今回ご紹介する言葉は、熟語の「刹那的」です。
言葉の意味・仏教における「刹那」の意味・間違った使い方・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「刹那的」をざっくり言うと……
読み方 | 刹那的(せつなてき) |
---|---|
意味 | 時間がとても短いようす・将来を考えず瞬間的な充実感を大切にするようす・目の前の快楽を求めるようす |
語源 | サンスクリット語のクシャナ(ksana)を音訳した言葉 |
類義語 | 快楽主義的、享楽的、瞬間的 |
対義語 | 永劫的、禁欲的 |
英語訳 | “ephemeral” (刹那的・短命であるようす) “moment” (刹那・一瞬) |
このページの目次
「刹那的」の意味をスッキリ理解!
「刹那的」の意味を詳しく
「刹那的」とは、「時間がとても短いようす・将来を考えず瞬間的な充実感を大切にするようす・目の前の快楽を求めるようす」のことです。
「刹那」は、もともと以下のような意味で使われていました。
- とても短い時間
- 一瞬
- 瞬間
とにかく「短い時間」を表す言葉だったことがわかります。
ここから派生して、「短い瞬間を生きる」という意味が生まれました。これを、良い意味で捉えると「一瞬一瞬を大切にして生きる」となりますし、悪い意味で捉えると「目の前の快楽しか考えずに生きる」という意味になります。
仏教における「刹那」の意味
仏教にも「刹那」という考えがあります。「刹那」とは、仏教において時間の最小単位を表す言葉です。
具体的な長さには以下のように諸説あります。
- 指をひと弾きする間に65刹那
- 75分の1秒
このほかにも、具体的な時間の設定を否定している仏教の宗派もあります。
仏教では、「刹那という短い時間を大切に生きなさい」という教えがあります。
間違った意味
「刹那的」は以下のような意味で使われることがあります。
- 寂しく生きること
- むなしく生きること
しかし、「刹那的」に「さみしい」「悲しい」などの意味はなく、上の使い方は誤用なので注意しましょう。
また、「はかない」という意味で使われることもありますが、こちらは必ずしも間違っているとは言えません。
「短い時間」という意味を「わずかな時間しか生きられない・美しくいられない」などの意味でとらえる場合があるのです。
この場合には「はかない」という意味も含まれるでしょう。
「刹那的」の使い方
- この1年間刹那的に人生を生きてきた。
- セミは1週間しか生きられないなんて、刹那的だね。
- 刹那的な生き方を続けていたら、幸せにはなれないよ。
「刹那的」の語源
「刹那」は、サンスクリット語のクシャナ(ksana)を音訳した言葉です。音訳とは、外国語の音に漢字を当てて表すことです。
つまり、「刹那」という漢字は、「クシャナ」の発音に近い音を当て字にしたものなのです。
「クシャナ」と「刹那」の意味は同じです。
「刹那的」の類義語
「刹那的」には以下のような類義語があります。
- 快楽主義的:善や倫理・義務などよりも快楽を優先的に追究するあり方
- 享楽的(きょうらくてき): 快楽を好む傾向にあるさま
- 瞬間的:ほんの一瞬であるさま
「刹那的」の対義語
「刹那的」には以下のような対義語があります。
- 永劫的(えいごうてき):未来に続く果てしなく長い年月・非常に長い時間であるさま
- 禁欲的:欲望を抑え、理性や信仰によって生活しようとするさま
- ストイック:自分に厳しい様子
「刹那的」の英語訳
「刹那的」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- ephemeral
(刹那的・短命であるようす) - moment
(刹那・一瞬)
まとめ
以上、この記事では「刹那的」について解説しました。
読み方 | 刹那的(せつなてき) |
---|---|
意味 | 時間がとても短いようす・将来を考えず瞬間的な充実感を大切にするようす・目の前の快楽を求めるようす |
語源 | サンスクリット語のクシャナ(ksana)を音訳した言葉 |
類義語 | 快楽主義的、享楽的、瞬間的 |
対義語 | 永劫的、禁欲的 |
英語訳 | “ephemeral” (刹那的・短命であるようす) “moment” (刹那・一瞬) |
小説などでもよく使われる表現なので、この機会に使いこなせるようにしておきましょう。