今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「アンバサダー」です。
「アンバサダー」の意味、つく言葉、使い方、語源、類義語についてわかりやすく解説します。
☆「アンバサダー」をざっくり言うと……
英語表記 | アンバサダー(ambassador) |
---|---|
意味 | 企業や自治体に任命されて、宣伝などの活動を行う人 |
語源 | 英語で「大使」を意味する”ambassador” |
類義語 | インフルエンサー、エバンジェリストなど |
「アンバサダー」とは?
「アンバサダー」の意味を詳しく
「アンバサダー」には以下の2種類の意味があります。
- 商品やサービス・観光地などの宣伝活動を行う人
- 国を代表して他国に派遣される大使
本来は②の意味でしたが、現在ではビジネスシーンを中心に①の意味で使われることが多くなっています。
テレビなどで、「人気俳優が〇〇市の観光大使に任命された」といったニュースを見たことがある人も多いと思います。この観光大使も、「アンバサダー」の一種です。
「アンバサダー」は、SNSなどで契約した企業の製品や観光地の宣伝などを行います。「アンバサダー」はその企業・商品に強い熱意を持っている人が選ばれることが多いです。
「アンバサダー」として企業に協力すると、製品や優待券ををもらえるなど、様々な特典があることも多いようです。
「アンバサダー」がつく言葉
「アンバサダー」がつく言葉には以下のようなものが挙げられます。
- アンバサダー・マーケティング
- アンバサダー契約
- アンバサダー募集
- ブランドアンバサダー
- スペシャルアンバサダー
- アンバサダーホテル
- スチューデントアンバサダー
- アンバサダー(カクテル)
- ネスカフェアンバサダー
- ディズニーアンバサダー
- ディズニーアンバサダーホテル
- ヒンドゥスタン・アンバサダー
- アンバサダー(釣具)
- エアスピード アンバサダー
- アンバサダー級
それぞれの言葉について詳しく見ていきましょう。
【一般名詞】アンバサダー・マーケティング
「アンバサダー・マーケティング」とは、商品・サービスの熱心なファンを「アンバサダー」に任命し、SNSなどを通じて商品の魅力を広めてもらうマーケティング手法です。
「アンバサダー・マーケティング」では、企業が「アンバサダー」に商品サンプルやサービスの無料利用券などを渡します。
そして、「アンバサダー」は商品を使っている様子などをSNSに投稿するなどして、商品の魅力を広めます。
「アンバサダー・マーケティング」は熱心なファンが情報を発信するので、見た人が興味を持ちやすく、効果的な宣伝手法と言われています。
「アンバサダー・マーケティング」と「インフルエンサー・マーケティング」の違い
「インフルエンサー・マーケティング」はSNSで影響力がある「インフルエンサー」に商品やサービスなどを宣伝してもらうマーケティング手法です。
「アンバサダー・マーケティング」と「インフルエンサー・マーケティング」には以下のような違いがあります。
アンバサダー・マーケティング | インフルエンサー・マーケティング | |
---|---|---|
拡散力 | 低い | 高い |
購買へのつながりやすさ | 高い | 低い |
依頼先への報酬 | 商品サンプル・無料利用券の提供など | 金銭 |
依頼先の熱意 | 高い | 低い |
「アンバサダー・マーケティング」が濃く狭く宣伝できるのに対して、「インフルエンサー・マーケティング」は薄く広く宣伝できるのです。
【一般名詞】アンバサダー契約
「アンバサダー契約」とは、企業の商品を宣伝する広告塔として契約することを指します。
タレントやスポーツ選手など、有名人が起用されることもありますが、商品に強い熱意がある一般人が起用されることもあります。
【一般名詞】アンバサダー募集
「アンバサダー募集」とは、商品やサービスを宣伝する人を募集する行為を指します。
SNS上で一般人を募集することが多く、「アンバサダー」に任命されると商品やサービスが無料で利用できるなどの特典があります。
その代わり、「アンバサダー」はSNSなどで商品のPRを行います。
【一般名詞】ブランドアンバサダー
「ブランドアンバサダー」とは、企業からの依頼を受けて商品やサービスのPRを行う人のことです。
「ブランドアンバサダー」は有名人のこともあれば、商品やサービスに強い熱意がある一般人であることもあります。
有名人の場合は報酬が金銭のこともありますが、一般人の場合は商品やサービスの無料利用券などが報酬になる場合があります。
【一般名詞】スペシャルアンバサダー
「スペシャルアンバサダー」は企業から依頼を受けて商品・サービスをPRする人の中でも、特別な人のことです。
具体的には、その商品やサービスをよく使う有名人が起用されることが多いです。
たとえば、過去にメダルを獲得したりして活躍したスポーツ選手は「オリンピックスペシャルアンバサダー」に起用される場合があります。
【一般名詞】アンバサダーホテル
「アンバサダーホテル」とは、国の大使が宿泊するような豪勢なホテルのことです。
国の大使は国を代表して来るため、訪問先・駐在先では失礼がないように最上級のもてなしを受けます。
そのもてなしの一環として、国の大使には宿泊先として「アンバサダーホテル」が与えられるのです。
【一般名詞】スチューデントアンバサダー
「スチューデントアンバサダー(Student Ambassador/略称:SA)」は日本の文化を広めるため、海外に留学する学生のことです。
日本語で「派遣生」と呼ばれることもあります。
【一般名詞】アンバサダー(カクテル)
カクテルの「アンバサダー」はテキーラとオレンジジュースを混ぜたものにガムシロップを加えたものを指します。
ちなみに、テキーラとオレンジジュースを混ぜたカクテルは「シャンギロンゴ」と呼ばれます。
【固有名詞】ネスカフェアンバサダー
「ネスカフェアンバサダー」はネスカフェが募集しているアンバサダープログラムです。
「ネスカフェアンバサダー」になるとネスカフェのコーヒーマシンを無料で利用することができます。
その代わり、「ネスカフェアンバサダー」は職場などでみんなでネスカフェのコーヒーを楽しんでいる様子をSNSで投稿します。
【固有名詞】ディズニーアンバサダー
「ディズニーアンバサダー」とは、ディズニーの魅力を広める親善大使のことです。
「ディズニーアンバサダー」は世界中のディズニーリゾートのキャストから選ばれます。
「ディズニーアンバサダー」は以下のような活動を行っています。
- テレビなどでのディズニー情報の紹介
- 児童福祉施設・病院などの訪問
- ディズニーリゾートを訪れる要人の案内
- キャスト向けイベントでの司会
【固有名詞】ディズニーアンバサダーホテル
「ディズニーアンバサダーホテル」は東京ディズニーリゾートにある日本で初めて建てられたディズニーホテルです。
ホテルとして宿泊できるだけでなく、結婚式を開催することもできます。
【固有名詞】ヒンドゥスタン・アンバサダー
「ヒンドゥスタン・アンバサダー」はインドの国民車として知られる車です。
インドの車メーカー「ヒンドゥスタン・モーターズ」が1958年~2014年まで生産していました。
【固有名詞】アンバサダー(釣具)
釣具の「アンバサダー」とは、釣具メーカー「アブガルシア」が製造販売している丸形リールのことです。
ファンから根強い人気がある釣具です。
【固有名詞】エアスピード アンバサダー
「エアスピード アンバサダー」は1950年代に運用されたエアスピード社製の双発レシプロ旅客機です。
【固有名詞】アンバサダー級
「アンバサダー級」は映画『スタートレック』シリーズに登場する宇宙船のクラス名のひとつです。
「アンバサダー」の使い方
「アンバサダー」は、文中では以下のように使われます。
- 最近人気の俳優を、自社製品のアンバサダーとして任命する。
- 好きな時計メーカーがアンバサダーの募集をしているのを見かけ、応募した。
「アンバサダー」の語源
「アンバサダー」は、英語の ”ambassador” という単語が由来になっています。
英語の “ambassador” には以下のような意味があります。
- 大使
- 使節、代表
一般的には、その国を代表して他国に出向く、外交の「大使」を意味する単語です。
ただ、カタカナ語の「アンバサダー」は「大使」の意味で使われることはあまりありません。
ちなみに、昔は女性の “ambassador” は “ambasadress” と呼びましたが、現在では “ambassador” で統一されています。
「アンバサダー」の類義語
「アンバサダー」には以下のような類義語があります。
- インフルエンサー:SNSで強い影響力を持っている人
- エバンジェリスト:自社の技術的課題を説明して広める人
- メッセンジャー:品物・伝言を送り届ける人
- 使者:命令を受けて使いをする人
- 公使:国家を代表して外交事務を取り扱う人
- 広告塔:企業・団体の宣伝を行う有名人
- 広報大使:政府、行政機関などが広報などのために任命する役職
- ブランド大使:ブランドに対して好意的な発信や宣伝を行う人
- イメージキャラクター:広告にいつも登場し、企業や商品のイメージづくりをする人
- マスコットキャラクター:組織やプロジェクトの象徴になる人や物
「アンバサダー」と「インフルエンサー」の違い
「インフルエンサー」とは、SNS上で強い影響力を持っている人のことです。
「アンバサダー」と「インフルエンサー」はどちらも企業に協力して商品やサービスの紹介を行うことがあります。
ただ、「アンバサダー」と「インフルエンサー」には以下のような違いがあります。
- アンバサダー:商品・サービスへの熱意は高いがSNSでの影響力は低い
- インフルエンサー:商品・サービスへの熱意は低いがSNSでの影響力は高い
「アンバサダー」と「インフルエンサー」では熱意と影響力が異なるのです。
「アンバサダー」と「エバンジェリスト」の違い
「エバンジェリスト」はIT業界で、自社の技術的な課題を社内外に説明して広める人のことです。
「アンバサダー」と「エバンジェリスト」には以下のような違いがあります。
- アンバサダー:商品・サービスの魅力を広める
- エバンジェリスト:技術的課題を広める
「アンバサダー」と「エバンジェリスト」では広めるものが異なるのです。
ただ、会社のことを広めるという点は共通しています。
「アンバサダー」と「メッセンジャー」の違い
「メッセンジャー」は品物・伝言を送り届ける人のことです。
「アンバサダー」と「メッセンジャー」には以下のような違いがあります。
- アンバサダー:商品・サービスの魅力を広める
- メッセンジャー:品物・伝言を届ける
「アンバサダー」と「メッセンジャー」では届けるものが異なるのです。
また、「アンバサダー」が広めるのに対して、「メッセンジャー」は指定された特定の人にだけ届けます。
まとめ
以上、この記事では「アンバサダー」について解説しました。
英語表記 | アンバサダー(ambassador) |
---|---|
意味 | 企業や自治体に任命されて、宣伝などの活動を行う人 |
語源 | 英語で「大使」を意味する”ambassador” |
類義語 | インフルエンサー、エバンジェリストなど |
アメリカで始まった「アンバサダー・マーケティング」は、現在徐々に日本でも広まってきています。
ネットで「アンバサダー」を募集している企業も多く存在しているので、誰でも気軽に応募できます。
選考がある企業もありますが、登録のみでよい企業もあります。
ぜひ、自分の好きな企業が「アンバサダー」を募集しているか調べてみてください。