今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「カニバル」です。
「カニバル」の意味・使い方・語源・類義語についてわかりやすく解説します。
☆「カニバル」をざっくり言うと……
英語表記 | カニバル(canibal) |
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意味 | 共食い、人肉を食べる |
語源 | 英語のcanibal |
類義語 | アントロポファジー、レッドオーシャンなど |
「カニバル」の意味をスッキリ理解!
「カニバル」の意味を詳しく
「カニバル」は「共食い」「人肉を食べる」という意味のカタカナ語です。「カニバリ」と表記することもあり、「カニバリゼーション」の略語が「カニバル」です。「共食い」の意味で使うことが多いです。
たとえば、駅前に飲食店を出すとします。
駅前には他に飲食店がたくさんあるのが普通です。さらに山手線など東京の都心ではなければ、出店しようとする駅を利用する人口は限られています。つまり、飲食店を利用する最大の人数も限られているわけです。
そうした、ある程度飲食店も立ち並んでいて人もそこそこの駅の周りに飲食店を新たに出店すると、他のお店の顧客と被ってしまいどちらの売り上げも減ってしまいます。これが共食いの状態で、「カニバル」と言います。
「カニバル」の使い方
- ここに出店しまうと業界全体でカニバル状態になるだろう。
- 新規参入はカニバルを招いてしまう。
- カニバルに関する映画と小説に興味がある。
「カニバル」を使用するのは、ほとんどビジネスに関する時です。意味も「競合と共倒れする」で使います。
①と②の例文はビジネスに関してです。①の例文は「意味を詳しく」の項で見た「カニバル」の具体例と同じ状況です。また、②のように「新規参入」という単語と一緒に使います。
「新規参入」とは、2000年代にニュースなどでよく使われた単語で「新しい業界などに新たに加わる」という意味です。
③の例文は芸術に関する例文です。実際に「カニバル」を題材にした作品はありますが、ここで言う「カニバル」は「人食い」を指します。「人食い」をテーマにした映画や小説のことをさしています。
「カニバル」の語源
「カニバル」の語源はスペイン語のcanibalです。
なぜ、スペイン語なのかは歴史を考えると分かります。canibalのcanibは「カリブ族」の意味で16世紀頃のスペイン人の間ではカリブ族は人肉を食べると信じられていました。そこからできた単語です。
ちなみに当時はキリスト教の影響が強い時代で、人肉を食べることは倫理観に背いていました。そのため、canibalには「野蛮な食文化」、「食人嗜好」という軽蔑の意味も込められています。
英語でもcanibalという単語は存在して、「食人鬼」「共食いする動物」という意味で使われています。
一方で似た言葉にcarnivalがあります。日本語では「カーニバル」と言います。「謝肉祭」という意味ですが、これは語源が違って中世のラテン語のcarnelevariumからできています。
「カニバル」の類義語
「カニバル」には以下のような類義語があります。
アントロポファジー
「アントロポファジー」は「食人」「人の肉を食べる習慣」という意味のカタカナ語です。実際にアステカ帝国、古代中国にはこうした文化が存在していました。この食文化に「忠義を表現する」という意味合いもありました。
しかしながら、「アントロポファジー」でHIVや脳の疾患であるプリオン病といった難病を発症することもあります。
レッドオーシャン
「レッドオーシャン」とは「激しい競争が行われている市場」という意味のカタカナ語です。多くの競合がいて、参入しても利益が見込めない市場を指します。
たとえば、航空会社はたくさんの航空会社が参入していて価格競争が激しいです。利益が出ずに倒産してしまう会社もたくさんあります。
まとめ
以上、この記事では「カニバル」について解説しました。
英語表記 | カニバル(canibal) |
---|---|
意味 | 共食い、人肉を食べる |
語源 | 英語のcanibal |
類義語 | アントロポファジー、レッドオーシャンなど |
「カニバル」は日常生活でもよく使う単語です。やはり、意味が分からないと困る時もあります。
ぜひ、この記事を参考にして「カニバル」の意味や使い方を覚えましょう。