今回ご紹介する言葉は、「つつがなく」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「つつがなく」をざっくり言うと……
読み方 | つつがなく |
---|---|
意味 | 病気や災難などの異常がないさま |
由来 | 「つつが(恙)」(うれい、心配事、病気) + 「なく」(存在しない) |
類義語 | 遅滞(ちたい)なく、何事もなく、首尾よく、平穏無事になど |
対義語 | 災厄(さいやく)、災難、禍事(まがごと)、大難(だいなん)、災禍(さいか)など |
英語訳 | without incident(事故もなく)、safely(安全に)、steadily(しっかりと) |
このページの目次
「つつがなく」の意味をスッキリ理解!
改まった場や手紙での挨拶において、多く使われる表現です。
「つつがなく」の意味を詳しく
「つつがなく」は、病気や災難などの異常がないさまという意味の言葉です。
「トラブルが起こりそうだったが、無事であった」というニュアンスを含んでいる表現のため、結婚式や葬式、お見舞いなどで「式はつつがなく執り行われました」というように使うことは避けましょう。そのような場では、一般的に「滞りなく」という表現を使います。
また「つつがなく」は、やや堅い印象を与える表現であるため、状況に応じた使い分けをする必要があります。
「つつがなく」の使い方
- おかげさまで、つつがなく新年を送ることができました。
- 今後もつつがなくお過ごしください。
- 如何にいます父母、つつがなしや友がき
①の例文は、新年のあいさつでの「つつがなく」の使い方です。新年のあいさつでは定型文として使われています。
②の例文は「無事に過ごしてください」ということを伝えるための「つつがなく」の使い方です。
③の例文は、文部省唱歌『ふるさと』の一節です。友人の消息を気にかけている様子を表しています。
「つつがなく」の由来
「つつがなく」は、用いられている語句に注目すると、語源から意味を理解できます。
「つつがなく」に用いられている語句の意味はそれぞれ以下の通りです。
- つつが(恙):うれい、心配事、病気
- なく:存在しないこと
この二つの語句を組み合わせて「つつがなく」は「病気や災難などの異常がないさま」という意味で使われるようになりました。
「つつがなく」の類義語
「つつがなく」には以下のような類義語があります。
「つつがなく」の類義語には、物事が順調に進んでいることを表す語が挙げられます。
「つつがなく」の対義語
「つつがなく」には以下のような対義語があります。
- 災厄(さいやく):わざわい
- 災難:思いがけない不幸な出来事
- 禍事(まがごと):不吉な言葉
- 大難(だいなん):大きな災難
- 災禍(さいか):地震や火災によって受ける災害
これらの語に多く使われている漢字「災」や「禍」「難」はいずれも、解決の困難なわざわいを意味しています。
「つつがなく」の英語訳
「つつがなく」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- without incident
(事故もなく) - safely
(安全に) - steadily
(しっかりと)
“without incident” は「ない」という意味の “without” と「事故」という意味の “incident” が合わさった表現で「つつがなく」と構成は同じです。
まとめ
以上、この記事では「つつがなく」について解説しました。
読み方 | つつがなく |
---|---|
意味 | 病気や災難などの異常がないさま |
由来 | 「つつが(恙)」(うれい、心配事、病気) + 「なく」(存在しない) |
類義語 | 遅滞(ちたい)なく、何事もなく、首尾よく、平穏無事になど |
対義語 | 災厄(さいやく)、災難、禍事(まがごと)、大難(だいなん)、災禍(さいか)など |
英語訳 | without incident(事故もなく)、safely(安全に)、steadily(しっかりと) |
「つつがなく」は、一般的に改まった場で使われるていねいな表現です。大人として重要なマナーですので、しっかりと覚えておきましょう。