「あくまでも」とは「どこまでも、徹底的に」という意味です。
日常的に使われる言葉ですが、意味が抽象的なため正確な理解は難しいですよね。
この記事では三つの意味にわけてわかりやすく解説しています。
☆「あくまでも」をざっくり言うと……
読み方 | あくまでも |
---|---|
意味 | どこまでも、徹底的に |
由来 | 飽く迄も |
類義語 | 徹底的に、頑として、何が何でもなど |
英語訳 | just(あくまでも参考)、only(あくまでも目安)、stick to(意見を変えない) |
このページの目次
「あくまでも」の意味
どこでも、徹底的に
「あくまでも」は「貫き通すこと」を表します。
「あくまでも」は、漢字で「飽く迄も」と表記します。
抽象的な意味を持ちますが、日常生活では大きく分けて三つの意味で使われます。
- 限定的であることを強調するさま
- 物事を最後までやりとおすさま
- とどまることなく続くさま
以下、それぞれの意味を詳しく解説します。
意味①:限定的であることを強調するさま
ひとつ目の意味は、「限定的であることを強調するさま」です。
「あくまでも」の意味の中で、日常生活で最も使われる頻度が高いものです。
「あくまでも」は、続く言葉がどこまでいってもその範囲を出ないことを表現します。
たとえば、「あくまでも個人的な意見ですが」では、その意見が個人の意見であることを強調できます。
この意味を誤用だという人もいましたが、現在では広く使われており、正式な意味として認知されています。
意味②:物事を最後までやりとおすさま
二つ目の意味は、「物事を最後までやりとおすさま」です。
「あくまでも~します」「あくまでも〜するつもりはありません」など、強い意志を持っていることを表現します。
決意表明として使われる言葉です。
意味③:とどまることなく続くさま
三つ目の意味は、「とどまることなく続くさま」です。
他の二つの意味と比べて、使われる頻度は少ないですが、詩的な表現として用いられます。
たとえば、「あくまでも澄んだ海」で「澄んだ海がどこまでも続いている様子」を表します。
「あくまでも」と「あくまで」は同じ意味の言葉ですが、より強調したいときには「あくまでも」を使います。
どちらも正しい表現として使われています。
「あくまでも」の使い方
「あくまでも」の使い方を、意味別に詳しく見ていきましょう。
- 「限定的であることを強調するさま」という意味での使い方
- 「物事を最後までやりとおすさま」という意味での使い方
- 「とどまることなく続くさま」という意味での使い方
①「限定的であることを強調するさま」という意味での使い方
「限定的であることを強調するさま」という意味の「あくまでも」は、自分の意見を述べる際に使われることが多いです。
- その件につきましては、あくまでも口約束にすぎないので、その点ご了承いただくようお願い申し上げます。
- あくまでも個人的な意見ですが、もう少しだけ塩を多くしたらより美味しくなると思います。
「あくまでも〇〇です」「あくまでも〇〇ですが」という言い回しで使う場合が多いです。
②「物事を最後までやりとおすさま」という意味での使い方
「物事を最後までやりとおすさま」という意味の「あくまでも」は、決意表明に使われることが多いです。
- いくらお金を積まれたって自分のポリシーに反することはせず、あくまでも社会貢献につながる仕事だけを請ける。
- 野球部での三年間は、あくまでも勝ちにこだわり続けて練習に励んだ。
「あくまでも〇〇する」「あくまでも〇〇するつもりはありません」という言い回しで使う場合が多いです。
③「とどまることなく続くさま」という意味での使い方
「とどまることなく続くさま」という意味の「あくまでも」は、詩的な表現として使われることが多いです。
- あくまでも透明な青を前にして、僕はゆっくり握りこぶしをほどいた。
- 夜空はあくまでも群青に染まり、星のひとつの輝きすら見つけられなかった。
「あくまでも〇〇」という言い回しで使う場合が多いです。
「あくまでも」のビジネスシーンでの使い方
「あくまでも」は、敬語表現ではありませんが、堅い表現なので目上の人に対しても使用することができます。
後ろに続く文章を敬語表現にして使用します。
- あくまでも〜ですが
- あくまでも〜です
- あくまでも〜にすぎませんが
「あくまでも」の由来
「あくまでも」は、漢字で「飽く迄も」と表記します。
「飽」という漢字は「飽きるまで」「どこまでいっても」「とことん」という意味を持ちます。
つまり、「飽く迄も」で「飽きるまで徹底的に」という意味合いとなります。
そこから転じて、「あくまでも」が「どこまでも・徹底的に」という意味で使われるようになりました。
「あくまでも」の類義語
「あくまでも」には以下のような類義語があります。
②「物事を最後までやりとおすさま」という意味の類義語
- 徹底的(てっていてき)に
余すところなく、すみずみまで - 頑(がん)として
融通がきかない、かたくなに - 何が何でも
たとえどんなことがあったとしても - 断固(だんこ)として
非常に意志が強いさま - 草の根を分けても
あらゆる方法を尽くして - 徹頭徹尾(てっとうてつび)
最初から最後まで - 初志貫徹(しょしかんてつ)
初めに心に決めた志を最後まで貫き通すこと - 絶対に
どうしても、決して
③「とどまることなく続くさま」という意味の類義語
- どこまでも
その状態や行為が際限なく続くさま、ずっと先まで - とても
程度が大きいこと - 非常に
はなはだしいこと
「とどまることなく続くさま」という意味の類義語には「どこまでも」などがあります。
「どこまでも」は「その状態や行為が際限なく続くさま、ずっと先まで」という意味です。
「あくまでも」の英語訳
「あくまでも」を英語に訳すと、次のような表現になります。
①「限定的であることを強調するさま」という意味の英語訳
- just
(あくまでも参考) - only
(あくまでも目安)
The highlights display is for reference only.
(ハイライトはあくまでも参考です。)
②「物事を最後までやりとおすさま」という意味の英語訳
- stick to
(意見を変えない) - to the end
(最後までやり抜くさま) - persistently
(最後までやり抜くさま) - to the last
(最後まで)
In order for this system to truly take root, you will need to continue to persistently take action.
(この仕組みが本当に根付くためには、とことん行動を起こし続ける必要がある。)
③「とどまることなく続くさま」という意味の英語訳
- so
(とても) - very
(とても)
The night sky was so blue that I couldn’t even find a star.
(夜空はあくまでも群青に染まり、星のひとつの輝きすら見つけられなかった。)
「あくまでも」のまとめ
以上、この記事では「あくまでも」について解説しました。
読み方 | あくまでも |
---|---|
意味 | どこまでも、徹底的に |
由来 | 飽く迄も |
類義語 | 徹底的に、頑として、何が何でもなど |
英語訳 | just(あくまでも参考)、only(あくまでも目安)、stick to(意見を変えない) |
相手に意思を伝える際に便利な言葉です。ぜひ使ってみましょう。