今回ご紹介する言葉は、熟語の「収束」です。
言葉の意味・数学的な意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「収束」をざっくり言うと……
読み方 | 収束(しゅうそく) |
---|---|
意味 | 分裂していたものや混乱していたことに、一旦おさまりがついて落ち着くこと |
数学的な意味 | ある値に限りなく近づくこと |
語源 | 「まとまること」という意味の漢字から |
類義語 | 終息 |
対義語 | 発散 |
英語訳 | convergence(収束) |
このページの目次
「収束」の意味をスッキリ理解!
「収束」の意味を詳しく
「収束」とは、分裂していたものや混乱していたことに、一旦おさまりがついて落ち着くことです。
混乱していた事態や、あわただしかった状態が、とりあえず落ち着いた状態のことを表す言葉です。
「また、分裂して複雑に分かれていた事態が、ひとつにまとまること」を指す場合もあります。
何かの事態について言うときや、数学的な事象について言うときにも使われます。
数学的な「収束」の意味
「収束」は、数学において使われるときは「数列や値がある値に限りなく近づくこと」という意味で使われます。
たとえば、0.9999999…という数字があります。…のあとにも9が無限に続く数字です。
この場合「この数字は1に収束している」と表現できます。1に限りなく近い値ですが、どれだけ続いても決して1になることはありません。
「収束」の使い方
- 事態の収束は君に任せるよ。
- グラフからわかるように、これは0に向けて収束しているのです。
➊の「収束」は「事態が落ち着くこと」という意味で使われています。
➋の「収束」は、数学的な意味で「ある値に限りなく近づくこと」という意味で使われています。
「収束」の語源
「収」は「取りまとめる」「まとまること」を意味します。「束」は「引き締めて一つにまとめる」という意味の漢字です。
同じ意味の漢字をふたつ重ねてできた熟語です。
「収束」の類義語
「収束」には以下のような類義語があります。
- 終息:混乱がやむこと・ものごとが終わること
「収束」の類義語に「終息」があります。意味も似ていますし、読み方も同じなので混同して使われることが非常に多いです。
ふたつの言葉の違いを見ていきましょう。
「収束」と「終息」の違い
「終息」の意味は「事が終わって、おさまること」です。物事がすっかり終わること・事態が完全に終わることを意味します。
それに対して、「収束」は、「混乱していた事態や、あわただしかった状態が、とりあえず落ち着いた状態」です。「とりあえず」「一旦」という部分が重要です。
「終息」が完全に終わることを指すのに対して、「収束」は、「完全ではないが、ある程度まで落ち着くこと」「一時的にでも事態が終わること」という意味で使われます。
「収束」と「終息」の使い分け
最近、コロナウイルスの感染拡大に伴って「事態のしゅうそくがいつになるのか予測できない」などのセリフがよく使われています。
この場合は「収束」と「終息」のどちらを使えばいいのでしょうか。これは、そのセリフの中で何を示したいのかによって使い分けができます。
「コロナウイルスが収束した」という文章は以下の状態を表します。
- コロナウイルスの新規感染が非常に少ない
- 治療法は無いがウイルスの感染を管理できている
一方で「コロナウイルスが終息した」とは以下の状態を表します。
- コロナウイルスの新規感染が完全になくなった
- コロナウイルスのワクチンが開発されて治療法が確立した
つまり、完全にコロナウイルスの封じ込めや対策ができた状態を「終息」、そうではないがある程度の落ち着きが見られる段階を「収束」と表現します。
「収束」の対義語
「収束」には以下のような対義語があります。
- 発散:外に出てちりぢりになること
「収束」の英語訳
「収束」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- convergence
(訳)
まとめ
以上、この記事では「収束」について解説しました。
読み方 | 収束(しゅうそく) |
---|---|
意味 | 分裂していたものや混乱していたことに、一旦おさまりがついて落ち着くこと |
数学的な意味 | ある値に限りなく近づくこと |
語源 | 「まとまること」という意味の漢字から |
類義語 | 終息 |
対義語 | 発散 |
英語訳 | convergence(収束) |
類義語との違いをしっかりと抑えましょう。