今回ご紹介する言葉は、熟語の「誤謬(ごびゅう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「誤謬」をざっくり言うと……
読み方 | 誤謬(ごびゅう) |
---|---|
意味 | 考えや知識などの誤り |
類義語 | 間違い、誤り、錯誤など |
対義語 | 訂正、修正 |
英語訳 | logical fallacy(論理的誤謬)など |
「誤謬」の意味をスッキリ理解!
「誤謬」の意味を詳しく
「誤謬」は、「考えや知識などの誤り」のことです。
単なる間違いよりも、論理や知識、データなどの「正しく物事を考えるのに必要なものが誤っている」というニュアンスが強いです。
「誤謬」は、以下の2つの漢字から構成されています。
- 誤:誤り、間違い
- 謬:誤り
誤謬は以下の分野の用語としても使われており、分野ごとにニュアンスが異なります。
- 論理学
- 会計処理
- 経済学
【論理学分野】「誤謬」の意味
論理学での「誤謬」は、「論証の過程に明らかな瑕疵(かし)があること」という意味です。
「誤謬」というと、主にはこの論理学での誤謬がイメージされます。
これが意図的であった場合は「詭弁」と呼ばれます。
【会計処理分野】「誤謬」の意味
会計処理での「誤謬」は、「会計担当者の未熟さにより、記帳や計算、会計処理を間違ったりすること」を指します。
過去の会計処理において重要な誤謬が発見された場合、修正再表示が必要になります。修正再表示とは、過去期の会計処理について修正し、訂正報告書を提出することです。
これが意図的であった場合は「不正」と呼ばれます。
【経済学分野】「誤謬」の意味
経済学での「誤謬」は、「合成の誤謬」という用語で使われます。
「合成の誤謬」とは、「個人や個々の企業などのミクロの判断では正しいことも、マクロで見るとよくない結果を招いてしまうこと」です。
「合成の誤謬」として代表的なものは「貯蓄の逆説」です。景気が悪くなると各個人が貯蓄をしお金を使わなくなりますが、そのことがさらなる景気悪化を招くというパラドックスのことです。
「誤謬」の使い方
誤謬には以下のような言い回しがあります。
- 論理的誤謬
- 形式的誤謬
- 非形式的誤謬
それでは、それぞれの言い回しについて、例文と一緒に見ていきましょう。
「論理的誤謬」の使い方
「論理的誤謬」とは、論理の組み立てに誤りがあることです。
「形式的誤謬」の使い方
「形式的誤謬」とは、論理の組み立てに誤りがあることです。
「論理的誤謬」と意味は同じですが、続く「非形式的誤謬」に対応する形で「形式的誤謬」と呼ぶことがあります。
「非形式的誤謬」の使い方
「非形式的誤謬」とは、論理の組み立て自体には誤りはないものの、前提がそもそも誤りであるゆえに結論も誤ってしまうことです。
たとえば、あまりに少ない事例のみを一般化してしまう「早まった一般化」や、ただ関連性があるだけなのにそこに因果関係を見出してしまう「相関関係と因果関係の混同」などがあります。
「誤謬」の類義語
誤謬には以下のような類義語があります。
- 間違い:正しいものと異なること
- 誤り:正しくないこと
- 過失:不注意により過ちを犯すこと
- 錯誤:認識と事実が一致しないこと
- 過ち:ミスを犯すこと
- 瑕疵:傷や欠点
- ミステイク:失敗や間違い
「誤謬」の対義語
誤謬には以下のような対義語があります。
- 訂正:言葉や文字の誤りを直すこと
- 修正:不十分なところや間違っているところを直すこと
「誤謬」の英語訳
誤謬を英語に訳すと、次のような表現になります。
- mistake
(間違い) - logical fallacy
(論理的誤謬)
まとめ
以上、この記事では「誤謬」について解説しました。
読み方 | 誤謬(ごびゅう) |
---|---|
意味 | 考えや知識などの誤り |
類義語 | 間違い、誤り、錯誤など |
対義語 | 訂正、修正 |
英語訳 | logical fallacy(論理的誤謬)など |
論理学の用語ですが、日常生活にも役に立つことが非常に多いです。