「言及」の意味とは?読み方は?類語や英語までわかりやすく解説

言葉

言及とは「その事柄まで話す」という意味です。

言及という言葉は、使い方が難そうと思ってしまいますよね。

実は、書いてある文章に対しても使うことができるのです。

この記事では、言及の意味や使い方を詳しく解説します。

「言及」の意味

言及げんきゅう

その事柄まで話す

言及は、「その物事について、話の中で触れる」という意味です。

言及を分解すると、それぞれの漢字には以下のような意味があります。


  • 言葉を口に出して言うこと

  • 目的に到達すること

つまり、「ある到達した目的を、口に出して言うこと」を表します。

「ごんきゅう」とは読まない

言という漢字は、「ごん」とも読みます。

ただし、言及は「ごんきゅう」ではなく「げんきゅう」と読むため注意しましょう。

「言及」の使い方

言及はやや硬い表現であるため、以下のような場面で使います。

  • 主に政治や経済についての報道
  • 法律についての文章
  • ビジネスシーンの文章
  • エンタメ作品についての文章

言及は、以下のような言い回しで使います。

  • ~に言及する
    〜について話す
  • ~に言及しない
    〜について話さない
  • 言及すべき
    その事柄について話すべき
  • 言及を避ける
    その事柄について話さない
  • 言及する必要はない
    その事柄について話す必要はない
  • 一言も言及がない
    一言もその事柄について話さない

例文を見てみましょう。

例文
  1. 論文発表会では、もう少し自分の考えについて言及するとよい。
  2. 今回のサミットで、大臣は環境問題についても言及した。
  3. 謝罪会見では、不貞行為があったかどうかについては言及しなかった。
  4. 私には、彼女がわざと自分の罪に言及しなかったように思える。
  5. 記者会見では、視聴者が知りたいであろうことを言及すべきだ。
  6. 弁護士に相談する前であるため、言及を避けたほうがよい。
  7. この場では、過去の失敗について言及する必要はない。
  8. 会見では、会社の抱えていた負債について一言も言及がなかっため、株主たちは納得しないだろう。

「言及」の敬語表現

言及を敬語にする場合には、以下のような表現にします。

  • 言及される
  • 言及なさる

「される」「なさる」は、「する」の尊敬語であるため、目上の相手に対して使うことができます。

例文を見てみましょう。

例文
  1. 首相は、次の選挙についても言及された。
  2. 社長自ら今後の経営について言及なさった。

「言及」を使う時の注意点

言及を使う時は、以下の点に注意しましょう。

  1. 書いてあることにも使う
  2. 多用しない
  3. 人を傷つけない

それぞれ見ていきましょう。

注意点①書いてあることにも使う

言及は、実際に口で言うだけではなく、文章の中に書いてあることに対しても使います

例文
  • 雑誌の記事では、彼の過去にまで言及していた。
  • もっと彼女の心理に言及した文章を書いてほしい。

文章の中に書いてあることを、書及とはいいません。

書及という熟語は存在せず、「書き及ぶ」と表現します。

「書き及ぶ」は以下のような意味であるため、言及と混同しないように注意しましょう。

およ

  1. その物事について、文章の中で触れる
  2. 絵や文章で十分に表現する

注意点②多用しない

言及は、日常会話で多用することは避けたほうが無難です

なぜなら、ビジネスシーンなどの改まった場面で使うことが多いため、日常会話で使うと堅苦しくなるからです。

また、意味を正しく理解している人が少ないため、正しく伝わらないこともあります。

注意点③人を傷つけないように使う

人に対して言及をする時には、相手を傷つけないように注意しましょう

言及することは、きつい印象を与えてしまうことがあるため、慎重に言葉を選びましょう。

特に、不祥事やトラブルなどについて言及する時には、より一層気をつけて使いましょう。

「言及」の類義語

言及には以下のような類義語があります。

  • 言う
    言葉を口に出す
  • 述べる
    思うことを言葉にして表現する
  • ~について話す
  • ~についてコメントする
  • 論及(ろんきゅう)
    ある事柄にまで言い及ぶこと
  • 議題にする
    物事を論じる対象として出すこと
  • 話題にする
    物事を論じる対象として出すこと
  • 話題に触れる
    物事を論じる対象として出すこと
  • 取り上げる
    物事を論じる対象として出すこと
  • 話題に上(のぼ)る
    人々のうわさの対象となること
  • 話に上(のぼ)らせる
    それについて話をすること
  • 論点とする
    それについて話をすること
  • 題材にする
    それについて話をすること
  • 話に触れる
    それについて話をすること
  • 話のネタにする
    「それについて話をすること」のくだけた表現
  • まな板に載(の)せる/俎上(そじょう)に載せる
    議論などの対象として取り上げる
  • 暗示
    それとなく知らせること

「言及」と「言う」の違い

「言及」と「言う」は以下のような違いがあります。

  • 言及
    特定の事柄について話す
    (口頭または文章で)
  • 言う
    単に何かを口に出す
    (口頭のみで)

「言及」と「言う」は、「何をどのような手段で言うか」が異なります

「言及」は、その事柄を口に出したり、文章に書いたりすることを表します。

一方、「言う」は、口から音を発することを表すため、事柄を話すだけでなく、単に「あー」などと発する場合にも使います。

ただし、「言う」は文章では使えません。

「言及」と「論及」の違い

言及と論及は以下のような違いがあります。

言及論及
意味その事柄を詳しく話す
その事柄を少し話す
その事柄を詳しく話す

言及と論及は、「その事柄についてどのくらい話すか」が異なります

言及は、その事柄について、詳しく話すことと、少しだけ話すことを表します。

一方、論及は、その事柄について詳しく話すことを表します。

論及は、自分の意見を言う場合などに使います。

「言及」と「触れる」の違い

「言及」と「触れる」は以下のような違いがあります。

言及触れる
意味その事柄を詳しく話す
その事柄を少し話す
その事柄を少し話す
表現言及する話題に触れる
話に触れる
核心に触れる

「言及」と「触れる」は、「その事柄についてどのくらい話すか」が異なります

「言及」は、その事柄について、詳しく話すことと、少しだけ話すことを表します。

一方、「触れる」は、その事柄について少しだけ話すことを表します。

「言及」と「暗示」の違い

言及と暗示は以下のような違いがあります。

  • 言及
    はっきりと口に出す
  • 暗示
    口には出さず、手がかりを与える

言及と暗示は、「はっきりと口に出すかどうか」が異なります

言及は、相手にわかるようにはっきりと話すことを表します。

一方、暗示は、口には出さず、態度などで相手にわかるように伝えることを表します。

「言及」の対義語

言及には以下のような対義語があります。

  • 未言及
    ある事柄についてまだ話が広がっていないこと
  • ノーコメント
    会見や取材などで、ある事柄について言わないこと
  • コメントしない
    物事に関する自分の意見などをあえて言わないこと
  • 発言しない
    物事に関する自分の意見などをあえて言わないこと
  • 発言を慎む
    物事に関する自分の意見などをあえて言わないこと
  • 自粛(じしゅく)する
    自らすすんで行動や態度をしないように気をつけること
  • 差し控える
    程度などを少なめにすること
  • 口を閉ざす
    黙って何も言わないこと

「言及」の英語訳

言及を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • refer to〜
    (〜について言い及ぶ)
  • reference
    (言い及ぶこと)
  • mention
    (簡単に述べる)
  • speak to〜
    (〜に関して話す)
  • allude to〜
    (〜に関して話す)

補足:自己言及のパラドックスとは

言及がつく語に、自己言及のパラドックスがあります。

自己言及のパラドックスとは、「この文は嘘である」という構造の文を、自分自身について言い及ぶと生まれる矛盾のことです

具体的な例を見てみましょう。

自己言及のパラドックスの例
Aさんが「私は嘘つきだ」と言ったとします。

もしAさんが嘘つきの場合、「私は嘘つきだ」という発言が嘘ということになるため、嘘つきであるはずのAさんが、「私は正直者だ」と言っているという矛盾が生まれます。

一方、Aさんが正直者の場合、「私は嘘つきだ」という発言が正しいことになるため、正直者であるはずのAさんが、「自分は嘘つき」と言っているという矛盾が生まれます。

つまり、どちらに仮定しても、前提と結論が食い違ってしまうのです。

自己言及とパラドックスは、それぞれ以下のような意味があります。

  • 自己言及
    その発言をしている人が、自分自身について言い及ぶこと
  • パラドックス
    一見正しいと思われるが、実は矛盾する事柄

つまり、自己言及のパラドックスは、「その発言をしている人が、自分自身についてある事柄を言うと生まれる矛盾」を表します。

「パラドックス」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

「言及」のまとめ

以上、この記事では言及について解説しました。

読み方言及(げんきゅう)
意味その事柄まで話す
類義語言う
述べる
~について話す など
対義語未言及
ノーコメント
コメントしない など
英語訳refer to〜(〜について言い及ぶ)
reference(言い及ぶこと)
mention(簡単に述べる) など

言及は、会見などでよく使います。

今、何について言及すべきかを考えながら会話できるとよいですね。