「おば」には「伯母」「叔母」「小母」の3つの漢字表記があります。
「どれが何を指すかわからない!」
そう思っていませんか?
そこで、この記事では「伯母」と「叔母」と「小母」の違いを解説しています。
このページの目次
結論:違いは父母の姉か妹か他人か
「叔母」は父母の妹、もしくは父母の弟と結婚している女性のことです。
「小母」は他人の中年女性のことを指します。
「伯母」の意味を詳しく
「伯母」とは、父母の姉、もしくは父母の兄と結婚している女性のことを指します。
父母の兄と結婚している女性のことは「義伯母」と呼ぶこともありますが、「伯母」と表記するほうが一般的です。
「義伯母」の場合は年齢は関係なく、父母の兄と結婚していれば、父母より年が若くても「伯母」と呼ぶので注意しましょう。
「伯母」は厳密に言うと、以下の5つの関係にあたる人のことを指します。
- 父母の実の姉
- 父母の兄の妻
- 祖父母の養女であり、かつ父母より年上の人
- 祖父母の再婚相手の娘であり、かつ父母より年上の人
- 父母の養親の実の娘であり、かつ父母より年上の人
こう分類すると難しいですが、「伯母」は「父母の姉、もしくは父母の兄と結婚している女性のこと」と覚えておけば問題ありません。
ちなみに、このうち「義伯母」と表記されることがあるのは❷です。
「叔母」の意味を詳しく
叔母とは、父母の妹、もしくは父母の弟と結婚している女性のことを指します。
父母の弟と結婚している女性は「義叔母」と呼ばれることもありますが、「叔母」と呼ばれるほうが一般的です。
「義叔母」の場合はたとえ父母より年上でも、父母の弟と結婚していれば「叔母」と呼ぶので注意が必要です。
「叔母」は厳密には以下の5つの関係にあたる人を指します。
- 父母の実の妹
- 父母の弟の妻
- 祖父母の養女であり、かつ父母より年下の人
- 祖父母の再婚相手の娘であり、かつ父母より年下の人
- 父母の養親の実の娘であり、かつ父母より年下の人
このように分類すると難しく感じますが、「叔母」は「父母の妹、もしくは父母の弟と結婚している女性のこと」と覚えておけば問題ありません。
ちなみに、❷は「義叔母」と呼ばれることもあります。
「小母」の意味を詳しく
「小母」とは、他人の中年女性のことを指します。
「小母」の呼ばれ方には以下のような種類があります。
- 丁寧に呼びたい場合:小母様、〇〇小母様
- 普通に呼びたい場合:小母さん、〇〇小母さん
- 親しみをこめたい場合:小母ちゃん、〇〇小母ちゃん
実際には「おばさん」「おばちゃん」などとひらがなで表記されることが多いです。
ただ、中年の女性は「おば」と呼ばれることにあまり良いイメージを持っていません。
そのため、中年の女性でも「お姉さん」などと呼んだほうが好感を持たれるでしょう。
「伯母」と「叔母」の漢字の覚え方
「伯母」と「叔母」は覚えてもすぐどっちがどっちだかわからなくなってしまいます。
これを覚えたい時には「伯仲叔季(はくちゅうしゅくき)」という四字熟語を覚えると良いでしょう。
昔の中国では兄弟姉妹を以下の呼び方で区別していました。
- 最年長の者が「伯」
- 2 番目の者が「仲」
- 3 番目の者が「叔」
- 4 番目の者が「季」
これを組み合わせた四字熟語が「伯仲叔季」です。
「伯」は「叔」より年上の人のことを指しているのです。
これを覚えておくと、「伯母」と「叔母」とを使い分けやすくなるでしょう。
「伯母」と「叔母」に関する豆知識
「伯母」と「叔母」に関する豆知識には以下のようなものが挙げられます。
- 結婚式の席次は「叔母」より「伯母」のほうが上座
- 「伯母」「叔母」と結婚式での服装は留袖が無難
- 「伯母」「叔母」の英語訳は “aunt”
- 「伯母」「叔母」は3親等
- 未婚でも既婚でも「伯母」「叔母」と呼ぶ
- 父方でも母方でも「伯母」「叔母」と呼ぶ
- 祖父母の姉・妹は「大伯母」「大叔母」と呼ぶ
それぞれの豆知識について詳しく見ていきましょう。
結婚式の席次は「叔母」より「伯母」のほうが上座
結婚式の席次では、一般的に「伯母」は「叔母」より上座に座ります。
具体的に言うと、結婚式の席次は以下の順番になります。
番号が若いほど上座です。
- 祖父・祖母
- 伯父・伯母
- 叔父・叔母
- 兄弟・姉妹
- 父・母
ただ、必ずこの順番で座らなければならないわけではありません。
大切なのは、会話が弾むように席を配置することです。
「伯母」「叔母」と結婚式での服装は留袖が無難
「伯母」「叔母」の結婚式での服装は和装の場合は留袖が無難です。
これは、両親の服装より格上にならないようにするためです。
未婚の場合は色留袖、既婚の場合は黒留袖が無難です。
洋装の場合はフォーマルなドレスを着る場合が多いです。
ドレスを着る場合は、花嫁を引き立てるためにも、落ち着いた色合いで肌を露出しすぎないものを選ぶようにしましょう。
「伯母」「叔母」の英語訳は “aunt”
「伯母」「叔母」は英語で訳すとどちらも “aunt” になります。
英語圏には年齢で親族を区別する風習がないためです。
英語では兄も弟も “brother” と呼ぶのと同じです。
「伯母」「叔母」は3親等
「伯母」「叔母」は3親等の親族です。
親等では親子関係を経るごとに1親等を加えます。
そのため、まずあなたから見て父母は1親等になります。
次に、祖父母は親の親なので2親等です。そして、「伯母」「叔母」は親の親の子なので3親等になります。
そのため、「伯母」「叔母」であっても「親等」を数えることはできません。
未婚でも既婚でも「伯母」「叔母」と呼ぶ
「伯母」と呼ぶか「叔母」と呼ぶかについて、結婚しているかどうかは関係ありません。
未婚でも既婚でも、父母の姉であれば「伯母」、妹であれば「叔母」と呼びます。
父方でも母方でも「伯母」「叔母」と呼ぶ
「伯母」と呼ぶか「叔母」と呼ぶかについて、母方か父方かは関係ありません。
父方であっても、父の姉であれば「伯母」、妹であれば「叔母」と呼びます。
祖父母の姉・妹は「大伯母」「大叔母」と呼ぶ
祖父母の姉の場合は「大伯母」、祖父母の妹の場合は「大叔母」と呼びます。
ちなみに、「大伯母」「大叔母」の場合も、祖父母の兄と結婚している場合は「大伯母」、祖父母の弟と結婚している場合は「大叔母」と呼びます。
まとめ
以上、この記事では、「伯母」と「叔母」の違いについて解説しました。
- 伯母:父母の姉、もしくは父母の兄と結婚している女性
- 叔母:父母の妹、もしくは父母の弟と結婚している女性
- 小母:他人の中年女性
口にする時は同じ発音の「おば」ですが、字にする時は意味の違いがあるため、注意して使い分けましょう。