「雨垂れ石を穿つ」の意味とは?読み方は?英語や類語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「雨だれ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)」です。

「雨だれ石を穿つ」の意味、例文、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「雨垂れ石を穿つ」をざっくり言うと……

読み方雨だれ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)
意味どんなに小さな力でも根気よく続けていればいつか成果が得られることのたとえ
由来『漢書』の中に出てくる「泰山の霤は石を穿ち」という言葉から
類義語蟻の思いも天に届く、精神一到何事か成らざらん、ローマは一日にして成らず、など
英語訳Constant dripping wears away the stone
(たえず垂れ落ちるしずくは石にさえ穴をあける)

「雨だれ石を穿つ」の意味をスッキリ理解!

雨だれ石を穿つ(あまだれいしをうがつ):どんなに小さな力でも根気よく続けていればいつか成果が得られることのたとえ

「雨だれ石を穿つ」の意味を詳しく

「雨だれ石を穿つ」とは、どんなに小さな力でも根気よく続けていればいつか成果が得られることのたとえです。

軒先から落ちる雨だれでも長い間同じところに落ち続ければついには硬い石に穴をあけることから、上記の意味が生まれました。

ちなみに、「雨だれ」とは、雨のしずくのことを表しています。

また、「穿つ」とは穴をあけることや掘ることを表しています。

 

そして、「雨だれ石を窪む(あまだれいしをくぼむ)」と表記されることもあります。

「雨だれ石を穿つ」の例文

  1. 雨だれ石を穿つだ。努力していればいつか成果はついてくる。
  2. 私は雨だれ石を穿つという言葉を座右の銘にし、毎日努力を継続するようにしている。
  3. 私は努力が報われなくて意気消沈している友達に、雨だれ石を穿つという言葉を教えた。

「雨だれ石を穿つ」の由来

「雨だれ石を穿つ」の出典は『漢書(かんじょ)』の「枚乗伝(ばいじょうでん)」という章です。

この章の中に「泰山(たいざん)の霤(あまだれ)は石を穿ち」という言葉が出てきます。

この言葉は「泰山という山から染み出た雨のしずくが、時間をかけてしたたって石を砕いた」という意味になります。

『漢書』

『漢書』とは、中国の後漢の時代に班固(はんこ)らによって編纂された前漢のことを記した歴史書です。

同じく有名な『史記』と比べると物語としては面白みにかけますが、高い正確さを誇ります。

「雨だれ石を穿つ」の類義語

「雨だれ石を穿つ」には以下のような類義語があります。

  • 蟻(あり)の思いも天に届く
  • 石に立つ矢
  • 一念岩をも通す
  • 斧を研いで針にする(おのをといではりにする)
  • 思う念力(ねんりき)岩をも通す
  • 愚公移山(ぐこういざん)
  • 愚公山を移す(ぐこうやまをうつす)
  • 金輪際(こんりんざい)の玉も拾えば尽きる
  • 人跡繁ければ山も凹む(ひとあとしげければやまもくぼむ)
  • 水滴石を穿つ(すいてきいしをうがつ)
  • 精神一到何事か成らざらん(せいしんいっとうなにごとかならざらん)
  • 塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)
  • 釣瓶縄井桁を断つ(つるべなわいげたをたつ)
  • 鉄杵を磨く(てつしょをみがく)
  • 点滴石を穿つ(てんてきいしをうがつ)
  • 蚤の息さえ天に昇る(のみのいきさえてんにのぼる)
  • ローマは一日にして成らず
  • 継続は力なり

「雨だれ石を穿つ」の英語訳

「雨だれ石を穿つ」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Constant dripping wears away the stone.
    (たえず垂れ落ちるしずくは石にさえ穴をあける)
  • slow but steady wins the race
    (遅くても継続している者が競争に勝つ)

まとめ

以上、この記事では「雨だれ石を穿つ」について解説しました。

読み方雨だれ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)
意味どんなに小さな力でも根気よく続けていればいつか成果が得られることのたとえ
由来『漢書』の中に出てくる「泰山の霤は石を穿ち」という言葉から
類義語蟻の思いも天に届く、精神一到何事か成らざらん、ローマは一日にして成らず、など
英語訳Constant dripping wears away the stone
(たえず垂れ落ちるしずくは石にさえ穴をあける)

「雨だれ石を穿つ」はとてもためになる言葉ですよね。

座右の銘としても利用することができます。

ピッタリな機会があったらぜひ使っていきたいものです。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。