バーターの意味とは?英語の語源やバーター取引の意味も詳しく解説

言葉

バーターとは「交換すること・抱き合わせること」という意味です。

バーターは業界用語として耳にすることがあると思いますが、その他の分野でも使われることがあると知らない人も多いと思います。

この記事では、複数の分野に渡るバーターの意味を詳しく解説していきます。

☆「バーター」をざっくり言うと……

英語表記バーター(barter)
意味交換すること・抱き合わせること
語源英単語 “barter”
「束(たば)」を逆さから読んだこと
類義語交換条件
ギブアンドテイクなど

「バーター」の意味

バーター

交換すること・抱き合わせること
例:タレントをバーターとして出演させた。

バーターは「交換すること」や「抱き合わせること」を意味する言葉です。

物や行為、人などさまざまなものを代わりになるものと交換すること、物々交換することを表します。

また、よいものと悪いものをセットにすることを意味することもあります。

たとえば、商品などで売れ行きの良い人気商品と、人気のない商品をセットにして販売するのがバーターです。

「バーター」の分野ごとの意味


バーターは、以下のような分野で使われます。

  1. ビジネス
  2. 広告
  3. 芸能界

それぞれの分野ごとの意味を詳しく解説します。

分野➀:ビジネス

ビジネスにおけるバーターの広い意味は、サービスや商品を交換するという意味です。

商品だけでなく、形のないサービスや商談について使うことも可能です。

また、社内の人間に対して、「自分と相手の仕事内容を交換する」という意味で使われることもまれにあります。

分野➁:広告

バーターは広告業界で、広告費用の代わりにそれと同等の価値の商品を提供することを表します。

広告を出す枠や権利を購入するためには、多くの費用が必要になります。

その広告費を、金銭ではなく、同額の商品などで代用するのがバーターです。

分野➂:芸能界

芸能界におけるバーターは、芸能人と芸能人を抱き合わせて演出させることを表す言葉です。

たとえば、テレビ局から出演依頼のあったタレントAさんを出演させる代わりに、同じ事務所のBさんもセットで出演させることがあります。

この場合、BさんがAさんのバーターとして出演したことになります。

このような売り出し方を「バーター出演」と言います。

バーターになる芸能人の特徴

基本的には、事務所が売り出したいと考えている芸能人がバーターとして出演させられます。

事務所側がその人物を売り出していたと考えているものの、その人物自体にはまだ知名度がない場合に、人気な芸能人と抱き合わせて仕事を得るのです。

「バーター」の使い方


「物々交換」という意味のバーターは、「バーターする」という形で使われます。

「抱き合わせ」という意味のバーターは「AはBのバーターである」という形で使われます。

行為を表す言葉なのか、「抱き合わせたもの」を表す言葉なのかという違いがあるので注意が必要です。

  1. お互いの仕事をバーターしたほうが効率よく処理できるんじゃない?
  2. Aをバーターとして一緒に出してくれるならば、考えます。
  3. そのバーターでは、こちらが大きく損をしてしまいます。

➀のバーターは、ビジネスの分野で「お互いの商品や仕事、サービスを交換すること」という意味で使われています。

➁のバーターは、芸能界で「抱き合わせて売り出す芸能人」という意味で使われています。

➂のバーターは、ビジネスの分野で「交換条件」という意味で使われています。

「バーター」の語源


バーターは、意味によって語源が異なります。

  1. 語源①英単語の “barter”
    「交換すること」という意味
  2. 語源②「束(たば)」を逆さから読んだこと
    テレビ業界で「抱き合わせ」という意味

語源➀:英単語 “barter”

「交換すること」という意味のバーターの語源は、英単語の “barter” です。

“barter” には、「交換条件」「物々交換」などの意味があります。

ここから、ビジネスシーンなどで「物やサービスの取引」を表す言葉として使用されるようになりました。

語源➁:「束(たば)」を逆さから読んだこと

テレビ業界で「抱き合わせ」という意味で使用されるバーターの語源は「束」だと言われています。

芸能界では以下のように、言葉をひっくり返して使う業界用語が存在します。

  • 寿司→シースー
  • 銀座→ザギン

このような法則に従って、束を業界用語的に言ったのが「バーター」の由来になります。

「バーター」の類義語

バーターには以下のような類義語があります。

交換することという意味の類義語
  • 交換条件
    物事を引き受けたり承知したりする代わりとして出す条件
  • ギブアンドテイク
    「何かを与える代わりに何かをもらう」といった対等な互助関係
  • トレード
    売買の取引をすること・物と物、人と人とを交換すること
  • 物々交換
    物またはサービスを直接交換すること
  • チェンジ
    違ったものに変えること・交換すること
  • 代物替え(しろものがえ)
    品物を他の品物と交換すること
抱き合わせという意味の類義語
  • 抱き合わせ
    よい物とわるい物とを組み合わせる
  • セット
    組み合わせて一揃いにすること

「バーター」の関連語

バーターには以下のような関連語があります。

  • バーター取引
    現金を使用しない物と物による取引
  • バーター貿易
    国家間で行われるバーター取引
  • バーター契約
    交換条件を提示して交わす契約

それぞれの関連語の意味を詳しく解説します。

「バーター取引」の意味

バーター取引とは、現金を使用しない「物と物による取引」を意味します。

バーター取引の対象には形のある商品以外にサービスも含まれます。

つまり、「Aの商品を購入する代わりにBのサービスを受けられるようにする」という形の取引も可能です。

「バーター取引」のメリット

バーター取引では手元に現金がなくても取引を成立できるというメリットがあります。

そのため、現金として資産を持っていない企業でも、大きなビジネスチャンスを手に入れる可能性があります。

金銭を払わずに売上を上げることできるので、貸し倒れのリスクも少ないと言われています。

「バーター取引」のデメリット

バーター取引を行う両者の力関係に明らかな差がある場合、一方が不利な取引となってしまうというデメリットがあります。

「バーター取引」の具体例

実際に行われたバーター取引の事例としては、以下のようなものがあります。

  • 製薬会社が医療施設に薬を無料提供し、患者に薬を試してもらう
  • 弁護士が無料で顧問サービスを提供する代わりに、顧問先から商品を受け取る
  • 税理士事務所のHPを無料で作成する代わりに、弁護士に無料で顧問になってもらう

「バーター貿易」の意味

国家間で行われるバーター取引を、バーター貿易と呼びます。

具体例としては、外貨が不足しているA国がB国から自動車を輸入するときに、貨幣の代わりとしてA国の穀物を購入してもらうなどがバーター貿易です。

バーター貿易では貨幣のやりとりを行わずに済むので、外貨不足に陥ることが多い発展途上国はバーター貿易を行うことが多いです。

「バーター契約」の意味

「ある交換条件の代わりに契約を行う」という形で会社間結ばれるのが契約がバーター契約です。

バーター取引では、一方が不利な取引が成立してしまう場合が多いです。

そのため、現在は「バーター契約は撤廃されるべきだ」という意見もあります。

「バーター」のまとめ

以上、この記事ではバーターについて解説しました。

英語表記バーター(barter)
意味交換すること・抱き合わせること
語源英単語 “barter”
「束(たば)」を逆さから読んだこと
類義語交換条件
ギブアンドテイクなど

バーターが複数の分野で使われることがわかりましたね。