今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ゲラ」です。
「ゲラ」の意味・使い方・語源についてわかりやすく解説します。
☆「ゲラ」をざっくり言うと……
英語表記 | ゲラ(galley) |
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意味 | 印刷所で刷られる試し刷り、笑い上戸な人 |
語源 | 英語の “galley” |
「ゲラ」の意味をスッキリ理解!
「ゲラ」の意味を詳しく
「ゲラ」は、「印刷所で刷られる試し刷り」「笑い上戸な人」を意味します。
以下でそれぞれの意味について詳しく解説します。
「印刷所で刷られる試し刷り」という意味について詳しく解説
出版に携わる界隈で、「ゲラ」は「印刷所で刷られる試し刷り」という意味で使われます。
書籍などの印刷物は、完成するまでに何度もチェックする必要があります。「ゲラ」は、その中のひとつである校正を行うために試し刷りされたものを指します。
校正とは、出版する原稿がまとまった後に、書籍などの印刷物の形として商品化する前の最終チェックのことです。校正の過程を以下にまとめました。
- 初校:「ゲラ」と原稿を突き合わせ、誤植のチェックを行う。「ゲラ」だけを読み、不自然な箇所がないか確認する。また、レイアウトやデザインのチェックも行う。
- 再校:初校の修正を反映した「ゲラ」と元の「ゲラ」を突き合わせて、初校の修正が確実に反映されているかの確認をする。
- 三校:再校の修正を反映した「ゲラ」と再校の「ゲラ」を突き合わせて、再校の修正が確実に反映されているかの確認をする。四校、五校と続く場合もある。
- 著者校:ひと通り校正し終わった後の「ゲラ」を、著者自身が確認する。著者の意図から外れて修正されてしまった箇所を復元する場合もある。
- 色校正、青焼き:印刷物を製品化する際に使う印刷機を用いて「ゲラ」を印刷し、色合いを確認する。
- 校了:校正の責任者が最終チェックを行う。このチェックが終われば、校正完了となる。
何度も「ゲラ」が刷られており、校正において重要な働きをしていることがわかります。
「笑い上戸な人」という意味について詳しく解説
人の特徴や性格を表す際に、「ゲラ」は「笑い上戸な人」という意味で使われます。
大声で笑う様子を「ゲラゲラ」という擬音で表現することがあり、その略として「ゲラ」が使われるようになりました。
「ゲラ」の使い方
- 赤を入れてもらったゲラを失くしてしまった。
- 私はゲラだから、笑ってても気にしないでね。
- 何度もゲラ刷りの確認をお願いしてしまって申し訳ないけど、明日までによろしく。
- 笑う演技が苦手なため、ゲラの役はなるべくなら演じたくない。
上の例文のように、「ゲラ」は印刷業界や演劇界隈で使われることが多いでしょう。
①の「ゲラ」は「印刷所で刷られる試し刷り」を指します。「ゲラ」に修正を入れることを、「赤を入れる」と表現する場合があります。
②は「笑い上戸な人」という意味で「ゲラ」が使われています。人の特徴や性格を表します。
③の「ゲラ」は「ゲラ刷り」と表現されることがあります。意味は同じで、「印刷所で刷られる試し刷り」を指します。
④の「ゲラ」は、演劇用語として「すぐに笑う人」という意味で用いられています。
「ゲラ」の語源
「印刷所で刷られる試し刷り」の語源
「印刷所で刷られる試し刷り」を意味する「ゲラ」の語源は、英語の “galley” です。
かつて活版印刷を行っている時代に使われた活字を並べる木製の箱を、「ガリー(galley)船」に似ていたことから「ゲラ」と呼んでいました。それが転じて、印刷されたもの自体を「ゲラ」と呼ぶようになりました。
現在では特に、誤植をチェックするために刷られたものを指します。
「笑い上戸な人」の語源
「笑い上戸な人」を意味する「ゲラ」は、演劇用語として、「すぐに笑う人」という意味で使われていました。
また、関西エリアでも以前から「笑い上戸な人」として使われていました。どちらが先に広まったのかは不明です。
まとめ
以上、この記事では「ゲラ」について解説しました。
英語表記 | ゲラ(galley) |
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意味 | 印刷所で刷られる試し刷り、笑い上戸な人 |
語源 | 英語の “galley” |
「ゲラ」は二つの異なる意味を持つ言葉です。使われる場面からどちらの意味かを推測しましょう。