今回ご紹介する言葉は、熟語の「多謝(たしゃ)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「多謝」をざっくり言うと……
読み方 | 多謝(たしゃ) |
---|---|
意味 | 深く感謝やお詫びをすること |
語源 | 「多」(多い) + 「謝」(礼を述べる、お詫びをする) |
類義語 | 深謝(しんしゃ)、万謝(ばんしゃ)、謝意、面謝(めんしゃ)、報恩謝徳(ほうおんしゃとく)など |
英語訳 | many thanks(どうもありがとう)、thanks awfully(本当にありがとう)、deep appreciation(多謝) |
このページの目次
「多謝(たしゃ)」の意味をスッキリ理解!
感謝をするときにもお詫びをするときにも使う言葉です。
「多謝(たしゃ)」の意味を詳しく
「多謝(たしゃ)」には二つの意味があります。
- 深く感謝をすること
- 深くお詫びをすること
①が「多謝」の本来の意味です。二文字目の「謝」を「感謝」という意味で使っています。
②の使い方は「無礼や過失を詫びる」という意味の「多罪(たざい)」と間違えて使われるようになった表現です。誤用ではありますが、いまでは「多謝」の二つ目の意味として定着しています。
「多謝(たしゃ)」の使い方
- 弊社にお越しいただき、多謝申し上げます。
- 皆様から贈り物をいただき、多謝しております。
- 何もわからなかった私に仕事を教えてくれた上司には多謝しなければならない。
①の例文は、ビジネスシーンでの「多謝」の使い方について書かれています。「多謝申し上げる」という表現を使うことで敬意をもって感謝を伝えています。
②の例文は「多謝する」という表現を使って、贈り物をもらったことに対する感謝の思いを伝えています。
③の例文は「多謝しなければならない」という表現を使って、内側から湧き上がる感謝の思いを描いています。
「多謝(たしゃ)」の語源
「多謝(たしゃ)」は、用いられている漢字に注目すると、語源から意味を理解できます。
「多謝」の漢字の意味はそれぞれ以下の通りです。
- 多:多い、褒める、ありがたいと思う
- 謝:礼を述べる、詫びる
この二つの漢字を組み合わせて「多謝」は「深く感謝やお詫びをすること」という意味で使われるようになりました。
「多謝(たしゃ)」の類義語
「多謝(たしゃ)」には以下のような類義語があります。
- 深謝(しんしゃ):深く感謝すること、心から詫びること
- 万謝(ばんしゃ):深く感謝すること、深く詫びること
- 謝意:感謝の心、過ちを詫びる気持ち
- 面謝(めんしゃ):面と向かって礼を言うこと、面と向かって謝罪すること
- 報恩謝徳(ほうおんしゃとく):恩や恵みに対して感謝の気持ちを持つこと
「多謝」同様に「感謝」と「謝罪」の両方の意味を持った類義語が多いです。
「多謝」と「深謝」の違い
「多謝」の類義語に「深謝」がありますが、その二つの意味は似て非なるものです。 二つの言葉の意味の違いについて以下で解説します。
- 多謝:何度も感謝・お詫びをする
- 深謝:心の底から深く感謝・お詫びをする
このように「多謝」と「深謝」は、それぞれ感謝・お詫びをする回数と深さにフォーカスしているという点で異なります。
「多謝(たしゃ)」の英語訳
「多謝(たしゃ)」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- many thanks
(どうもありがとう) - thanks awfully
(本当にありがとう) - deep appreciation
(多謝)
いずれも深い感謝を表す表現です。 “deep appreciation” はフォーマルな表現です。場面や相手に応じて使い分けるようにしましょう。
まとめ
以上、この記事では「多謝(たしゃ)」について解説しました。
読み方 | 多謝(たしゃ) |
---|---|
意味 | 深く感謝やお詫びをすること |
語源 | 「多」(多い) + 「謝」(礼を述べる、お詫びをする) |
類義語 | 深謝(しんしゃ)、万謝(ばんしゃ)、謝意、面謝(めんしゃ)、報恩謝徳(ほうおんしゃとく)など |
英語訳 | many thanks(どうもありがとう)、thanks awfully(本当にありがとう)、deep appreciation(多謝) |
「多謝(たしゃ)」の「謝」は「感謝」と「謝罪」という二つの意味を持ちます。同じ言葉でまったく違う気持ちを表現できるので、受け手は文脈に応じた意味の理解をする必要があります。