ブルーオーシャンとは「競争のない市場・業界・分野」という意味です。
聞いたことはあっても、実際にどのような場面で利用するのか知らない人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、ブルーオーシャンの例文やビジネスでの使い方を解説します。
☆「ブルーオーシャン」をざっくり言うと……
英語表記 | ブルーオーシャン(blue ocean) |
---|---|
意味 | 競争のない市場・業界・分野 |
語源 | 人の手が加えられていない穏やかな青い海のイメージ |
類義語 | 隙間産業 未開拓市場 ホワイトオーシャン など |
対義語 | レッドオーシャン コモディティ化 既存市場 など |
ブルーオーシャン戦略 | ブルーオーシャンを発掘し、そこを開拓することで市場で優位な立場になること |
このページの目次
「ブルーオーシャン」の意味
競争のない市場・業界・分野
例:我々はブルーオーシャンを見つけなければいけない。
ブルーオーシャンは、「競争のない市場・業界・分野」という意味です。
経営学の用語で、競合が少ない未開拓市場のことを指します。
ブルーオーシャンの成功例
ブルーオーシャンで成功した代表的な企業をご紹介します。
ユニクロは、プチプラのファストファッションを生み出し、それまで高価なものとされていた衣類を低価格で販売して大成功しました。
Googleは「スマートフォン=iPhone」というイメージがあるなか、中国や韓国でデバイスを生産してコストダウンを狙うなどの手法でiPhoneと差別化を図りました。
メルカリは、オークション形式ではなくフリーマーケット形式を採用したプラットフォームを構築し、爆発的人気になりました。
シルク・ドゥ・ソレイユは、それまで子供をターゲットとしていたサーカス業界において「大人向けのサーカス」を創造しました。
カセラ・ワインズは、「ワイン=高級な飲み物」という意識が強かったなか、気軽に楽しめるワインを製造しました。
駅の構内に展開するQBハウスは、従来の「高くて時間がかかる」という理容室の概念をくつがえし、短時間かつ低価格で施術をするサービスで支持を得ました。
任天堂は、「子供だけでなく家族みんなで楽しむ」という新感覚のゲームをWiiという形で実現させました。
「ブルーオーシャン」の使い方
ブルーオーシャンは、以下のような言い回しで使うことが多いです。
- ブルーオーシャンを見つける
- ブルーオーシャンを探す
- ブルーオーシャンを築く
- ブルーオーシャンを開拓する
- ブルーオーシャンを創造する
実際の例文を見てみましょう。
- このチームの役割は、ブルーオーシャンを開拓することだ。
- 日常のあらゆるシーンに、ブルーオーシャンのヒントがある。
- ブルーオーシャンを探すことはそう簡単ではない。
ビジネスの場で用いられることが多いです。
「ブルーオーシャン」の語源
ブルーオーシャンは、フランスの大学院の教授であるW・チャン・キムとレネ・モボルニュが、『ブルー・オーシャン戦略』という共著の中で2005年に提唱したビジネス用語です。
血で血を洗う競争の激しい領域を表すレッドオーシャンの対義語として生まれました。
ビジネスの市場空間を「海(オーシャン)」に例え、人の手が加えられていない穏やかな青い海のイメージから、その市場空間の中で未だ開拓されていないエリアのことを指します。
「ブルーオーシャン」の類義語
ブルーオーシャンには以下のような類義語があります。
- 隙間産業
大企業が進出しない専門的で小規模の市場 - 未開拓市場
他の企業が参入していない市場 - ホワイトオーシャン
まだ誰も気づいていない市場 - ニッチ戦略
狭い市場を狙いに行くこと
「ホワイトオーシャン」の意味
ホワイトオーシャンは、「まだ誰も気づいていない市場」という意味です。
ブルーオーシャンは「ある程度の需要はあるけれど、供給する企業がいない」という意味合いが強いです。
一方でホワイトオーシャンは、「サービスを利用する側も需要に気づいていないような市場」です。
「ブルーオーシャン」と「隙間産業」の違い
隙間産業とブルーオーシャンは、「すでに開拓されている市場か否か」という点が異なります。
隙間産業とは、大企業が進出しない専門的で小規模の市場や、これまで注目されていなかった分野を指します。
「ニッチビジネス」や「ニッチ産業」とも呼ばれます。
ブルーオーシャンが未だ誰も開拓していない市場であることに対して、隙間産業はすでに認知はされてはいるものの、その専門性の高さや利益率の低さなどから誰も参入してこなかった市場を指します。
「ブルーオーシャン」の対義語
ブルーオーシャンには以下のような対義語があります。
- レッドオーシャン
競合企業同士が激しい価格競争を行う既存市場 - コモディティ化
商品やサービスが一般化すること - 既存市場
すでに競争が起こっている市場 - ブラックオーシャン
独占市場
「レッドオーシャン」の意味
レッドオーシャンは、競合企業や商品・サービスが乱立し、企業同士が価格競争などで顧客を奪い合う市場を指します。
レッドオーシャン戦略では、競合他社や競合サービスの分析、差別化などによって既存市場の中でさらなる売上の増加やシェアの拡大を目指します。
「コモディティ化」の意味
コモディティ化は、「商品やサービスが一般化すること」を指します。
コモディティとは、英語で日用品という意味の “commodity” のカタカナ語です。
市場に同じような商品やサービスが流通し、消費者にとっては「どこのメーカーも同じ」という状態です。
「この商品はすでにコモディティ化している」などと表現します。
「ブラックオーシャン」の意味
ブラックオーシャンは、独占市場の意味です。
ブラックは他の色を黒染めしてしまう色であるため、その比喩として使われています。
「ブルーオーシャン戦略」とは
ブルーオーシャン戦略とは、ブルーオーシャンを発掘し、そこを開拓することで市場で優位な立場になることを言います。
競合と閉じられた市場の中で顧客の奪い合いや価格競争を行うのではなく、競合性の低い市場を見つけることが生き残りのカギとなります。
しかし、ブルーオーシャンを見つけることが目的ではありません。
その市場を開拓し、そこで確固たる地位を確立するまでが重要です。
また、ブルーオーシャンがレッドオーシャンに変わる可能性もあります。
スピード感をもって自社独自のポジショニングを確立することが、企業の発展につながるのです。
「ブルーオーシャン戦略」の遂行
「ブルーオーシャン戦略」の遂行には、以下の2つの要素が必要です。
- コストの引き下げと付加価値の向上
- 戦略キャンパスの活用
ブルーオーシャン戦略を立てる上で重要なのは、「コストの引き下げと付加価値の向上」です。
コストをカットしつつ、より価値の高いものを提供することが大切です。
また、ブルーオーシャン発見の足掛かりは、既存市場がどのような価値の提供に重点を置いているのかを知ることです。
そこで使われるのが、顧客が感じる価値と顧客がその価値をどれだけ享受しているかを示す「戦略キャンパス」です。
戦略キャンパスを用いて既存市場の現状や他社の投資状況を把握し、「製品やサービスに備わっている要素で不要なものは何か」「業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か」などの切り口から市場を見直し、具体的な事業の展開方法を決定します。
「ブルーオーシャン」のまとめ
以上、この記事ではブルーオーシャンについて解説しました。
英語表記 | ブルーオーシャン(blue ocean) |
---|---|
意味 | 競争のない市場・業界・分野 |
語源 | 人の手が加えられていない穏やかな青い海のイメージ |
類義語 | 隙間産業 未開拓市場 ホワイトオーシャン など |
対義語 | レッドオーシャン コモディティ化 既存市場 など |
ブルーオーシャン戦略 | ブルーオーシャンを発掘し、そこを開拓することで市場で優位な立場になること |
用法を理解して、正しく使いましょう。