「愚直」の意味とは?使い方から類語や英語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「愚直(ぐちょく)」です。「愚直に~する」や「愚直なまでに~」などの形で耳にすることが多い熟語でしょう。

以下では、「愚直」の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「愚直」をざっくり言うと……

読み方愚直(ぐちょく)
意味正直すぎるあまり、融通が利かないこと
類義語馬鹿正直、生真面目、四角四面
対義語狡猾
英語訳simple honesty, simple and honest, honest to a fault, foolishly honest

「愚直」の意味をスッキリ理解!

愚直(ぐちょく):正直すぎるあまり、融通が利かないこと

「愚直」の意味を詳しく

「愚直」とは、正直さが行き過ぎて、融通が利かないことを指します。正直なさまを表す「直」に、おろかなさまを表す「愚」がつくことで、過剰なほどに正直であることを表現しています。

過剰なほどの正直さは、臨機応変に対応できないことから悪い結果を招くという危なっかしさと、どんなに苦しい状況でも諦めない粘り強さという二つの側面を持っています。

 

たとえば、「彼が疲れ切っているのは、面倒な役回りをいつも引き受ける愚直さゆえではないだろうか」という文があったとします。この場合、ひた向きに面倒な役回りを引き受け、次第に疲れていく彼を哀れむ表現として「愚直」が用いられています。

一方、「愚直なまでに真剣に練習する彼の姿が、今でも目に焼き付いている」と言う場合は、練習に真剣に取り組む彼を好意的にとらえているという文脈で「愚直」が用いられているのです。

このように、「愚直」という言葉を用いる際は、状況に応じてその意味合いが変わります。自分が伝えたいニュアンスを明確にして、上手に使いましょう。

「愚直」と「実直」の違い

「愚直」と同じように真面目さを表現する言葉として「実直」があります。「実直」は、誠実で正直なさまを指す言葉です。しかし、両者のニュアンスは異なります。

「愚直」は過度な真面目さを危なっかしくも捉(とら)えていますが、「実直」は適度な真面目さポジティブに表現しているのです。

そのため、「実直」は基本的に褒め言葉として使われます。一方、「愚直」は過度な真面目さを指すため、それが功を奏することもあれば、柔軟な対応が出来ずにかえって損をする結果に終わることもあると考えられるのです。

「愚直」の使い方

  1. 彼の愚直さには感心するが、今回に関しては往生際が悪いと言われても仕方がない。
  2. 誰もが気が散っていた中、地道な作業に愚直に取り組んでいた彼女は凄いと思った。
  3. この度の功績を褒めたたえると、愚直に取り組んだだけだと彼は答えた。

①の例文では、「愚直」がネガティブなニュアンスで使われています。「彼」のひた向きさが、諦めの悪さに繋がっていることを表現しています。

一方、②の例文ではポジティブな意味合いで「愚直」が用いられています。集団の中で、一番真剣に作業に取り組んでいた「彼女」を高く評価したということを言っています。

そして、③の例文では、自分を謙遜する目的で「愚直」が使われています。「彼」は自分の功績について、特段優れたことをしたわけではなく、目の前のことに真面目に取り組んだ結果に過ぎないと答えたということです。

「愚直」の類義語

愚直には以下のような類義語があります。

  • 馬鹿正直:正直すぎるあまり、融通が利かないこと
  • 生真面目(きまじめ):真面目すぎるあまり、融通が利かないこと
  • 四角四面:型にはまりすぎていて、例外を認めないこと

「四角四面」の原義は、その字の通り、「真四角であること」です。そこから転じて、型にはまっていて臨機応変さに欠けることも指すようになりました。「四角四面な~」「四角四面に~する」という使い方が多いです。

「愚直」の対義語

愚直には以下のような対義語があります。

「狡猾」は、「狡猾な手段」などの形で用い、正攻法でないさまを表すのに使われます。

「愚直」の英語訳

愚直を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • simple honesty
    (愚直さ)
  • simple and honest
    (愚直な)
  • honest to a fault
    (愚直な)
  • foolishly honest
    (愚直な)

名詞の形で表現したい場合は “simple honest” 、形容詞の形で表現したい場合は “simple and honest”・”honest to a fault”・”foolishly honest” のいずれかを用いましょう。

特に、”honest to a fault”・”foolishly honest” は、”fault(失敗)”・”foolishly(ばからしくも)” という単語が使われているだけのことはあり、正直さがあだになる可能性が強く表現されています。

それぞれを用いた例文は以下の通りです。

例文
  • I hear that she is attracted to his simple honesty.
    (彼女は、彼の愚直さに惹かれているらしい。)
  • Many people see him as simple and honest.
    (多くの人が、彼を愚直な人と認識している。)
  • I think of him as honest to a fault because he doesn’t have a talent for rising to the occasion.
    (彼は臨機応変さに欠けており、馬鹿正直だなと思う。)
  • They are so foolishly honest that they do everything as they are told.
    (彼らには、どんなことも言われたようにこなすような馬鹿正直さがある。)

まとめ

以上、この記事では「愚直」について解説しました。

読み方愚直(ぐちょく)
意味正直すぎるあまり、融通が利かないこと
類義語馬鹿正直、生真面目、四角四面
対義語狡猾
英語訳simple honesty, simple and honest, honest to a fault, foolishly honest

「諦めが悪い」という言葉が悪あがきとも粘り強さとも取れるように、「愚直」は必ずしもネガティブな意味合いとは限りません。相手との距離感などを意識しながら、自分の伝えたいニュアンスで「愚直」を使えると良いですね。