心理学用語「エンハンシング効果」とは?意味と具体例を解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「エンハンシング効果(えんはんしんぐ効果)」です。

言葉の意味、具体例、由来、英語訳、反対語についてわかりやすく解説します。

 

☆「エンハンシング効果」をざっくり言うと……

読み方エンハンシング効果(えんはんしんぐこうか)
意味賞賛の言葉を相手にかけることで、相手のやる気を高める心理現象
由来「高める」という意味の英単語 “enhance” から
英語訳Enhancing effect(エンハンシング効果)
反対語アンダーマイニング効果

「エンハンシング効果」の意味をスッキリ理解!

エンハンシング効果(えんはんしんぐこうか)賞賛の言葉を相手にかけることで、相手のやる気を高める心理現象

 

「エンハンシング効果」の意味を詳しく

「エンハンシング効果」とは、わかりやすく言うと賞賛の言葉を相手にかけることで、相手のやる気を高める心理現象です。

学術的にはもう少し広い意味を持ち、「外発的動機づけによって内発的動機づけを高めること」と言います。

 

「外発的動機づけ」とは、報酬を与えることで、「行動をしたい」と思わせることです。

具体的には「賞賛されたい」「ご褒美が欲しい」などの気持ちのことです。

また、「嫌な結果を避けるために行動したい」と思う気持ちも「外発的動機づけ」です。

「怒られたくない」「批判されたくない」などの気持ちのことです。

 

一方で「内発的動機づけ」とは、周りからの物質的な見返りなどがなにもなくても、その行動自体が「やりたい」という動機を与えることです。

行動自体から得られる満足感や快感が動機になることです。たとえば、仕事そのものに達成感を感じて頑張ったり、ボランティア活動そのものに満足感を覚えて参加したりすることなどです。

 

つまり、「外発的動機づけによって内発的動機づけを高めること」とは、「人をほめること(外発的動機づけ)によって本人のやる気(内発的動機づけ)を高める」という意味です。

「エンハンシング効果」の具体例

たとえば、サラリーマンが「このプロジェクトを成功させれば昇進できるぞ」と言われ、自らの評価をあげたり、昇進したりするためにプロジェクトに取り組んでいたとします。

しかし、彼はプロジェクトを進めるうちに、プロジェクトを遂行すること自体を成し遂げる楽しさや、仲間と一緒に仕事に打ち込む楽しさに夢中になっていきました。

「プロジェクトによる報酬」を目的に行っていたものが、「プロジェクトを遂行すること」自体に価値を見出すようになったのです。これも「エンハンシング効果」の一種です。

「エンハンシング効果」の由来

「エンハンシング効果」の名前は “enhance” という英単語から来ています。

“enhance”は「高める」「強化する」という意味で、それを名詞にしたものが “enhancing” です。

本人のやる気を「高める」という意味からこの名前になりました。

「エンハンシング効果」の英語訳

「エンハンシング効果」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Enhancing effect
    (エンハンシング効果)

「エンハンシング効果」の反対語

「エンハンシング効果」の反対語は「アンダーマイニング効果」です。

「アンダーマイニング効果」とは、自発的に行っていた行為に対して、報酬を提示することでやる気が損なわれてしまう現象のことです。

内発的動機づけによって、自発的にやる気になっていた行為に対し、褒めたり報酬・褒美を与えたりという外発的動機づけを行うことによって、元々あったやる気がなくなってしまう現象です。

まとめ

以上、この記事では「エンハンシング効果」について解説しました。

読み方エンハンシング効果(えんはんしんぐこうか)
意味賞賛の言葉を相手にかけることで、相手のやる気を高める心理現象
由来「高める」という意味の英単語 “enhance” から
英語訳Enhancing effect(エンハンシング効果)
反対語アンダーマイニング効果

「エンハンシング効果」は仕事や勉強などに深く関わる心理現象です。意味や反対語などをしっかりと理解しておきましょう。