「徒花(あだばな)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「徒花(あだばな)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「徒花」の意味をスッキリ理解!

徒花(あだばな):実がつかない花

「徒花」の意味を詳しく

「徒花」とは、実がつかない花のことです。

「徒」は無駄という意味を持つ漢字です。たとえば「徒労(無駄な苦労)」や「徒食(無駄食い)」という単語を聞いたこともある方は多いのではないでしょうか。

また、もとの意味が転じて、4つの意味を表すようになりました。

  1. 見た目だけがよく、中身が伴っていないもの
  2. 咲いてもすぐ散る儚い花
  3. 季節はずれに咲く花
  4. 祝儀として渡す紙花(かみばな)のうち、あとで現金と変えるつもりもないもの

もっともよく見られる使い方は①です。中身が伴わないことを揶揄したり、努力や苦労が無駄になってしまうことを残念がったりする際に使われます。

②の意味で「徒花」と言う場合は、主に桜のことを指します。また、転じて、儚い恋のたとえとしても使われます。

 

④に出てくる「紙花」とは、遊郭で客が芸妓に祝儀として与える白い紙です。その場では白い紙を渡しておき、後日現金に換えるという形で祝儀が渡されていました。

「現金に換えることができない紙花」はただの紙であるため、まさに「実のならない花」、「徒花」となるわけですね。

なお、徒花は「いたずらばな」「むだばな」と読むこともあります。「むだばな」と読む場合は雄花のことを指していることが多いです。

「徒花」の使い方

  1. このプロジェクトは、ただブームに流されているだけで、所詮、徒花にしかならないだろう。
  2. 徒花に実はならぬと言うから、一つずつ着実に積み重ねていこう。
  3. この恋は、徒花だったなあ。

上記の例文のように、「徒花」は何かの物事や企画、計画などに対して使われます。

①の例文では、ブームに流されて発足した「プロジェクト」の中身の伴わなさを揶揄しています。

②は「徒花に実はならぬ」ということわざを使用した例文です。「徒花に実はならぬ」とは、中身が伴っていない計画は、見た目がよくともよい成果は得られないということを表したことわざです。

 

③は、儚く散ってしまった恋を嘆く文です。

このように、「徒花」は否定的なニュアンスで使われることが多いです。

「徒花」の語源

平安時代の頃には、すでに使われていたようです。「徒(あだ)なり」という、「無駄であること」を意味する古語と「花」が組み合わさり「徒花」となりました。

また、「徒なり」と同じ漢字を使う単語に「徒(いたづ)らなり」という単語もあります。こちらには「むなしい」という意味があるため、それが転じて、咲いても儚く散ってしまう桜の花を「徒花」と表すようになったようです。

「徒花」の類義語

徒花には以下のような類義語があります。

  1. 見せかけ、見かけ倒し、虚栄(きょえい)、虚飾(きょしょく)、など:中身が伴っていないということ
  2. 水の泡(みずのあわ):努力が無駄になるということ
  3. 徒桜(あだざくら):桜の儚さを強調する言葉
  4. 狂い咲き(くるいざき):季節はずれに花が咲くこと

①はどれも「外見は華やかである/しっかりしているが、中身は伴っていない」というニュアンスを含んでいます。徒花も同様に外面がしっかりしていることを表す単語ですので、ほぼ同じ用法で使うことができます。

「徒花」の対義語

徒花には以下のような対義語があります。

  • 実る、結実(けつじつ)する:花などが実を結ぶこと

花以外にも、「苦労が実る」「努力が結実する」などの形で、人の努力/労力に対しても使われます。

「徒花」の英語訳

徒花を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • blossom that bear no fruit
    (実をつけない花)
  • nominal
    (名ばかりの、わずかな)
  • titular
    (名義上の、有名無実の)
  • come to nothing
    (無駄になる)
  • blossom blooming out of season
    (季節はずれの花)

nominalとtitularはどちらも「名ばかりの」を意味する単語であり、徒花の英語訳として使うことができます。ただ、nominalはお金について使われることが多く、titularは権利や肩書きなどに使われることが多いという特徴があります。

あくまで「どちらかといえば」という話なので、おおむねどちらでも問題なく使えます。

まとめ

以上、この記事では「徒花」について解説しました。

読み方徒花(あだばな)
意味実がつかない花
語源古語の形容動詞「徒なり」(あだ-なり)+「花」
類義語見せかけ、虚飾、水の泡、狂い咲きなど
対義語実る、結実するなど
英語訳nominal(名ばかりの)、come to nothing(無駄になる)など

古くからある言葉のため、和歌や文学作品にも時折出てきます。覚えておくと楽しめます。