ブレイクスルーの意味とは?英語訳やコロナとの関連性も紹介!

言葉

ブレイクスルーとは「従来にない方法で障害を突破する」という意味です。

スポーツ用語やビジネス用語で有名な単語であるため、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

また、新型コロナウイルス感染症が流行する中、「ブレイクスルー感染」という言葉の意味が気になる方も多いでしょう。

この記事では、ブレイクスルーの意味や使い方、英語訳に加え、ブレイクスルー感染などの関連語についても解説していきます。

「ブレイクスルー」の意味

ブレイクスルー

従来にない方法で障害を突破する

例:この技術はきっと環境問題にブレイクスルーを起こす。

ブレイクスルーとは、「従来にない方法で障害を突破する」ということです。

ポイントは「従来にない方法で」という点です。

ブレイクスルーには、かなり革新的な方法であるというニュアンスが含まれています。

ブレイクスルーは、以下の2つの単語で構成されています。

  • ブレイク(break)
    破壊する
  • スルー(through)
    通り抜ける
この2つが合わさって、「(壁や課題を、革新的なやり方で)壊して通り抜ける」という意味になりました。

他にも、ブレイクスルーは場面ごとによって以下のような意味になります。

  • 行き詰まりの打開
  • 科学技術などの飛躍的進歩
  • 物価の急騰
いずれも、「今の状況を思い切り壊す」というイメージです。

「ブレイクスルー」の使い方

ブレイクスルーには、以下のことがらについてよく使われます。

  1. ビジネスや計画
  2. 科学技術
  3. スポーツや歌などの技術
それぞれ、詳しく見ていきましょう。

使い方①:ビジネスや計画について使う

1つめの使い方は、「ビジネスや計画について使う」です。

ブレイクスルーは、革新的なビジネスや、閉塞的(へいそくてき)な状況を打ち破るアイデアを形容する言葉としてよく使われます。

例文は以下の通りです。

  • コロナ禍で困窮した我がホテルのブレイクスルーは、デイユースのサービスをいち早く始めたことだ。
  • まさかこんなブレイクスルーを、落ちこぼれの彼が起こすなんて。
  • ブレイクスルーよりも大事なことは、そもそも閉塞的状態に陥らないことだ。

ビジネスで「ブレイクスルー」を起こした事例

実際にビジネスでブレイクスルーがあった企業として有名なのは、コクヨとベネトンです。それぞれのエピソードを紹介して行きます。

コクヨ
文具会社であるコクヨは、自社製品を中国で販売しようとしたときに日中関係が悪化し、中国国内で不買運動が起きました。

そのブレイクスルーとして、明らかに自社製品を模倣している中国企業の製品を、コクヨは自社で生産しました。

結果、コクヨの製品は中国でも販売実績を大きく伸ばしました。

ベネトン
ベネトンはアパレルメーカーです。衣服はシーズンごとに色や形や素材の流行が異なるため需要が変動しやすく、生産上の無駄を抱えていました。

そのブレイクスルーとして、ベネトンは、布への染色を工程の最後に回しました。

そのことで、同じ布をさまざまな商品に使うことができ、需要に応じて無駄なく供給を行うことができるようになりました。

このように、これまでの常識からはかけ離れた発想で状況を打開することを「ブレイクスルー」と言います。

使い方②:科学技術について使う

2つめの使い方は、「科学技術について使う」です。

技術の進歩でも、状況や社会に大きな変化がもたらされることがあります。

身近なところではiPS細胞やAIの開発などはブレイクスルーと言えます。大きいところだと、18世紀半ばの産業革命などもブレイクスルーと呼べるでしょう。

例文は以下の通りです。

  • このブレイクスルーで一体何人の人が救えることだろう。
  • 現状の技術ではそれは無理だ、技術的なブレイクスルーを待つしかない。
  • 環境問題の解決には個々人の考え方の変革はもちろん、技術面でのブレイクスルーも欠かせない。

使い方③:スポーツや歌などの技術について使う

3つめの使い方は、「スポーツや歌などの技術について使う」です。

あるスポーツチームが突然うまくなったり、ある歌手がある日を境に一気に魅力的になったりすることをブレイクスルーと呼びます。

特にスポーツではよく使われるため、ブレイクスルーという言葉をスポーツ用語だと思っている方もいるかもしれません。

しかし、上記で紹介しているように、実際にはスポーツ以外にもビジネスや科学の分野でも使うため気をつけましょう。

 

例文は以下の通りです。

  • 今の侍ジャパンにはブレイクスルーが必要だ。
  • 一度負けたことが、どうやらブレイクスルーにつながったらしい。
  • 若さだけが売りの歌手だと思っていたが、この前のアルバムで見事なブレイクスルーを起こして複雑な魅力を醸し出すようになった。

「ブレイクスルー」の語源/英語訳

ブレイクスルーの語源は英語の “breakthroughです。

英語でも、一語で “breakthrough” と書きます。

意味はほぼカタカナ語の「ブレイクスルー」と同じで、以下の2つの単語で構成されています。

  • break
    破壊する
  • through
    通り抜ける

例文は以下の通りです。

  • You’ve had a breakthrough.
    (あなた、一皮むけたわね。)
  • This was the breakthrough for them.
    (彼らにとってのブレイクスルーはこの出来事だった。)
なお、英語の場合、ブレイクスルーをそのまま動詞として使うこともあります。

その場合はbreak throughと二語に分けて書かれ、またbreakも時制によって変化します。

例文は以下のとおりです。

Surprisingly, they broke through during the concert.
(なんとコンサートの最中に、彼らは革新的にうまくなった。)

「ブレイクスルー」の類義語

ブレイクスルーには以下のような類義語があります。

ブレイクスルーとイノベーションは意味としては似ていますが、ニュアンスが若干異なります。

ブレイクスルーとイノベーションの違いは、以下の通りです。

  • ブレイクスルー
    現状を打開することに重きが置かれている
  • イノベーション
    新しいアイデアであることに重きが置かれている
つまり、ある出来事がイノベーションでありブレイクスルーである場合も多くあるのです。

しかし、必ずしもイノベーションが起きなくてもブレイクスルーになる場合や、イノベーションではあってもブレイクスルーではない場合もあります。

「ブレイクスルー」の複合語

ブレイクスルーには以下のような複合語があります。

  • ブレイクスルー思考
    現状を打破しようとする考え
  • 技術的ブレイクスルー
    技術革新
  • ブレイクスルーポイント
    ブレイクスルーが起こる瞬間のこと
  • ブレイクスルー感染
    ワクチンを接種した患者が、同じ病気に感染すること
  • ブレイクスルー感染症
    抗真菌薬の投与中に、新たに真菌感染症に感染すること

次の項では、新型コロナウイルスで話題となった「ブレイクスルー感染」について、より詳しく説明します。

「ブレイクスルー感染」の意味


ブレイクスルー感染とは、「ワクチンを接種した患者が、同じ病気に感染すること」です。

新型コロナウイルスでは、主に「2回目のワクチン接種を受けてから2週間が経過した後、新型コロナウイルスに感染すること」を指します。

 

特にデルタ株が主流になって以降、ブレイクスルー感染が増えています。オミクロン株の感染力も強いのではないかと言われているため、こちらもブレイクスルー感染の恐れがあります。

ワクチンは100%感染を防ぐものではなく、ある程度感染を防ぎつつ感染後の重症化も防ぐことが目的のものであるため、ブレイクスルー感染自体はどのワクチンでも起こり得ます。

ブレイクスルー感染は起きるものであるということを念頭に置いておきましょう。

「ブレイクスルー」の4タイプ

ブレイクスルーには4つのタイプがあります。以下の通りです。

  • タイプ0
    既存の技術の改善や改良であり、ブレイクスルーには至らない
  • タイプ1
    既存の研究の掘り下げによってブレイクスルーが生まれる
  • タイプ2
    既存の技術を見つめ直すことによりブレイクスルーが生まれる
  • タイプ3
    タイプ1とタイプ2の組み合わせによりブレイクスルーが生まれる
それぞれ詳しく説明していきます。

「タイプ0」について

タイプ0の特徴は「既存の技術の改善や改良」です。

こちらはブレイクスルーのタイプというよりも「ブレイクスルーではないもの」として、タイプ0と名付けられています。

既存の品物の改善や改良によって商品開発を行うため、ゆっくりとした進歩は生まれますが、何か壁がある場合にどれを打開する強い策にはならないのがこのタイプです。

「タイプ1」について

タイプ1の特徴は「既存の研究の掘り下げ」です。

既存の商品の改善や改良を行うだけではなく、技術そのものの研究を行うことでブレイクスルーを起こすのがこのタイプです。

「ブレイクスルーのイノベーション理論」を提唱している山口栄一教授は、タイプ1を「創発」と呼んでいます。

「タイプ2」について

タイプ2の特徴は「既存の技術を見つめ直すこと」です。

タイプ1を行うには莫大なお金や人員が必要であるため、特に中小企業を中心とした民間企業が重視するのはこのタイプ2です。

既存の技術を新しい市場と組み合わせてみることや、流通を見直して革新的な価格で既存の商品を提供することなどがタイプ2に該当します。

こちらは「回遊」とも呼ばれています。

「タイプ3」について

タイプ3の特徴は「タイプ1とタイプ2の組み合わせ」です。

研究を重ねて新しい技術を生み出しながら、既存の技術や市場ともうまく組み合わせて研究成果を発揮するというのがタイプ3です。

これが成功すると、ブレイクスルーとともに強力なイノベーションが行われることが多いです。

こちらは「回遊的創発」と呼ばれています。

「非凡ブレイクスルー思考」の原理とフェーズ

ブレイクスルーを生み出すための方法として、「非凡ブレイクスルー思考」という思考方法が提唱されています。

これは3つの基礎原理と、4つのフェーズから成り立っています。それぞれ説明します。

「非凡ブレイクスルー思考」の3つの基礎原理

非凡ブレイクスルー思考は、以下の3つの基礎原理で成り立っています。

  1. 目的情報
    目的を達成するために必要とされる情報
  2. ユニーク
    独特であること
  3. システム
    全てのものはシステムであるという発想を持つこと
それぞれ詳しく見ていきましょう。

基礎原理①:目的情報

基礎原理の1つめは「目的情報」です。

目的情報とは、目的を達成するために必要とされる情報のことです。

ブレイクスルーを生み出すためには、解決策に必要な情報だけを集めることが大切です。

一度に見ている情報が多すぎると、本質的な部分を見落としたり考えが凝り固まったりして、ブレイクスルーから遠ざかるからです。

基礎原理②:ユニーク

基礎原理の2つめは「ユニーク」です。

ユニークとは、「独特」「唯一」などの意味を持つ言葉です。

ブレイクスルーを生み出すためには、独自性を意識的に作っていくことが大切です。

基礎原理③:システム

基礎原理の3つめは「システム」です。

このシステムという言葉が指し示す意味は、「全てのものはシステムであるという発想を持つこと」です。

物事を「運」「時代の流れ」「人の意思」などといったことでとらえるのではなく、システムの問題としてとらえ、より良いシステムを探すことで、ブレイクスルーが起きる可能性が高まります。

「非凡ブレイクスルー思考」の4つのフェーズ

非凡ブレイクスルー思考は、以下の4つのフェーズで成り立っています。

  1. 生解
    環境や市場などの変化に合わせて解決策を生み出すこと
  2. 目的
    物事を行うときに核となるもの
  3. 人間
    協力者を作り、ブレイクスルーを実現させていくこと
  4. 未来解
    解決策を未来につなげていくこと
こちらも概念としてイメージしておくと、ブレイクスルーを生み出したいときに自分が今何を必要としているのかを把握することができます。

「ブレイクスルー」のまとめ

以上、この記事ではブレイクスルーについて解説しました。

英語表記ブレイクスルー(breakthrough)
意味従来にない方法で障害を突破する
語源英語の “breakthrough”
類義語イノベーション
複合語←ブレイクスルー思考
技術的ブレイクスルー
ブレイクスルーポイント など

「ブレイクスルー感染」という言葉の意味も押さえておくと、日々のニュースの意味がわかりやすくなります。

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Rie
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日英バイリンガル東大生。 10年間小説を書き続けているため、文章力には自信があります。 いくつかの小説投稿サイトで掲載/連載している他、教育系NPOでもライターをしています。