「ご案内」とは「案内」を意味する敬語表現です。
「ご案内」はなんとなく敬語に思えますが、よく考えると使い方がわからない言葉ですよね。
「体験会のご案内」などと書いてある紙を見たり、道を歩いているときに「今ならお安くご案内できますよ」などと声をかけられたりしたことがある人も多いのではないでしょうか。
この記事では、「ご案内」の意味や使い方などについて詳しく解説します。
☆「ご案内」をざっくり言うと……
読み方 | ご案内(ごあんない) |
---|---|
意味 | 「案内」を意味する敬語表現 |
類義語 | ご招待、ご紹介、ご説明など |
英語訳 | guide(案内する)、lead(案内する)、escort(案内する)など |
「ご案内」の意味
「案内」を意味する敬語表現
「ご案内」とは「案内」に接頭語の「ご」がついた敬語表現です。
接頭語の「ご」がつくことで、相手に丁寧な印象を与えることができます。
話し言葉でも書き言葉でも使うことができます。
次に、「ご」と「案内」の意味についてそれぞれ詳しく解説します。
「ご」の意味
「ご案内」の「ご」は敬語の意味をもちます。
敬語の「ご」には3つの使い方があります。
ご
- 自分の行為につける謙譲語の「ご」
例:後ほどご連絡いたします - 相手の行為につける尊敬語の「ご」
例:ご覧になりますか? - ものの名前につける丁寧語の「ご」
例:ご飯
「ご案内」の場合、「ご」を①②③のどの意味でも用いることができます。
「案内」の意味
「ご案内」の「案内」には以下の意味があります。
- 道や場所など知らない人をそこまで導くこと
例:道案内、構内を案内する - 取り次ぐこと
例:案内を請う - 物事の事情や様子を知らせること。また、その知らせ
例:事業案内、入学案内 - 物事の内部の様子
例:その家の案内に明るい - 事情をよく知っていること
例:先刻御案内のこととは思いますが - 客を招くこと
例:披露宴(ひろうえん)に御案内します - 官庁で後日の参考にするために、書き写したもの
- 官庁で作成された文書、またはその内容
元は平安時代に⑦⑧の意味だったものが転じて、「何かを誰かに教える」という意味をもつようになりました。
現代では、「案内」は広い意味で「何かを誰かに教える」という意味です。
- 案内状
- 案内文
- 案内板
- 案内図
「ご案内」の表記
「ご案内」は、正式な文書で「御案内」と表記することもあります。
ただし、一般的には「ご案内」とひらがなで表記します。
「ご案内」の使い方・例文
「ご案内」の使い方は以下の3つの場合で異なります。
- 自分が案内するときの使い方
- 相手に案内してもらうときの使い方
- 「ご案内」のあとに言葉を続けるときの使い方
それぞれ例文と一緒に見ていきましょう。
使い方①自分が案内するとき
自分が相手を案内するときの表現は、以下のようなものがあります。
- ご案内します
- ご案内いたします(致します)
- ご案内申し上げます
- ご案内しております
- ご案内したく存じます
- ご案内いたしたく存じます
- ご案内いたしかねます
例文を見てみましょう。
- すぐご案内しますので、椅子にかけて少々お待ちください。
- 整理券の番号順に会場にご案内いたします。
- これより試験の規定をご案内申し上げます。
- ただいまお得なキャンペーンをご案内しております。
「ご案内させていただきます」の「させていただく」は敬語として間違いという見解もあるため、使わない方が無難です。
また、「ご案内差し上げる」は敬語ですが、目上の人に使うと上から目線の印象を与えてしまいます。
使い方②相手に案内してもらうとき
相手が自分を案内するときの表現は、以下のようなものがあります。
- ご案内いただく
- ご案内くださる
- ご案内いただきありがとうございます
- ご案内くださいましてありがとうございます
- ご案内賜りありがとうございます
- ご案内いただけません
- ご案内いただくことはできません
- ご案内いただけますか?
- ご案内いただけましたか?
- ご案内いただけましたでしょうか?
例文を見てみましょう。
- もしお客様が来たら、先ほどのようにご案内くださるようお願いいたします。
- 貴社の新商品についてご案内いただきありがとうございます。
「ご案内ください」は丁寧さに欠けるため、使わない方が無難です。
使い方③「ご案内」の後に言葉を続けるとき
「ご案内」の後に言葉を続けて、以下のような使い方をします。
- ご案内のとおり
- ご案内のほど
- 先日仰っていた件について、ご案内のほどお願い申し上げます。
- すでにご案内のとおり、来月の社員旅行は北海道に決まりました。
「ご案内」の類義語
「ご案内」には以下のような類義語があります。
- ご招待
- ご紹介
- ご説明
- ご連絡
- お知らせ
- 誘導
- 道案内
- お引き回し
指導や世話をしてもらうこと - 広報
- 手引き
- 手引き書
- インフォメーション
- ガイダンス
- ガイド
「ご案内」の英語訳
「ご案内」を英語に訳すと、以下のような表現になります。
- guide
(案内する) - lead
(案内する) - escort
(案内する) - show
(案内する) - usher
(案内する) - information
(ご案内)
上記の表現を使った例文には以下のようなものがあります。
- She guided us through the gallery.
彼女がギャラリー内を案内してくれました。 - The CEO ushered us into his office and offered us coffee.
社長が社内を案内してくれて、コーヒーをおごってくれた。 - I will show him the way to the station.
駅までの道を彼に案内する。
道案内するときは “guide” より “show” を使うと自然な表現となります。
「ご案内」のまとめ
以上、この記事では「ご案内」について解説しました。
読み方 | ご案内(ごあんない) |
---|---|
意味 | 「案内」を意味する敬語表現 |
類義語 | ご招待、ご紹介、ご説明など |
英語訳 | guide(案内する)、lead(案内する)、escort(案内する)など |
「ご案内」は「案内」という言葉の敬語表現です。
案内が示す意味は幅広く、さまざまな場面で使うことができるので、ぜひ使ってみてくださいね。