今回ご紹介する言葉は、ことわざの「へそで茶を沸かす」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「へそで茶を沸かす」をざっくり言うと……
読み方 | へそで茶を沸かす |
---|---|
意味 | おかしくて、仕方のない様 |
由来 | 諸説あり。いずれも意味は同じ。 |
類義語 | へそがよれる、へそが西国巡礼するなど |
対義語 | 洒落、無味乾燥、興ざめなど |
英語訳 | Pigs might fly.(もし豚に翼が生えてたら)など |
このページの目次
「へそで茶を沸かす」の意味をスッキリ理解!
「へそで茶を沸かす」の意味を詳しく
「へそで茶を沸かす」とは、おかしくて仕方ないという意味です。
注意点としては、多くの場合、人をあざけるニュアンスが含まれる、ということです。あまりにもばかげた様子を、皮肉的に表現したわけですね。
くれぐれも、ユーモラスな人を褒めるときに使わないでください。
「へそで茶を沸かす」の使い方
- その成績で医学部を目指すだなんて、へそで茶を沸かすような話だ。
- 雑草で絶品料理を作るだって? へそで茶を沸かすよ。
「へそで茶を沸かす」の由来
「へそで茶を沸かす」の由来は諸説あります。ここでは、代表的なものを3つ紹介します。
へそが大きく揺れるさま
爆笑して、へそのあたりが大きく揺れることを、お茶の沸騰に例えたという説です。比喩(ひゆ)表現により、作られたことわざは沢山あります。「へそで茶を沸かす」もその1つなのかもしれません。
爆笑による熱
あまりにもおかしく、大笑いした結果、へそのあたりが熱くなり、「茶を沸かせそうなほど熱くなっているぞ。」となった状況です。こちらは誇張表現を用いておもしろおかしく状況を描いています。
「へそを茶化す」の派生
江戸時代は現代と違い、肌を露出する服がありませんでした。そのため、服のサイズが小さいことなどで、へそが見えていると「へそを茶化」されたのです。そこから派生したという説です。
以上が、代表的な由来です。さまざまな説が同時に信じられた結果、言葉として広まっていったのでしょう。
「へそで茶を沸かす」の類義語
「へそで茶を沸かす」には以下のような類義語があります。
- へそがよれる:あまりにもおかしくて、へそがねじれる様。
- へそが西国巡礼する:ありえないこと。転じて、ばかばかしいこと。
- へそが入唐渡天(にっとうとてん)する:へそが中国やインドに行くこと。ばかばかしいこと。
- へそが宿替えする:へそが引っ越しをすること。ばかばかしいこと。
意味も語感も同じような言葉が複数あります。すべての類義語に「へそ」と入っていることから、昔の人にとって「へそ」は面白いものだったのでしょう。
「へそで茶を沸かす」の対義語
「へそで茶を沸かす」には以下のような対義語があります。
- 洒落:気のきいたユーモラスな言葉。「へそで茶を沸かす」と違い、プラスの意味で使います。
- 無味乾燥:味わいや面白味のない様。
- 興覚め:おもしろかったものが、つまらなくなること。
プラスかマイナスか、おもしろいかつまらないか、という2つの方向で対義語を解説しました。
「へそで茶を沸かす」の英語訳
「へそで茶を沸かす」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- It would make a horse laugh.
(そんなこと、馬だって笑っちゃうよ。) - Pigs might fly.
(もし豚に翼が生えてたら)
日本語「へそで茶を沸かす」のように、2つの英語のことわざも、ありえない話を引き合いに出すことで、ばかげた様子を皮肉的に描いています。国は違えど、考えることは同じなのですね。
まとめ
以上、この記事では「へそで茶を沸かす」について解説しました。
読み方 | へそで茶を沸かす |
---|---|
意味 | おかしくて、仕方のない様 |
由来 | 諸説あり。いずれも意味は同じ。 |
類義語 | へそがよれる、へそが西国巡礼するなど |
対義語 | 洒落、無味乾燥、興ざめなど |
英語訳 | Pigs might fly.(もし豚に翼が生えてたら)など |
ことわざを知ると、昔の人の文化や考え方を知ることができます。また、意外なところで別の地域の風習との共通点もあったりと、発見があるので皆さんもぜひ調べてみてくださいね。