つの動作や行動」です。

二つ目の意味は「わずかな労力、少しの努力」です。

それぞれの意味について解説していきます。

「こまかな1つ1つの動作や行動」の意味

一挙手一投足には「こまかな1つ1つの動作や行動」という意味があります。

動作などの振る舞いに関する「細かな1つ1つの動作や行動」の例には、眉やまぶたの動きが挙げられます。

こまかい動きや所作、ちょっとした振る舞いのことを指します。

「一度手を上げ、一度足を動かす」ということからくる言葉です。

「わずかな労力、少しの努力」の意味

一挙手一投足には「わずかな労力、少しの努力」という意味があります。

努力などの取り組みに関する「わずかな労力」の例には、日々の鍛錬やささいな練習が挙げられます。

「わずかな労力、少しの努力」という意味は、2つ目の意味の「こまかな1つ1つの動作や行動」から派生したものです。

「一度手を上げ、一度足を動かす程度のほんのわずかな努力」ということです。

「一挙手一投足」の使い方

一挙手一投足は以下のような言い回しでよく使われます。

  • 一挙手一投足の労
  • 一挙手一投足に気を配る
  • 一挙手一投足が気に食わない

一挙手一投足の使い方について2つの意味に分けて詳しく見ていきましょう。

「こまかな1つ1つの動作や行動」の意味での使い方

「こまかな1つ1つの動作や行動」の意味で使う場合は、下記のように言います。

例文
  1. 落ち着きのない彼の一挙手一投足が全て気に食わない。
  2. 100人の招待客の前で挨拶をすることになり、緊張で一挙手一投足がぎこちなくなった。
  3. メジャーデビューして初のインタビューで、その選手の一挙手一投足が注目された。
  4. その選手の一挙手一投足を見逃さないように、画面を見つめた。
  5. 美しく踊れるように、一挙手一投足を意識する。

一挙手一投足の努力は、ささいな労力を惜しまないという文脈で用います。

一挙手一投足を見逃さない・一挙手一投足が気に入らない・一挙手一投足に気を配るは、動作に気遣ったり振る舞いが注目される場面で使います。

「わずかな労力、少しの努力」の意味での使い方

「わずかな労力、少しの努力」の意味で使う場合は、下記のように言います。

例文
  1. 一挙手一投足の労を惜しんだ結果、コンペで負けてしまった。
  2. 今度の試合に勝つために、一挙手一投足の努力を欠かさぬようメンバーを鼓舞した。

「一挙手一投足」の由来


一挙手一投足の出典は、中国唐代中期を代表する詩人・韓愈(かんゆ)の『応科目時与人書(かもくにおうずるとき ひとにあたうるのしょ)』という書物です。

以下で原典の現代語訳をご紹介します。

もし力のある人が、この弱っている怪物を哀れみ、水のある所まで連れて行ってくださる気持ちがあれば、それはほんの一挙手一投足のわずかな労力に過ぎません。……私は天を仰いで泣きたい。どうして力のあるお方が、私の窮状を哀れみ、一挙手一投足のわずかな労を惜しんで、私を清らかな波の中に連れて行ってくださることに気がつかれないのでしょうか。

当時、韓愈は突破が非常に難しいとされていた官吏の登用試験に合格しました。

ところが、最終的に合格するためには推薦者が必要でした。

しかし家柄が良くない韓愈の人脈は希薄で、彼を推薦してくれる人はいません。

そこで、韓愈は試験官に推薦を依頼する手紙を書いたのでした。

手紙の中の「弱っている怪物」は韓愈自身のことを指し、「あなたが私を水辺(試験合格の比喩)に連れて行くことは、あなたにとって少しの労力です」という趣旨のことを述べているのです。

 

この由来から分かるように、一挙手一投足はもともと「わずかな労力」という意味でした。

しかし現代の日本では、一挙手一投足はもっぱら「1つ1つの動作や行動」の意味で使われます。

「一挙手一投足」の類義語

一挙手一投足には以下のような類義語があります。

  • 一挙一動(いっきょいちどう)
    1つ1つの振る舞い
  • 挙動(きょどう)
    立ち振る舞い、動作
  • 一言一句(いちごんいっく)
    ほんの一言、ちょっとした言葉
  • 振る舞い
    挙動
  • 所作(しょさ)
    振る舞い
  • 動作
    動き
  • 素振り(そぶり)
    顔つきや身のこなしに現れた様子
  • 行動
    行い
  • 身のこなし
    身体の動き
  • 挙措(きょそ)
    立ち振る舞い

「一挙手一投足」と「一言一句」の違い

  • 一挙手一投足
    動作に用いる
  • 一言一句
    発言や言葉に用いる

一挙手一投足は動作に使い、一言一句は1つ1つの文字や語句に使います。

「一挙手一投足」と「一挙一動」の違い

一挙手一投足の同義の言葉として一挙一動が挙げられますが、ニュアンスが若干異なります。

  • 一挙手一投足
    細かい動きに用いる
  • 一挙一動
    大きな動きに用いる

一挙手一投足は「眉やまぶたの動き」など細かい動作を指すときに使い、一挙一動は連続した動きや「腕を振る」など大きな動きにたいして使います。

「一挙手一投足は文字数が多いため、その分細かい動作を示すのに使われる」と覚えると良いでしょう。

ちなみに、一挙手一投足は1つ1つの細かな動きを指しますが、挙動は立ち振る舞いなど動きの全体のことを言います。

「一挙手一投足」の英語訳

一挙手一投足を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • the slightest effort
    (少しの動き)
  • all the movement 
    (1つ1つの動作)
  • every move
    (一挙一動)
  • every action
    (一挙一動)
  • every movement
    (一挙一動)

「一挙手一投足」のまとめ

以上、この記事では「一挙手一投足」について解説しました。

読み方一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)
意味こまかな1つ1つの動作や行動、わずかな労力
由来韓愈『応科目時与人書』
類義語一挙一動、挙動、一言一句
英語訳the slightest effort(少しの努力)、all the movement (1つ1つの動作)

一挙手一投足は、日常会話などさまざまなシーンで使われる言葉です。ぜひ使い方をマスターしましょう。

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愛読書は広辞苑。 日本語の持つゆかしさや含み、趣深さが大好きです。大学では音声学・日本語学を専攻しました。 慣用句や四字熟語が得意分野です。